巡る季節の儚さは闇夜に隠れた月のよう。
 一人娘の待つ家に抱える苦悩の薄化粧。
 橋の欄干飛び越えてその身を投げる決心も
 ひと時待てば揺らぐもの。
  
 支えはあるか?いや、ない。 ....
 聞き覚えのある旋律に耳を澄ますと白樺の林が見える。
 よく冷えたアールグレイを静かに飲み干す今日の朝だ。
 旅から帰った私の半身が私を書斎へと誘う。
 白紙のページに厳かに書き下す旅日記。 ....
春の詩に横たわり
彼女は風をみている

かすかに光る幻想が
朝の背骨を捕らえて


少女は女になろうとしている

儚く纏った傷を
すんなりと脱ぎ捨て

{ルビ乳房=ちぶさ}の ....
ゆれている黄色い花つくりものみたいな蛍光の色レンギョウ
しだれてゆらゆら揺れている花弁は薄いプラスチックでできているみたいに陽射しのした見えました
神様が蛍光ペンで春にしるしをつけたのかもしれない ....
煙草の匂いが季節によって変わることは知っている
換気扇の下で走らせていた激昂の卵を抱きながら
燻らせていた頃が懐かしい
雨の知らせも感知しながら忙しい細胞たちと共に
煙にしか見えない守護霊 ....
どうしても見つけられなかった
理由を君は見つけたんだね

そんなささやかな
ありふれた
大切なものを

長い間探していたことにも
ついに見つけるまで
気が付かなかった

母さんも ....
鳴かない鴉の群れのなかで
黒い氷が鳴いている
解けては凍り 重なる肌を
斑な闇にまたたかせている


沈みかけた三日月が
ほんの一瞬むらさきになる
帆船が入港し
乗り ....
 流離う人は音も無く、夕日を背負って旅に出る。
 影も静かにその人に、別れを告げて消えてゆく。
 空には連れ行く雁たちが、山の彼方に飛んでゆく。
 母に涙は見せまいと、誓いを立てた若かりし時 ....
 ためらいがちな貴方の横顔は絵画の中に生きている。 
 私は貴方の頬に色を乗せ、静かに閉じられた唇に紅を差す。
 首元に光るネックレスは共に旅したあの土地の思い出。
 貴方はこの絵を見て笑っ ....
 寒空の中、人間の苦悩が立ち上る。
 ただ今を生きていたいだけなのだ。
 私は人の死を恐れる者。
 遠い死も身近な死も同じ事。
 
 死は死だよ、と友は言う。
 早いか遅いかの違いだけ ....
どのくらい引けば客観的に的を得ることが出来るだろうか
中心を触れることも出来ずに運命を終えるかもしれない
悟りに焦がれて至る 人間だものと添えて
己の未熟さ愚かさ阿呆加減に
漸く 趣きが迎えに ....
弦の張りの上を歩いていた
打楽器の膜の上でトランポリンをするかのように

耳に住んでいた心が旅から戻ってきた
弦の張りでビンタされたみたいに
目が醒めたよ
いつでも
裏切らないね 音楽っ ....
幼い頃 自転車で潜り抜けたのは
大きな世界

低い位置から見上げた大人達は
もっと偉大に思えた

今 こうして 眼下に広がる世界を 眺めるにつけ
登頂した 全ての山と 尾根の流れを  ....
隣の部屋のうたう女
廃品回収と灯油販売の
トラックが華を添える冬の
低い位置から差し込まれる光の
中心でたわむれる埃

コンビニ前に止まる車
アイドリングストップの
マナーを声高に訴え ....
  女……
  充溢する
  欺きの、
  夢、
  箇条書きの
  ……沈丁花……
 ピアノが奏でる森には妖精が住むと言う。
 感情は朝の霧の中に紛れ、感性だけが宙に浮かんでいる。
 僕は裸足で森を往く。
 まだ影は存在しない。

 清らかな冷気が辺りを包む。
 冬の ....
春だし煙草が吸える場所はどんどんなくなるし
取りこわし多々 街の自我崩落
もっと詩を書いてよ
泣いたりわらったりして詩を書いてよ
枯れながら苦しんで書いてよ
ひかりがひかるみたいな当然さで詩 ....
生まれる前の闇に
ぽつ、ぽつぅんと
浮かんでいる
光の結晶たち

(すっかり消費されてしまったね)

アタシの葉脈を
衛星軌道上から観察した彼が
火曜日の声で呟く

(きっと
 ....
青い心と若い心と未熟な心と熟した心
心に齢がなくなって
初めからなくて
皆似たり寄ったりな同じような心色

何だろうかこの鑑の場所に置かれた
鍛え上げるべくして在る心の不動位置
己の感覚 ....
雨が糸になった空気をつたうように
青いから黒い艶の景色へと物語と翼を持って

