混沌とした水が透けるとき

言葉を釣り上げる喜びといったら


あぁ、まだ詩をやめられそうにないよ



 
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

 ....
密談の海を冷酷にすすんでいた

感情の海に難破船がゆれていた

黒雲がわれ光の束がさしている

嵐のあとの静けさは自由だった


終わりが始まる

裏切りと

切実が連環する ....
窓をあけると風が気持ちいい

晴れてはいないけれど清々しい

鮮やかなコンクリートには

空の模様が映しだされている

どこからか子供の声

くるくる舞っている

駆けだしてい ....
  赤い女が
  椅子に座っている
  詩のような塵と
  塵のような詩が
  電子のように周囲をまわる
  アーモンド
  バームクーヘン
  傷ひとつない夕暮れ



 ....
  よれよれの野球帽をかぶった
  一人の男が歩道に立って
  車の往来を眺めている
  肌寒い初春の朝に



  ジャンパーのポケットに突っ込んだ
  両の手をもぞもぞさせ ....
正しさ醜さにくたびれたときひもとくもの
たとえば詩集

靴紐を解いて
靴下を脱いで
握り締めていたものが失われ
冷気にじかに触れ

はだしだ
ぼくははだしだ

裸体 その尊さを噛 ....
ねそべるだけが得意の女の子に
バタクリームいっぱいのせて窒息
させたいできれば

僕には愛はないが憎悪がある
草木がそだつすこやかさを穿つ雨みたいな
裏がえって粟だった憎悪だから
女 ....
ちょうど百年まえにも
こんな日があったね

うす暗い部屋に
暴力的な光がとびちって
あなたの背中から
夜が逃げていく

どんなふうに笑ったら
夜は戻ってくるだろうか

あなた ....
作っても作っても作れない

愛しても愛しても愛せない

中途半端な極道は哭くことさえ許されていない

言葉だけがすくいだった

孤独の淵から這い上がる力をくれたんだ

遠くにある星 ....
二人のホームレスが同じ公園に暮らしていた。一人は家庭の不幸により、暫時行き場所を失った優秀な青年。もう一人は幼い頃からの窃盗の常習犯で長く浮浪生活をしていた。二人は意気投合し、配給される食事を一緒に食 .... きっと女性 性別はきっとない
でも ほのかにジェンダーは傾く 甘い香り

ぷるんとした肌は 密室にくっつき 出番を待つ

 嫌う人はきっと この広い世界だからカウントできるかもしれない
  ....
今にも泣き崩れそうな
この空の下で
砂を噛め
針を回せ
鼓動を刻め
気を吐いて進め
胸を張って
風を切って
少女よ
忘れられた旗をうち振って
心だけは自由に生きてゆけ
 
 
五月の窓がある
五月の肩幅になった
私が映っている
外には五月が広がっていて
部屋の中は
五月が凪いでいる
四月の私はもういない
確かに昨日までは
ここにいたはずなのに
 ....
死を考える絵師は
炎を身にまとっている
その志の高さは不明だが
他己ともども皆が死ぬと
初めて知ったかのように
絵師は考える
炎は一途に燃えさかる様

変革を求めて割腹か ....
雪が僅かに消え残った海岸に
揺れているのは去年のススキだ
長く厳しい冬の間
雪に埋もれて立ち続けていた
ススキはいつ倒れるのだろう
既に枯れているのに
命の抜けた穂を振って
いつまで風に ....
るる、と呼べば
りら、と響く

それは歌

スノードロップが
白い鈴を鳴らしている

水仙が
黄色い笛を吹いている

{引用=合唱団の申し込みは
春色のポストへ出してください
 ....
今年はじめて モンシロチョウを見た
まだ畑には雪がかなり積もっていて
道路や地面で アスファルトや地面が
見える所はあるけれど 花は咲いていない

蜜はまだないよ
ひらひらと 春めいた陽射 ....
晴れた眼差し
明るい歯並び
踵の擦り減った靴が喜んでいる
コンビニまでの三百歩の散歩

晴れた声色
明るい口答え
言葉はうっすらとシュガーコートされて
許容範囲が拳二つぶん広がる
 ....
何もない 
そう思っているのか
何もない 箱の中身は 言い繕った言葉で光る
ありえない おとの波は
耳に揺られて なにもない

