霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
   人は生死の境をさまようとき
   花園を見ると言うけれど
   地獄の蓋が開くという彼岸に
   見たのは色を失った現世だった

闇の空から眺めていた
墨色の広大な砂場には
まばら ....
要らぬ部分だと カットした余白に気付いて
愕然とする

甘噛みだから
痛みなど 伴わぬものと 信じていたのだ


砂の上で 虹を眺めるように
私は 自由だ

繰り返された ....
雨の日の多い季節が
私の息まで洗い流してしまったようで
岸辺の向こうで手を振る影は
何処か切なそうに見えるのです
まるで昨夜の夢みたいに
幸せだった幻みたいに

頭痛と並べた白い朝
ソ ....
  水辺。{ルビ蟷螂=かまきり}はひらき、
  へちまの軟さの かれのかげは
  朝、をそのままたたんだままにあかるく
  ハズムばかりに道化嗤いし、南の果物さながらに、
  マアケッ ....
朝の電車は遠い日の裏切りのように
精密な構造を巨大な直流にひるがえして
ホームに差し込む朝陽とういういしく調和する
連動する踏切にはわずかな狂いが入り込み
電車の減速もときおり不規則で ....
孫に話そう
妻や子どもには
とても言えない
だって生々しすぎるでしょ
いつの日か
わたしの前に
現れるところの
孫ならば
静かに
頷いてくれるだろう
時には
笑ってもくれるだろう ....
雀始巣
すずめはじめてすくう


佐藤さんちの玄関の
パンジーの寄せ植えから
オハヨウを拾い上げて

鈴木さんちのベランダの
古い室外機の裏側から
サビシイを探し出して

 ....
地雷原という安全地帯でトイレットペーパーを思いっきり転がそうぜ
ドアなんてこの世に存在しないのだから
自由には白い翼がびっしり生えている
おとなになるってことは気が狂うってことで
こどものまま ....
誰かのことを、おもいやったりなんかしたことは
あるよ 人に
やさしくなんかしたことも
あるよいつもそうだったような
気もする いや
いや やっぱりそうだそうだったいつも
人にやさしくしてい ....
ここから
線香花火のように見えます
あの日
あなたが燃やした命

このまま
つづくわけがないと思う日々が
案の定
抜け落ちた日々

日々から日々が抜け落ちた日々は
日に日に遠くな ....
 丘から見える遠い園生は純白に染まり、
 私の吐息と重なって淡く輝いている。
 手前に見えるロココ調の建築物はそれ自体が見事な絵画のように
 緑一色の額縁で装飾されている。

 丘の上に ....
空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
能面被って
声を、殺して
あえて明るい色彩の着物を身に纏い

たとえそれが千年昔の恋物語であり
源氏に捕らわれた{ルビ重衡=しげひら}が、死刑へ歩む
前夜の密やかな宴だとしても

透け ....
奥深く海底の熱水床
わたしが今呼吸をしている処
群がる白い蟹は
わたしであるための遺伝子を
鋏で千切りまた繋げる

染色体を失った肉体だが透明ではない
保護色を身に着けたわけでも ....
アブラナの
花が咲き乱れ
その
黄色い雲の上を
黄色い蝶が力強く羽ばたき
黄色い雲の上を
蜂達は
せわしく動き回り


  これが
  春でなくてなんであろう
  これが
 ....
かなしみが河いっぱいにあふれて
よろこびも一緒にいる

まるで流し絵のように一緒にゆるやかに
色をなしてゆくもう痛みもない河畔に

ちょっと嘘つきでよゆうのない自分が居て
漢字変換ではも ....
コンビニエンスストアーは小遣いがあるときはぼくらのポケットだが
だいすきなしょーもないもの以外はたいがいなんでも売ってるみたいだ

いつも仕事に出かける時は装備の点検をして
会社でも点呼をうけ ....
日当たりの悪いベランダで
洗濯物が乾いていく
気まぐれで買った麦チョコが
戸棚の奥で湿気っていく

あんなに好きだと思っていたのに
あんまり顔も思い出せない
あんなに好きだと思ってい ....
書かねばならない事
を 探して
言葉の海を泳いでいました
今の私に書ける事 
を 尋ねて
言葉の風に吹かれていました