なんだっていいじゃんと雨音が空気に触れて
歌う 口笛の欠片も奏でながら

懐の深さとお人好しの境目と交差点と立 ....
少年の勇気は無知と純のどちらだろ

まるで数万羽の鳥の群れが

クジラの骨でできたイカダにのって

星よりは遅く風よりは速く

目まぐるしく黒波を立てて旅にでる


教会の時計が ....
火を盗ってきたから
ここで炎が燃えているのだと
プロメーテウスは言うのだけれど
プロメーテウスはおバカさんだから
火から離れて星を見ている

もちろん星はたいてい火なのだけれど
そうじゃ ....
君には とっくに 
わかってることだよ なぁ

脳髄が八丁味噌となって 
発酵し 腐敗しかけている ことを
空虚となった 胃袋のなかで

そぅだ 
老いは老いでも
北風に耐えてる
 ....
 僕は僕の書斎でもうしばらく忘れ去られていた小箱を眺めている。
 小箱の蓋には何かで削られたような痕が残っていた。
 その時、ふっと風が吹いた。 
 壁に架かる絵画の中で少女がブランコに乗っ ....
夕闇が頬張る曇天
無音の圧迫
うるさい

堕落しはじめた桜の花
無音の連打
うるさい

放棄された母の神殿に
散らばった音楽
うるさい

背伸びした指先が
神の逆鱗に触れる
 ....
水道の蛇口をひねれば水が出る
そんな単純な思考を

私はバケツを持って川へ水を汲みに行ってしまう
そんな思考を持つ時が多々ある

こんな草臥れる疲労脳を案じてリラックスとやらを
習い始め ....
草を磨り潰して 両手の手のひらで 大空を・・
瞳に囁くその色に染めよう
どんな星が生まれることか
そんな星を個々に秘め
握りしめる此処の星
蒼穹に包まれたオブラート引く 紺碧の泉に溢 ....
誰かの悪口を言う人は嫌い
唇が歪んで
涙で滲む視界よりも
もっと酷い景色を
雨樋越しに
押し付けられるかのような
不快感が あるから

愚痴っぽく火照った頬に
スコールの粒ひ ....
空がとても冷たそうで
触れたくなって
腕を伸ばしてみるけれど
届かなくって
指も思い切り拡げて
踵もあげて
ジャンプもしてみるけれど
届かなくって
あきらめきれなくって
あきらめられ ....
腰まで雪に埋まり
全身で空を指す暗緑色の矢印
風に翻弄されないしなやかな直立

透明を深める濃い青の奥から現れる
最初の星屑に
放射冷却を告知する
 
耐えているのではないが
嗤 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
美誠を築く- ヒヤシン ...自由詩9*18-3-10
徒然に~白樺の林の中で- ヒヤシン ...自由詩2*18-3-10
ウカ- ヤスヒロ ...自由詩518-3-7
_Golden_bells- 田中修子自由詩6*18-3-6
煙草の煙の期待- 朝焼彩茜 ...自由詩818-3-5
理由- Lucy自由詩9*18-3-4
ひとつ_光輪- 木立 悟自由詩318-3-3
遥かなる故郷- ヒヤシン ...自由詩3*18-3-3
永遠の人- ヒヤシン ...自由詩4*18-3-3
死の向こう側- ヒヤシン ...自由詩3*18-3-3
溶けた風- 朝焼彩茜 ...自由詩818-3-2
親愛なる弦- 朝焼彩茜 ...自由詩1118-2-28
ジオラマを囲む大人達- 藤鈴呼自由詩4*18-2-26
彼女は地球上でたった一人のアイドルだった/即興ゴルコンダ(仮 ...- こうだた ...自由詩3*18-2-25
沈丁花- 草野春心自由詩218-2-24
あくび- ヒヤシン ...自由詩4*18-2-24
詩を書いてよ- はるな自由詩518-2-24
Alpha- もとこ自由詩15*18-2-21
凪のままの心- 朝焼彩茜 ...自由詩618-2-20
雨の糸の音- 朝焼彩茜 ...自由詩618-2-20
クジラの骨にのって- 吉岡ペペ ...自由詩918-2-18
プロメーテウスのおバカさん- 佐々宝砂自由詩7*18-2-17
失題(6)- 信天翁自由詩218-2-17
一人の世界- ヒヤシン ...自由詩5*18-2-17
Cold_Song- もとこ自由詩4*18-2-16
脳を溶かす水の祈り- 朝焼彩茜 ...自由詩718-2-16
還る色(samantha_james-waves_of_ch ...- 朝焼彩茜 ...自由詩418-2-16
センブリの目線から- 藤鈴呼自由詩3*18-2-14
言い訳だけれども- 坂本瞳子自由詩3*18-2-13
明日の予想最高気温は氷点下六度でしょう- Lucy自由詩9*18-2-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474