一瞬の奇跡の近くに
永遠の軌跡がずっと続いた
花瓶に差した薔薇を彩る橙色の呟きを待っていて

僕の遠い夜空にもある
シケモクは必ず捨てた方が良いだろう
妻が影で吸わないように

おせち ....
怖い夢を見て
こむら返りして
いててってなった

ひとりなので足のつま先を
顔のほうへ曲げてくれる人がいない

昨日まで雪の降るまちにいて
彼の仕事の手伝いをしていて
たくさん食器を ....
名もない詩人の
名もない歌を
名もない人が読むだろう

感想は言わないだろう
いいや、言えないだろう
言葉ではないものが
深いところに旅立った後だから

名もない宿のソファには
青 ....
お鍋ばっかり作るのは
会話の無いのをごまかすため
互いの箸を受け入れる
それが暗黙の譲歩

冬はいいよね
寒いの一言でなんか言った気になるし
窓の水滴が答えに見えてくるし

外から見 ....
凍り付いた空気
死の残音が振動する

メリリ メリ カックーコン

白い息の中
鼓膜が震え
身がすくむ

不確実な世界に確実な死の世界
都会の死に人の一期一会
屍の山 山

 ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
となりでこんこんとねむっている君は
いま、夢の旅のどこらにいて
どんな風景を見ているのだろうか

空を飛んでいるのかな
くらい深い海に潜っている?
なにしろきみは獣だから
草原を走ってい ....
暗いトンネルを歩いている
はるか彼方に光が見える
這いつくばって前に進む
出口に向かい肘をつけ膝を擦りむき前に進む

何時トンネルに入り込んだのか分からない
気が付いたら真っ暗な世界を歩ん ....
滑らかな肌に温かい指先
抱擁して温もりを感じあう

白い月が震えている

水が形を変えてゆくように
貴女の身も心もすり抜け
透明な感覚と喜びをえぐる

白い月が漂い揺れる

白い ....
はじめにそれは夕闇のようであった
遠い地平の彼方に佇み
私を見つめ
幽かに微笑むようでさえあった

夕闇はじわじわと
私を取り囲み
驚くほどの速さで
にじりよってきて

気がつくと ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
盆地は風が微弱で頻繁に空気がたまり大変だと聞くぞ

だが平地をぐるっとする山脈の壮観な岩肌にぶつかる太陽やら月やらの繊維を纏った風が
大空からどえらい風神様になって渦巻き吹きつけると聞くぞ
 ....
優しさと痛みをくっつけてくれるのは

あたたかさだった

優しさと痛みだけなら傷つけるだけだった

冬の光のような

さわやかな絶望と楽しげなかなしみ

太陽と地球の距離、そのあた ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった



冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
 ....
僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
 ....
青い空に
浮かぶ雲は
他にやることもないから
特別にゆっくりしている
なんの充実感もない
無益な時間を消費してるだけだ

一瞬は永遠につながっている魔法

雲よ

あなたは
い ....
昭和13年の正月にタイムスリップしていたのだ

女は着物か着物っぽい洋装をしていた

喫茶店では皆姿勢が良かった

会話の声はさ行が強調されて聞こえた

新聞はどれも昭和13年の正月の ....
  黒いきみの髪がひかって
  何も云えなくなるのは良い
  全部云ってしまっても良い
  くちびるがはずむ桃いろの夢

  剥いたばかりの林檎のように
  とても素敵な匂いのする ....
側面と奥行きを切り詰めた青い神経の
清潔な色彩の箱庭
消え入りそうに立て掛かる
淡い寓意の記憶
それはきみが好きだった世界の一つ