波はさざめいて
私を弄び
風は追いつけない速さで
私を通過し ....
雨の中
透明な傘をさした人が
聖書を持って列をつくっている
黒い群れの中で
三方金の本は光っている
みんな口を閉じている

道路をはさんだ向こうのバス停で
青年が一人、列が動くのを見て ....
爛れ過ぎた夕陽が
一軒の二階の窓を
ギラリと択び
怯えた鴉が見上げた先に
規則的に並ぶ建築の
一面だけを
薄明るい色に染め
足元のザラメにも
一粒ずつ微かではあるが
予兆のように
 ....
知らない街の中の
知らない道を走る

わたしは車で
おどおどしながら走る

知らない街の
知らないショッピングセンターで
買い物をする
産地も知らない野菜を買う

いつまでたって ....
空から
剥がれた薄皮が
ふうわり落ちてきて
森と街と人の
あらゆる隙間を
滲ませる

君から
届いたLINEが
妙に素っ気ないのが
どうでもよくなるくらい
僕の指と吐息は
 ....
懐かしいトムとジェリーを観ながら
人生スラップスティック論入りの缶チューハイで
ほろ酔いの仕事明けの朝

様々な宗教の勧誘やってくる
団地の一階だからな

ハッブル宇宙望遠鏡が25周年を ....



その痕のことは、
何も知らない
水たまりを、
陽気なアメンボが通りすぎたあとのことは、何も……
みずうみに、
きみが爪先でたてた水の音も、
寝転んで何かを囓ったり、口のかなで ....
 夢、夜がみせる方の夢と、現実
 はとてもよく似ているから、ど
 うにかしてそのちがいを暴こう
 とテスト勉強もしないで考えて
 いた。
 しょうもないことさ。だけど人
 間って生き物はし ....



「虚写ノ残像」


乾いた砂に二つの異なる影
少しずつ洗われた息使いを覗きこむ
無数にある偶然の中
鎖されたまま迸り出る感情を味わう舌
互いを睦まじく絡ませ合い
怠惰 ....
ゴムまりみたいに跳ねる少女
丸くて
黒くて
そして
薄いドアの深い溝の内側に住んで
朝の下駄箱の重い軋りを軽く弾いて
ゴムまりみたいに跳ねる少女

歯ブラシを銜えて笑う
マスクをつま ....
明るい灰色の水面が
鳥の声がするたびに震えていた
誰かが落とした柔らかな
容れ物も
静かに震えながら
石畳の上を転がっていた
そこから視線を
ずらすと
小さな島が現れたり
消えたりし ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
休園日- 自由詩37*16-3-23
地獄- イナエ自由詩7*16-3-22
爪を切る- 藤鈴呼自由詩2*16-3-21
虚ろ- 智鶴自由詩216-3-21
kamakiri- 草野春心自由詩216-3-21
朝の電車- 葉leaf自由詩2+16-3-20
物語- やまうち ...自由詩4*16-3-20
雀始巣- nonya自由詩18*16-3-19
自由で満たされたプール- 水宮うみ自由詩5*16-3-19
リーパー- 塚本一期自由詩216-3-19
すべて- 竹森自由詩616-3-19
片想い- ヒヤシン ...自由詩11*16-3-19
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
能面の女- 服部 剛自由詩416-3-17
蒼と青と藍の底で- 乱太郎自由詩19+*16-3-17
- 北村 守 ...自由詩216-3-17
be_happy- 梅昆布茶自由詩1516-3-17
コンビニよりあなたの歌へ- 梅昆布茶自由詩916-3-17
麦チョコ- 青井自由詩316-3-16
メモ- Lucy自由詩15*16-3-16
the_church- うみこ自由詩4*16-3-15
春の正体- Lucy自由詩9*16-3-15
知らない生き方- 朧月自由詩216-3-15
春って- nonya自由詩13*16-3-15
anthology- 梅昆布茶自由詩816-3-15
『オパール』- ハァモニ ...自由詩10*16-3-15
グミの靴- そらの珊 ...自由詩1216-3-14
「虚写ノ残像」___*【Odb】参加作品- ハァモニ ...自由詩3*16-3-14
恋する少女- オイタル自由詩3*16-3-13
足音が止んだ後- noman自由詩416-3-13

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