一年後に老衰する夫婦が踊る夜の公園。電灯の下。

寝る間に溶けた蝋は熱く、髪を焦がした。

壁に貼られたいかがわしい広告。消えた電話番号。

指先の振動は鍵盤を甘く動かし、ぼやけた声は耳の ....

おそらくどの国民でも
国の敵が現れたとき
一つにまとまろうとするであろう

為政者はそれを利用して
敵を作り国家存亡の危機をあおり
同じ方向を向けさせた歴史もある
 ....
コーヒー豆を煎っている
剥けてくる薄い皮を丁寧に
吹き飛ばしながら煎っている

誰かのためでもなく、自分のためでもない
ただ美味いコーヒーになるように
細心の注意を払っている

窓から ....
甘える
それは奮い立たせる刺激がない、もしくは、そんなもの、要らないから

私は、何かになろうという気持ちがないし、あなたは
病気を治し、社会へ戻ろうという気持ちがない
似たようなふたりが
 ....
鳩尾を透過していく
風のライオン
たてがみの感触に
背中が粟立つ

睫毛を蹴って逃げ出す
光のインパラ
ボンネットを飛び移る
逃げ足が眩しい

舗道に投げ出された
影のアミメ ....
人はなんでもないような場面を
なぜか覚えているものだ

中学校からの帰り道
乾いたグラウンド
走者のあげる土埃
プールに浮かんだ白いはなびら
すでに樹の指先は新しい葉を生やして
吠える ....
黒いサングラスをかけたカンガルーが、ライフルで狙ってる
その陶器製の、白くなめらかな母韻は、
ゴムのような口唇から何度も、何度も、
繰り返し発射されるから
執拗な子守唄に、もう寝付けない夜の― ....
私の目はどんどん見えなくなっている
ぼんやりと、ゆっくりと、確実に
どんどん見えなくなれば
みなの姿も あの人の顔も
どんな感じなのか 憶測で考えていくだろう
できるだけいい方向へと思う ....
きびだんごで複数年契約 流れてく 菜を冷やした小川の 見えなき終
そんな事を思い出していた この遠い地で
弔いの灯は風に泳ぎ 灰は風に舞う

皆を覆い隠して 空へ
消えた

貴方がくれた 幾千のもの
わたしの ....
ウールのベストは暑いかな,と思いながら
まだ肌寒い春に,詩人の家に行った
その部屋はアトリエのようなコバルトブルーの壁紙が貼られていたので,
アトリエなんだろう,詩人の子供は自由に遊んでいるし, ....
田に水を張ると
一面が鏡になる

田植え前の一瞬
薄い空を映して

今年はどんな年かと
思案している

今年はどんな稲にしようかと
話し合っている

近くの葉桜が
 ....
 水は、万象の旅人

 生き物の身体は
 彼等の泊まる、仮の宿

 水よ

 お前が
 笑いさざめくのは
 春の林床に降り注ぎ
 小川を結び、走るとき

 お前が
 咳き込み ....
舟から生える樹
川岸の影
海を描く霧
器の水に
沈む糸くず


雪が雪を追い抜いて
土や花を振り返る
土にも花にも
雪は見えない


酒に勝つ甘味が見つからず ....
奪われた事を知った夜は、窓辺に腰掛けて月を見ていた。
初めての恋で僕は嫉妬を覚えた。
奪っていったのは僕の親友だった。
よくある事だよ、と笑った月が恨めしかった。

何も知らなかったのは ....
水彩の草原に僕はひとり仰向けで、
空をゆく雲を見ている。
淡い太陽の光を縫うような、
ぼやける事のない雲の輪郭を僕は指でなぞった。

寂しくなんてなかった。
なんとなくの不安を誰かに知 ....
(一行詩集/  ハァモニィベル「一行の夢」 )


          【一行*夢】
             *

一行の人生が、いま、谷底へ向かって続いている。突然、愛という文字が、両 ....