蜂蜜色のレンガを積んだ家々を背にすれば
いまも ....
愛が溢れ出す

それはほんとうの話

切なさの正しさを調べ出す

もう受け入れて貰えなくて

干からびた脳が暴きたてる

あなたの愛の

それはほんとうの話


最愛が旅 ....
燦 とひかりが降り
彼の中の森がめざめる
その肢体が
若枝であり
清流であり
薫風である彼の中の森が
その数多の瞳を
つぎつぎとひらいてゆく

きらめきをこぼしながら
鳥たちが飛び ....
穴を掘る
私たちは穴を掘る
深く
硬い地面に埋もれた
季節の輪郭をなぞるように

穴を掘る
私たちは穴を掘る
さらに深く
地中を飛ぶ鳥たちの
淡い心臓に届くように

手紙を拾う ....
うすらさむい肌に
あなたがのったとき
わたしはまだ女ではなかった

寝返りの襞に言葉が沈み
朝陽に産毛が焼かれると

夥しい嘘が
たった一枚の真実に包まれて寝転がっていた
あかる ....
私自身、ともすると自信を失っている。

いや、自信がない訳ではない、自信が限定的になっている。

年を重ねると経験値が上がる。

その経験には当然、プラスもマイナスもある。これが私の自信を ....
深々と雪が降り積もる
かじかむ手に息を吹きかけ
ウイスキーで体を温め
スタンドの灯りで短編小説を読んで過ごしていた
時計の針だけが闇の中に響き
孤独に耐えていたあの冬の夜
寂しくて気が狂い ....
いつも気になっていたのは
君の鼓動、
タイムリミットのある
運命みたいに
乱ざつに履きかえた内靴と外靴
しろくおもみのないものが
花びらの速度で降りつづける夜
水平線の見える
駐車場へ ....
早すぎた朝の向こうに夜があるように
遅すぎる夜の向こうに朝があるように
光に狂った雪街の景色を
僕たちはビルの屋上から見下ろしている
それは何の不幸でもなかったのに
苦い思い出としていつの間 ....
    (音楽)



   /あなたに出会 わなければ
    今のわたしは ない でしょう

  /あなたに泣か されなければ
今のわたしは ない でしょう

     ....
風を捕まえることはできない
元通りにならない風景が悲しい

乾いた青空にひび割れた枝先が伸び広がり
鳥たちが飛ばされ流されて行く

凍てつく川面に浮かぶ白鳥が餌を啄んでいるが
枯れすすき ....


太陽が冷たい大気をとおして
八角形にかくばっている
冬の朝
道路は人びとのいとなみに活気づいている
みなの吐くしろい息が揺れている


むこうの馬小屋のひらかれた窓から
茶色 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
トナカイの足音[イングリッド・ヘブラーを聴いて]- りゅうの ...自由詩8*17-1-13
こむら返り- 田中修子自由詩8*17-1-13
nobody_John- やまうち ...自由詩417-1-12
冬の夜- 朧月自由詩617-1-11
死の残音- 星丘涙自由詩2*17-1-11
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
あまい雨- 田中修子自由詩5*17-1-11
トンネルを抜けると天国だった- 星丘涙自由詩5*17-1-10
白い月- 星丘涙自由詩5*17-1-10
喪失- Lucy自由詩8*17-1-10
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
盆地の友人- 末下りょ ...自由詩5*17-1-10
工場とららぽーと- 吉岡ペペ ...自由詩817-1-9
ポリリズム- 小林螢太自由詩21*17-1-9
車窓- 這 いず ...自由詩817-1-9
猫雲- そらの珊 ...自由詩14*17-1-9
水溜まり- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-8
林檎- 草野春心自由詩517-1-8
カーネーション___リリー___リリー___ローズ- 末下りょ ...自由詩1*17-1-8
あなたの愛の- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-8
森のロンド- 塔野夏子自由詩7*17-1-7
穴を掘る- オイタル自由詩6*17-1-7
あかるい森- はるな自由詩817-1-7
自信- 吉岡ペペ ...自由詩417-1-7
越冬- 星丘涙自由詩3*17-1-6
融解- 本田憲嵩自由詩717-1-6
楽園の春が萎れていく- 這 いず ...自由詩10*17-1-6
扶翼- 水菜自由詩3*17-1-5
北風の道- 星丘涙自由詩5*17-1-5
冬のしっぽ- 本田憲嵩自由詩5*17-1-5

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