すみません
もうしわけない
ごめんなさい
お腹のなかで ....
寝ない子がくまちゃんを寝かしつけている ひとは
あるものにも
ないものにも
こだわってしまうね

しぬためにいきるのか
なんて
考えそうになる夜 うっかりと

一番上の層を
ながれながら
探している半身


ほか ....
朗らかに歌う若者よ
老獪な政治家に林檎をあげて

私は泣き続け
ここまで至り
そして気づいた事といえば
人生とは全く遊びであるという事だった
私の苦しみも誰かの喜び
私の ....
高校の学食で出ていた安上がり
めんつゆとたまねぎ
しょうがやにんにくをひとかけら
煮たせて
コロッケぐつぐつ
たまごをとじてできあがり
コロッケ丼

幸せを感じる
最後の一口まで夢中 ....
みつめる
みつめる
じっとみつめる
そうすると
何かが
語りかけてくる

種を手放したあとの
たんぽぽが
茎に残された
小さな瞳で
私をじっとみつめる

世界には
なんと
 ....
三十を越えて旅するものは詩人
寒気に絶望を見出すもの
寂しさに震えているのだと
自分を騙して
三十を越えてまだ望んで愚かでいるものは詩人

雪降れば頭振り
雨落ちれば睫毛濡らし
人 ....
海岸には 誰もいません
本が落ちていました
文字も絵も無く
ただ幾重にも
波のかたちに濡れていました


銀河は
人々のなかに散ってしまいました
姉は最初からいません ....
   湿った手のぬくもりや
   かかを探して泣きだす姿
   そんな幼子の始まりが
   泣きたくなるほどいとしくて
   この腕に抱きしめる
杉の木から 吹き降ろされた雪が
荒れる風に乗り 空気になだれる

開けた戸から数歩
白く 冷たく
散らされる雪と
ふらり 共に立つ

お迎えに参ります 春

背中にかぶさる重さも
 ....
弟が、壁に短い線を引いている。
それをくりかえしている。
何を書いているの、と訊ねる。
雨、と答える。
わたしは傘をさす。

テレビは激しい雨音。
大雨、洪水、注意報。
誰かが言った。 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
やめられそうにないよ- 殿上 童自由詩26*13-4-7
- salco自由詩9*13-4-7
難破船- 吉岡ペペ ...自由詩513-4-7
はるのこえ- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-7
赤い女- 草野春心自由詩313-4-7
影のような男- 草野春心自由詩313-4-7
きぐるみ- 三田九郎自由詩413-4-7
憎悪とバター- はるな自由詩313-4-7
百年前- はるな自由詩513-4-7
自然に- 梅昆布茶自由詩813-4-7
詩想- 葉leaf自由詩413-4-7
プリン_セス- 朝焼彩茜 ...自由詩4*13-4-6
放し飼いにされた死- 高原漣自由詩1*13-4-6
肩幅- たもつ自由詩413-4-6
あおいほのお- 田園自由詩3*13-4-6
春のススキ- Lucy自由詩16*13-4-6
るるりらイズム- そらの珊 ...自由詩16*13-4-6
どりーむ- 砂木自由詩16*13-4-6
清明_(せいめい)- nonya自由詩16*13-4-6
_- 十二支蝶自由詩213-4-6
寝ない子がくまちゃんを寝かしつけている- 北大路京 ...自由詩1813-4-6
探索- 朧月自由詩513-4-5
生死とて- 田園自由詩3*13-4-5
B級しあわせ- 灰泥軽茶自由詩10*13-4-5
みつめる- そらの珊 ...自由詩1913-4-5
罰かこれ(深海の太陽)- 竜門勇気自由詩4*13-4-5
Echo_Wreck- 木立 悟自由詩713-4-5
ちいさな始まり- 石田とわ自由詩6*13-4-5
ここへ- 砂木自由詩14*13-4-4
泥濘- sample自由詩713-4-4

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