時々
体の壊れる音がする

それとも
心の壊れる音か

耳鳴りは
永遠に続くかのような蝉時雨

悲しくはない

目を閉じれば
あの夏にいる 
道はつづいてゆく
途切れながらも果てしなく

途次の三叉路で
焼きそばの匂いにさそわれて
この街道に至る

次の五叉路では
上海の娘が待っていて

サイレンのように
髪を偏西風に ....
我が身にはこれからも
あまりゆかりのない言葉

新学期

なぜだかわからないが
断固として幼稚園にも行かず
日々放浪していた僕にあたえられた

小学校という世界の箱庭で
やっと社会 ....
胸の上の微小な斑点は
ほんの少しの
風力だけでその
配置を変えてしまい
圧力は少しずつ逸れていく
本棚は不格好に撓み
空の瓶底が
真新しい壁と同じ色になったら
抽斗を開ける
清潔な
 ....
ボディブローのように
じわじわ効いてくるのは
僕の中にも君が居るから

君の中にも居るらしい僕の片鱗を
君がこよなく憎むように

その嘲りは抗い難い誘惑

拒むにしても
逃げるにし ....
風が風を離れ 人が人を離れ
のぞきこみあう空は 青く

もくもく 雲 かげリいだく

つきとめられ つきつけられ
ほしい ほしくない 
のぞむ のぞまない

組み込まれた祈りも呪いも ....
思念の淵で息をしている、
私の息づかい。
耳から流れ込む、
目の海の水を、
飲み込んでは吐き繰り返しながら。
呼吸が荒くなる。
海になった私の指から、
あふれてくる思いを、
窓硝子に叩 ....
はだしでゆかをあるく
しっとりとつめたい
うすぐもりのふうけい

とても風が強いので
木という木がゆれ
腹黒い雲が急がされる

ガラス一枚越しに見ている
ここはとても安全で
雨も風 ....
  欠ける 夕
  白の 岬……………………(に)
  わたしたちの
  線は  まるく  欠けて
  点も あおく  こわれ
  はずむ あなた 骨の
  陽傘 シャツの ゾッと ....
    あの日を境にわたしの中から
    わたしがいなくなり
    半透明な海月になった
    荒ぶる海流に叩きつけられ
    なす術もなく右へ左へ
    痛みとともに流され続けた ....
大きな水槽を買った
その中に飼う魚が問題で
タナゴを飼うのか
金魚を飼うかが問題で

タナゴを飼ったら静かな虹色を楽しめるし
金魚を飼ったならゆっくりとした時を過ごせるだろう

タナゴ ....
誰でも心に
ピアノを持っていると
どこの国の神話にも書いてある
だから無謀にもきれいな
旋律を探して
雨の日も晴れの日も
歩き回っている
この街は楽譜のようで
地下鉄が東西に走ったり
 ....
 無をゆく舟

       ハァモニィベル


点景(へ)
流れ混む
厚い
{ルビ光=ウリム}の闇。

それが、
炎に似た
輪郭の影を
灼き尽くしていく

再び――、 ....
「くもがねてるから、しーっ」

沈んだ空は暗くて
何にもないけど
何でもある
小声でお話をしよう
キャベツくん
いもむしれっしゃ
おたすけこびと
そんなものを抱いて

「あめがふ ....
視界にはたくさんの目がある。
開いた画面に浮かぶ目玉は、
口になって牙を剥き出している。
口になった牙を生やした目玉が
私の目を喰らおうとする。

瞬きひとつでページをかえると、
今度は ....
みんな金が好きだ

みんな性が好きだ


それを見ているひとも

みんな

みんな

みんなこいつが好きだ


みんな金が好きだ

みんな性が好きだ


こいつは ....
庭園には
緑とプールがありました

ぬったりとした
湿度が

緑もプールも
育んでいました

私は蛇になって
ゆっくりと水に潜り

濡れた体で
緑の上を這ってみました

 ....
おれは

パン粉を

袋から出し続ける

出せるだけ

出し続ける

そうして

溶き卵を 桶にすくい

頭からかぶる

百メーター先の

パン粉の海に
 ....
{ルビ鳶=とんび}が鳴く
空の遠心力を中和した
深い谷で

静けさは声を出すことができない
涙のこぼれ落ちる音
静止衛星の摩擦音

「だから」と黙すあなたの終止符は
どんな孤独 ....
またひとり 友達が逝った春
ホームの売店で香典袋を買う
無愛想な店員が差し出す
派手な化粧に 朝日が散乱する


押し頂くような仕草で受け取り
擦り切れたバッグに入れたとき
倒れた ....
触れるたびに
コッと鳴き
離れるたびに
コッと鳴く



杯はいつも
虚に満ちる
波打ち際のミキサーから
ぷちぷち昇るひとさし指
咬みちぎられては
吐き捨てられる中指


ギターはミシン
断っては繋ぎ
生まれも額縁も
等しく足元に粉砕する


 ....
遠のいていく
まだ舟だとも言い切れぬままに
来た林に戻ろうか
踏ん張りたくなどありