閉ざされている。
 この窓も、どの窓も。
 ・・・城門も。
 あの森の教会の扉も?

 閉ざされている。
 パリの冬も。
 ニューヨークの夜も。
 もしかしたら私の心も?

 ....
干涸びた月が夜を湛えて傾いでいる
抉れた言葉を当ててみる
わたしのからだが熱いうちに叩いて
抱けばそれだけ変わると思っていた

秒針 マドラーがわりの指
蝶番のねじが飛んで
10月が ....
おれの周辺には
死刑囚の心情みたいな沈黙が堆積していた
それはぱっと見には
湧水のように床から滲み出たもののように見えたが
出処はそこではなく間違いなく余所にあった
マーク・ボランの
 ....
吐き出すだけの私だ。
ゴミ箱は逆に溜め込むしか能がないが、
誰かに空にしてもらえない限り、役には立てぬ身だ。
明日誰かの役に立ちたいと思うがために溜まった思いを吐き出す必要が私にはある。

 ....
台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする

草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
  羊羹を冷したような
  ピアノの音
  しかくい木箱が
  引きずって くる


   指 ゆび  指  ゆび ゆび
      指 指 指 指 ゆび  指 指
    指 ....
台風一過の朝ひかりが秋過ぎて

きのうの幸福が嘘のよう

影の長さで測ってみるか

ひとつ幸福でもつねってみるか


あんまり振り幅が

大きいもんだから

失くなることから ....
息子が初めて発した言葉は
ママでも、パパでもなく
はっぱ
    🍂

それでも伝わる
ことのはの世界へようこそ
ようこその
 
  🍂

   🍂
  
     🍂
  ....
 秋の夕暮れ、お寺の境内でようやく歩き始めた小さな君が笑っている。
 空の彼方に雁の群れが飛んでゆく。
 秋の夕空は私の感情に似ている。
 どうしようもなく弱いくせに明日に希望を託している。
 ....
 よく晴れた日、木の下に立って空を見上げる。
 くたびれた木の葉が太陽の光を受けてオレンジ色に透けていた。
 これほど美しい情景があろうか。
 溢れた感情がフレームに収まり切れずシャッターは ....
   
満ちていた
哀しみ あるいは痛みのように
煌めいて
昨日を潤し明日を照らす
零れ 滴り 流れ落ち
さらに溢れ
駆り立てる
とどめる術もない力で
押し寄せる波
こみ上げる欲望 ....
全部嘘だと秋の風が言ったので
それでは終わりですねと冬の空が言いました
春の花は無関心そうに頷いて
かたわら、夏の虫が死にました

青空で、歪んだ月明かり
うさぎ達は人を解体して笑っていま ....
うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、 ....
 
エンドロールの途中に
まさかのどんでん返しが
意表を突いたハッピーエンドが
そんな気がして
なかなか席を立てないでいる
場末の映画館

あるいは
アディッショナルタイムの
カウ ....
走り出す、走っていく、ぎこちなく、しかしそれは必然的に正しいポーズで。ニュアンスを放つ。蠢く、うねる。私がじっくりと存在をもっている。汗。無量大数なんていうまどろっこしい言葉を使わなくても、ゼロをいく .... 老いてゆくこの身を
黄昏の空に
横たえている

怯えているのですか
夢みているのですか

たぶん
どちらも

闇は光を呑み込み
光りは闇を呑み込んで
絶望と希望くりかえす

 ....
ざりざりして
つめたい砂底に種をうえては
おびやかさない


まねくのはいつも、水
ひらかれた土地の穀物の声
らー、
と揺れている風の脚

とうめいを覗いたら景色になる
穂は ....
窓硝子に映った一角獣は
怯えることなく
凛としたまま
そこに佇んでいた

白い毛並みは金粉が混じったように煌めき
燃える炎の赤い瞳はつぶらなルビーそのもの
巻き貝を細長く伸ばしたようであ ....
姿も形もいらないから
心だけが残ればいい

クラゲのように舞うことが
できるだろうか

流されるだけでもなく
音も立てず

生命の強さを感じられることもなく
血液の温かさもしらず
 ....
とどかない
比喩にうるおっても満ちはしなくて
コンクリートの水辺にはゆがんだ
月が浮かんでいる
さして、おもしろくも
ないひかりにおかされて夜は
雨になり浸透する
加速しながら泳ぐ群 ....
右の肩を少しだけ上げて
顎を窓の方に傾けて
見える景色は空気の色が違う

