よく見ればそれは
青く光るホタルイカ
ほの字 ほの字 ほのイカ字
逆さにするとトテモ
恥ずかしい
ひらがなの群れ
よくよく見ればそれは
アリの群 ....
土産店で買った小鳥のおもちゃは
出来は良くないものの軽快に飛びそうに思えました
不器用ではありますが羽ばたいたのです
ただ天をさしてではなく
いまは誰かが踏んづけたのかもしれませんが
....
蜜を集めるわたしの行為が
花粉運びとなり
種作りの媒体になっているとしても
それは花の世界のこと
野菜を作る人間は
花粉の運び屋に雇いたいらしく
蜜を商売にする人間は
蜜の収集労 ....
夢の中のように
重い スローモーション
息も絶え絶えの
全力疾走
お父さん
飛び立ちたいですか
長すぎる
父の滑走路
つばめのこはへびにたべられてしまった
もうすぐ
もうすぐとべるねと
にんげんが親鳥が見守る中
すきをねらったへびが
一羽のこらずたべてしまった
巣の中には
むしられた雛の羽が
あち ....
(数字が壊れている)
夏で、いつもより心臓がゆっくりうごいている。
わたしたちは逃げてきた、盗んだものをぜんぶ
忘れるために。おもいのほか空気はおもたくて、
指が濁ってる。天井を塗る途 ....
スクラッチ削ったコインじっと見ている
流麗なスローモーション鳩の撃ちあう豆鉄砲
何かに敗れた者は
詩を書くな
何かに敗れたことの癒しに
詩を書くな
何かに敗れた者の詩は
満たされない自己愛が
行き場を失った情念が
薄く濃く輪郭を浮かべ
それはゴミ箱に投げ棄てても
....
夕焼けが一滴
グラスのソーダ水に落ちる
オレンジ色の泡が 壊れて跳ねて
テーブルに無数の 黒い点を残した
その夜
洋燈の芯は燃え尽きた
実りのない会話は 肌に
染み付く灯油の 匂 ....
忘れ去られるものに
名をなんと名づけよう
しかし名づけた事さえも忘れて
私は不能となってしまう
事象の地平へと消えて行くものが
惜しくて言葉に追いかけさせる
しかし言葉さえ事象の地平に ....
祖父は腕に蚊が止まると
自分の血を暫く吸わせ
ふっと息を吹き掛けて逃がす ....
トッピングのようなもの男女の恋愛なんて
人生の道に咲く包み込むような寛大な 十分に雨宿り踊る
貴方の胸の傘 空が虹で虹が紺碧の紅一点
盲目なんて覚めた醒め方 闇の病み
トッピングに踊らされ ....
夏の日のスイカよりも好きになりたい
大きなスーパーマーケット
よごれた小川
眠る幼児
泣いてる大人
そういう日々が
ありふれた風景になって
傷つくことを忘れても
夏の日のスイカ ....
真顔でトマトの返り血を浴びる
見えている未来に うんざりし
見えない未来に 不安を覚える
どちらも本当ではないのにね
僻み根性のかけらも持っていない人の
笑顔はほんとに美しい
心まで透き通ってみえるよう
周りの人まで
幸せにしてしまう
あなたは日差しの中に咲く
どんな花にもよく似合う
あなたが少しも ....
タクが失踪した
親にも知らせず彼女ものこしたまま行方不明
刑務所から出て保護監察下ながらM工業で働いていた
将来独立するという意欲もこめて作った名刺ももらったのだが
僕が名義を貸して彼 ....
窓に背をむけて
なにかを書きとめていた
あなたに小さく呼びかけた
微かな灯りのともる夏、
砂のまじったわたしの思いは
野良猫のとなりで寝ていた
見栄えが悪いから、と
売店は滝から離れたところへ移転したらしい
水滴は一滴でも目に見えて
だけど滝を一滴ずつに分けてみる人はいない
マイナスイオンの感じない香りよりも
ひんやりとした抹茶アイ ....
空が
ひとつの滴に落ちてきて
片目の上から動かないまま
やがて 消え去った
何か
わかってもらいたくないことが
あるようだった
....
くすねた金で刷った詩集に寝床圧迫されている
赤子のような人形と
人形のような子供が
成長してゆくうちに
キレイなモノを受け入れなくなる
いつの間にやら狂ったおもちゃになっちゃった
この世界に悪意は無いさ
自然に、ただ自然に
....
果てしない思考に明け暮れる
無為徒食の存在ではないと
間違いなく
世界に貢献しているのだともいう
だがそれは私の意志ではない
決定でもない
私の居るところに
豊かな命の繁栄があると
言 ....
ねむる ねむる
水槽のなか
金魚のウロコを夢にみながら
ねむる ねむる
私のなかに誰かが水をはっている
気化熱の実験ですか?
夢のなか 夢のなか
....
晴れだ
汚れた車を洗おうと
バケツに水を汲み運ぶ
曲がり角で
バケツが少し回転する
バケツの小さな遠心力が手に伝わる
あっ
懐かしい感覚
身体に染み込んでいる楽しい感覚
....
雨上がり傘は思いがけずに閉じる
嫌えば嫌うほど何故か奴には出会ってしまう
回り道をする
すると信号機で親子連れの奴に出会ってしまった
互いが無視をした
……どうしてなんだろうな
と ....
あの不安定だったひととき
この人のためなら
自分が持っているすべてを
投げ打っても構わないと思った
自分はこの一時、血迷っているだけなんだろうな、とは気付いていた
一晩も経てば、正気に戻 ....
<判断基準>
なんだかんだでみんな
勝てる相手にしか
殴りかかったりはしない
そうでなかったあなたが
当たり前のような顔をしているから
おかげですべてがまぶしくなる。
....
月光に色彩を失った体温がナイフを研ぐ
知恵は分裂と融合を繰り返し
情欲に肥大した心が沸騰している
突出した眼が揺れて
生じた眉間の隙間にナイフが潜り込み
矛盾にゆれる知性を切り裂いていく
....
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