俺は真夏の太陽に打って出た
ホームランバッター。
必ず一球目で決めると予告して
素振りをはじめた
真夏の太陽は
額にぎりぎり照りつけ
気を失わせるどころか
俺を強くする
100 ....
親しい人が逝くとき
声にはなりません
時間がまきもどり
自分が小さくなります
ああすれば
こうすれば よかった
と 頭をかかえたくなります
静かな夜になると
星や月がそっと ....
たとえば 光
たとえば 風
たとえば 涙
たとえられないものたちを
うたいつづけるものたちが
たとえる 光
それが 歌
画用紙いっぱいに水を塗り
そしてその水の乾かぬうちに
空を描き
雲を描き
僕を描く
風を描き
花を描き
君を描く
すべてのものの輪郭が
水に滲んで溶けあって
....
めまぐるしく変わるのろーてーしょん
さっきギターかかえてロックンロールやってた
双子のH兄弟は
O嬢と合流してみずみずしいあたらしい恋ものがたり
あたしは遊園地の遠心分離機でぐるぐるの目眩 ....
開け放した窓から
打ち上げ花火の音がする
電気を消せば
いくらか冷たくなった夜風が
日中の暑さを癒してくれる
ここに蚊取り線香があれば
昔の私に戻れるかなぁ
....
一日二十四時間声帯をチャック
虫歯の家並みを素通りして
歯肉炎のプロムナードをさまよう
伴走するアベニューからは
「時」に螺旋をえがく
赤い「風」のサイレンと
「空」に山彦をひろげ ....
否定と廃頽の中
私は肯定のあなたに出会った
あなたは無数の「ノー」をいとも簡単に
「イエス」へと捻じ曲げる
あなた自身がたった一歩、前に進む事によって
つかみどころのない
微熱にうかされたみたいな
深刻で他人事のような寓話が
ぼくの星の王子様だ
ちいさい頃読んで
ぶ厚いハードカバーの絵本なのに
絵が白黒だったり ....
メジルシが多過ぎる街を
さまよい続ける男は
メヂカラが強過ぎる小悪魔に
あっさり魅入られて
メクバリし過ぎた日々を
少しずつ取り崩しながら
メベリし過ぎたときめきを
愚かにも取り戻そ ....
真夏の子供が笑ってる
真夏の空に自然な笑いがひびいてる
自然な笑顔がいちばんいいね
花と木と太陽と風と
空と海と山と
もしも自然が笑ったら
しぜんが笑ったら
わたしが自然になった ....
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている
気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
石ころひとつ置いてきた
あなたの庭に
あなたがいないあいだに
そっと
昨日もひとつ置いてきた
一昨日もひとつ置いてきた
その前の日も置いてきた
どこにでもある ....
そらがあって君とかぜ
僕の持ち歩く六号の亜麻に
そらはなんども重ね塗りされ
凹凸が出来るたびにナイフで切り取っていく
そのとき僕はそらを見失い
しばらくして光りが絵筆を握ってくれた ....
「新しい生きものになったように」
木の若芽
土に生えたい
かたばみ、ひるがおのように
土の養分を吸いたい
みみずのように
光を浴びたい すずめ、 ....
「越境するとき」 木の若芽
鳥たちの最も自由なのは夏の朝5時だ
雲も人もなく光満ちるばかりの時よ
もしも魚が鳥のようにさえずり歌えるなら
どんな音色を響かせるだろう
....
きこえないとき
はい と言います
え と
ききかえしたりはしません
はい と言って
くすりと笑われたらそれは
案外どうでもいい話しです
困ったようにもう一度
言ってくれるときは ....
さっきまでここにいたのに
だれもいない
冷たい空気が流れて気持ちが良い
スイカが一切れ置かれていて
がぶりと一口
すうっと目の前がうすれる
だれもいない
とっ ....
{引用=恋人へ}
あじさいの
ような淡い青の水彩
ゆめをみていたのは僕だけ
慣れない万年筆のインクが
しろい便箋に滲んだ
あの日付は遠い
風はよく吹き
小道はかすかな日 ....
私たちの身体を、何に喩えようか
それは、壺のようなものだ
そして私たちの心は、そこに収められた光
神は陶工となって、今日も壺つくりに精を出す
午後の陽射しが差し込む、埃っぽい作業場の一 ....
高山の峰に
一輪のスミレが咲いていた
そのスミレはピアノの音を奏でた
薄い空気に澄み渡る音
スミレのレの音を聞きたい
スミレのレの音は
誰にも出せない音
スミレのレ音を聞くと
私は ....
涙は跳ねてイルカになる
そして旅に出るんだって
浴槽のなかで
そう思っていたこと
未だ信じている
真夜中に飛んでいる
飛行機の音を聞きながら
ふと思ったこと
きみのいない世界っ ....
空白に惑う夏の圧力に臥して
緑の原を日の泉で浸す
触ることは出来ない 耳に聴くことも
nothings
あるいは
母親およびあなたへ
時を開く場合には
目の前に現われる
星座たちの絆をほぐし
新たに繋ぎ変えて
造り直さねばなりません
5000年かけて
出来上が ....
ピアノ弾くあなたの指を
私はじっと見つめている
ときに優しくときに激しく
流れるように囁くように
指は{ルビ水面=みなも}を
夜の水面をはじいて動く
私のためにだけ{ルビ一夜中 ....
歩いていました
水平線は見えません
とても見たかった水平線は
霧に隠れて 今日は いません
知っていました 本当は
ここは霧の浅瀬
いつもいつもけむっています
....
私はここに存在している
どんな時も
あなたが頁をめくれば
私はここに存在している
あなたが笑っている時もあなたが泣いている時も
私は笑っているあなたを泣いているあなたをここから見ている
....
8月の夜が湿気に
汚れては波止場で吠える
中華街から
仕事に出掛ける女姿
触れたのは埃かぶった
アロエのぐんせい植木鉢
ピアノの連弾
サックスの軽快
....
路地裏の子供たちに混じって
じぶんをせいいっぱい主張するそら君
機関車トーマスが仲間らしい
いつもよだれや涙がいっぱいのそらには
お菓子やいちごやそんないれものもあるんだろうね
そう ....
車窓にうつるのは
素っ頓狂なぼくの顔だった
見つめていると
悲しそうな顔になっていった
町明かりが点々としている
みんなきょうは楽しかったのか
みんななんか成長でき ....
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