雨の滴は線になって
薄い紫色を含み
アジサイを想い出させる

ひとしずく
音を響かせて
ほかのすべての音を ....
  破壊と創造

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なに・・・


   。




                                     ....
 黄昏は鮮やかにそして静かに去っていった。
 闇を目の前にして心はざわついた。
 木の実が落ちた。
 ピアノが鳴った。

 心の暴動だ。
 目の玉が飛び出たがへその緒みたいなやつで体と ....
 優しさ溢れるその丘で、流れゆく雲を見ている。
 草の上に寝転がって思い切り深呼吸。
 緑の匂い。小さな花の匂い。澄み切った空気の匂い。
 今の僕は寂しくないよ。
 あなたの背中を追いかけ ....
 
朝八時過ぎに冷えた庭へ出る
日差しが降り注いでいる
枯れた葉が散り落ちている

遅れて咲いた花たちが
弱い抵抗を続けている

もう何もしてやれない
バッサリと時間を切り詰めて
 ....
遊歩しよう
忘れられた花園を
青ざめた果樹園を
影色の桟橋を
空中に漂う墓標たちのあいだを
谺たちが棲む迷宮を
天使の翼のうえを
玩具箱の中を
空へと伸びつづける孤塔の尖端を
傷だら ....
県道沿いの山は粘土質だ。
いつも湿っていて、
一歩ごとに靴底へべったりと張り付く。
私は墨染みた卒塔婆を背負っては、
暗き夜に忍び歩く。
夜露は私の身体をぬらす。
ぬれながら、泥で汚れなが ....
ドロドロした心で
うろうろしている

それがわたし
きえないわたし

おしえないで
ならうことがこわい
知らないうちに
わたしもあなたになる

秋色のはっぱ
だれにならったの? ....
黒い夜の画布を背に
彫刻刀で刻まれた白骨のように
浮かび上がる鋭い流氷の切っ先が
すばやく流れる雲の切れ間に
瞬時に現れた細い三日月を
祈りのように照らし出し

私が確かに聞いたのは
 ....
ざくろのような憎しみを
胸の中に抱いている

綺麗にみえる実は
ひとつひとつ期を待って
はじける
はじける
赤い実は
少し甘くもありすっぱくもあり

私自身までもが
ぜんぶつぶ全 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
閉ざされたもの- ヒヤシン ...自由詩5*17-11-4
十月- はるな自由詩217-11-1
天国を待ちながら、だけどこの身体の居心地もまんざら捨てたもん ...- ホロウ・ ...自由詩2*17-10-30
ゴミ箱の一生- マリア・ ...自由詩317-10-30
花暮らし- そらの珊 ...自由詩17*17-10-30
霊柩車- 草野春心自由詩317-10-29
朝のひかりと影の長さ- 吉岡ペペ ...自由詩617-10-28
うれしい悲鳴- AB(な ...自由詩817-10-28
逃避- ヒヤシン ...自由詩4*17-10-28
秋の名残り- ヒヤシン ...自由詩8*17-10-28
海が涸れる- Lucy自由詩14*17-10-27
全部嘘だと秋の風が言ったので- 倉科 然自由詩317-10-27
うす紙- はるな自由詩617-10-27
エピローグ- Lucy自由詩5*17-10-26
飛ぶ- ピッピ自由詩517-10-25
夕陽を見つめて- 星丘涙自由詩7+*17-10-22
帰郷- むぎのよ ...自由詩317-10-22
愛しのユニコーン- 坂本瞳子自由詩4*17-10-22
私はクラゲ- 坂本瞳子自由詩2*17-10-22
STROBE- むぎのよ ...自由詩517-10-21
雨は沈黙の音を世界に放つ- 坂本瞳子自由詩4*17-10-21
junk_box- 空丸自由詩1217-10-21
、、、- ヒヤシン ...自由詩3*17-10-21
- ヒヤシン ...自由詩2*17-10-21
終焉を静かに見届けたい- Lucy自由詩8*17-10-20
遊歩療法- 塔野夏子自由詩10*17-10-19
卒塔婆を背負いて山をゆく- 渡辺八畳 ...自由詩1217-10-18
落ち葉- 朧月自由詩117-10-18
冬のオホーツク凍えながらたった一度でいい最後に私は意識の勝つ ...- Lucy自由詩13*17-10-17
大嫌い- 朧月自由詩117-10-17

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