貴女にだけ焦点があたり
貴女をひきたてるためだけに
周りはほのかな額縁になって
動く絵画が私を石にする




机の隙間は敵地の運河
岸の高台には王女の横顔
幾多の ....
死ぬ場所をどうするか
出稼ぎ組の私にとっては重大な問題である

私は、どこで死ぬのか…
高度に進んだ医学界では
見つけた患者をベッドの上以外で
死なせるようなことは許されない

秋に、 ....
飛行船追いかけて知らない町 私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
薄氷の奥で 
四肢を必死に伸ばして

もがき続ける
姿が見える

手を伸ばせば 
直ぐに届きそうなのに

否 その距離が 
縮まる事は 無い

幻想の向こうに 
 ....
子どもの頃
大縄跳びが苦手だった
自分の順番がきて
入るタイミングを計っているが
なかなか飛び込めなくて
戸惑っていた

後ろから
早くと背中を押されて
飛び込んだら
いつも縄を踏 ....
「土地と家の権利書を盗られた」
しまった場所を忘れたのだ
「炊いてあったご飯がなくなった」
自分が食ったのを忘れたのだ

忘却は、現在の妄想を生む

生きていたときには
あれだけ不満の ....
あまった時間なんてないのにもてあます
反省なんてしたくないから探す/言葉を

文字にすればゆるされるとおもっている
今が過去になると決めている

明日の自分を想像できるけど
少し夢をみる ....
嫌な予感しかしないギターのイントロが陽気 やぁ、みんな
海だ

青のなかに
たくさんの鳥だ

鳥は
多くのおまえの顔をしている
、と風は言う

風は
多くの海の顔をしている
、と鳥は言う

みんな
おれは
パプ ....
五月は 人が たくさん死ぬのできらいです。

 ほら、あの人
  むかし
   わたしのあたまをこづいてわらっていた つりめがちの 白い顔
    (彼女は大きな輪っかのうえ 飛んでいって  ....
自分が思っているようには
他人は自分を見てくれない

それで私は
極力自分を
客観視しようと試みた

気付いたら
他人の顔色ばかり伺って
ますます自分が
わからなくなっていた

 ....
 
おいらの悲しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ

おいらの悔しい涙をみたのは、おふくろとおまえだけだ

おいらがひとのために歌うのをきいたのは、おまえだけだ



 
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「しまらない」- 宇野康平自由詩214-4-24
自己中- イナエ自由詩7*14-4-24
泣いた赤鬼- 山部 佳自由詩914-4-24
size:L- 凛々椿自由詩1214-4-24
21℃_31%_4m/s- nonya自由詩19*14-4-24
かあさんも受験生だった頃がある- そらの珊 ...自由詩1114-4-24
わけがわからない程- ハァモニ ...自由詩3*14-4-24
さよならの鎖- 唐草フウ自由詩16*14-4-24
きびだんごで複数年契約- 北大路京 ...自由詩814-4-23
手向け_最愛を受けた者より- 黒ヱ自由詩3*14-4-23
日曜日の詩- timoleon自由詩714-4-23
春の田んぼ- 小原あき自由詩5*14-4-23
透明な声- まーつん自由詩14*14-4-23
ひとつ_冬辺- 木立 悟自由詩414-4-23
月の涙- ヒヤシン ...自由詩3*14-4-23
水彩画の少年- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-23
一行の夢- ハァモニ ...自由詩3*14-4-23
- 游月 昭自由詩6*14-4-23
死に場所- 山部 佳自由詩4+14-4-23
飛行船追いかけて知らない町- 北大路京 ...自由詩714-4-22
白色レグホン- Lucy自由詩20*14-4-22
もがく- 藤鈴呼自由詩2*14-4-22
【_大縄跳び_】- 泡沫恋歌自由詩10*14-4-22
竹の秋- 山部 佳自由詩614-4-21
きめごと- 朧月自由詩414-4-21
嫌な予感しかしないギターのイントロが陽気- 北大路京 ...自由詩414-4-21
鳥山の立つころ- 草野大悟 ...自由詩2*14-4-21
五月は_人が_たくさん死ぬのできらいです。- 御飯でき ...自由詩414-4-21
客観視- Lucy自由詩15*14-4-21
おまえだけだ- 殿上 童自由詩18*14-4-20

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