ぎらぎらともえているか
たいようはきょうものぼるだろう
だくてんをのぞいた
ほしたちをあっとうして
きらきらとぎらぎら
きょりがもんだいとなるのは
おまえさんのここ ....
昼間吐き出した言葉が
口腔にわだかまって
何時もよりも
唇が重たい夜は
眠れない
まばたきが呼び水のように
なっているようで
目を閉じるたびに
一粒ずつ言葉がこぼれて
ぱたり ....
雪がひらひら
音符もひらひら
地面を濡らし小さな音を鳴らす
鳥が嬉しそうに鳴く
空からどんどん降ってくる
賑やかなパレードがはじまる
白い残響が地面を覆う
旅 ....
子供色の産声が虹になる ようこそ春
肌に窘めの風 中身をピンクが指揮をとり
奏でる 現在地 ようこそ春
新しい雲が先頭をゆく ついてゆけば微風の柔らかクッション席
大人たちの ....
蟻は匂いのある方へ往く
一瞬、静止して
触角をぴくり震わせ
再び――無心に進む
(黒い背に小さな太陽を映して)
日常にふと佇む、僕も
蟻の心で
何かを受信しようと ....
花ひらけ
梅桃桜と順々に咲きほころんで、
空へ昇華される花々。
私は久方ぶりに太陽の光を全身に浴びて、
自然の美しさにほれぼれと、
園児の様にはしゃぐ。
花 ....
私は生きる
一歩の歩みで呼吸をし
一歩の歩みで金を貰い
一歩の歩みで詩を書き
一歩の歩みで人を愛す
私は死ぬ
動かぬ息を止めて
動かぬ金を支払い
動かぬ筆を置 ....
ブルーカラーが背広を着るか
心が軽いと歌いますか
お仕着せを着てみますか
青焼きほどに魅力的ですか
旋盤から切粉が身をよじる様にですか
ツルハシの先端を起こすに適切な位置 ....
どこにいてもアウェイ
ほころんで、揺れて、
待ちわびて、揺れて、
愛されて、色づいて、
愛されたくて、匂って、
踏みつけられて、手折られて、
ずぶ濡れて、さらされて、
....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
まるで山間をながれゆく
せせらぎのような人でした
からだは一滴の雨粒で成っており
どこまでも沁み入 ....
春眠下りて
春眠下りてわたくし倒れる
倒れたわたくし目指して蛇が
雪の下から這い出てきたが
喰うにはまずいと舌を出し
鳶におうぃと声をかける
「こいつを空へ昇華してくれ
....
新型車両には
もっと サクラが 多そうな シーズン
愛でたい 花火 其れよりも
目出度い 花びら 集めたい
真冬の 向日葵は
きっと 映えるのね
真冬に ヒマワリは
きっと ....
何にとらわれているのだろう
気遣うことはまるでないのに
つい目をやってしまうのだ
壁カレンダーに
それは櫂のない無聊な生活感だろうか
....
ひさかたぶりに日を浴びた
しわがれた藁半紙の香り
言葉が輪郭を失いそうだ
雨音が遠くに延びる
鏡を見ていると危うくなる
手のひらで骨格に触れてみる
わたしはこの形状で
外縁で保たれて ....
長靴の似あう男になるよ
そこらに散らばる水たまり
しょぼいスキップで駆けぬけてくよ
きみが
うまく涙を落とせない日は
かたほうの手をギュッと握るよ ....
1.湖畔に佇む1本の孤独
2.湖面を滑る1羽の憂鬱
3.季節は旋回しながら降
りてきて
4.あらゆるものの輪郭が
緩やかに尖っていく頃
5.1本の ....
季節はずれの蝉が鳴いている
故郷の林
白樺の梢
揺れる枝葉の間から
まっすぐに目を射る日ざし
緑に揃う稲
走って渡る
あぜ道をよぎる夕方の風
「おとうさーん、ごはんですよー」
....
{引用= こがらししとだえてさゆる空より
地上にふりしくくすしきひかりよ}
埠頭の水たまりに
月がこごえはじめている
真夜中には
かげもまた針のようにゆっくりと ....
終息に
ともなう安堵
かすかな
心残りを秘めて
三月が来る
中原中也賞を受賞した或る詩集を読む
悲しいことに心が揺れない
この詩集の良さは
三月が来ようとも
きっとわたしにはわか ....
時は切れ目のない波
凪いだ海の
ゆるやかなうねりのいただきの
光るところから
暗い窪みまで
隈なく見つめていた
幼い日
小学校でいやなことがあると
深くうねる波の底に下って
浮か ....
二月生まれの四人の合同誕生会をした
九歳と三十二歳と三十六と九十七歳
九歳は私の娘
九十七歳は私がアメリカに来た当初とてもお世話になった人
三十二歳は九十七歳を通じて知り合った子
三 ....
風が運んできたのか
優しい匂い
ほこほこ土が盛り上がり
暖かい感触
もうすぐかなと待ちわびて
木々が揺れる葉々が笑う
私は光を浴びて
川を心地良く流れて
....
星は僕たちに距離を教える
月はときどき涙の処理のしかたなんかをけっこう親切に教えてくれる
隣の親父は怒鳴ってばかりで僕も親父なのでちょっと哀しいが
遠く切ないもの
六本木ヒ ....
てのひらにね
魔法なんかないけどね
少しおもいやりの芽がある
指先にね
ひかりなんてでないけどね
君のきもちがつたえるものがある
白い紙をみつめるふたりの
想いが いっぽんの線に ....
一年が終わる。
一年生が終わる。
二年生が終わる。
三年生が終わる。
ここまで書いたノートを見せてくれたから
詩が書きたいの? と聞いたら
君はこくんと頷いた
そうか それなら ....
インド服を着た男の人が
エレベーターの中で
みんなに挨拶をしている
不透明な窓の向こうに
一律に外があるとすれば
それはすっかりの春だ
古い鉤括弧は捨てておいて ....
この道は
どこへいくのだろう
あの日の道は
夜露にぬれて
涙よりさきに
だまってないた
星はあったか なかったか
空の遠さに気がついて
涙よりさきに
だまってないた
....
詩人になりたくて
カエルは右手を草影に隠し
知識を公園のベンチの下に捨てた
詩人にはなれたけど
なんか思っていたのと違う
詩人をやめたくて
詩人は右脳と心臓を入れ替えて
言葉を海に沈 ....
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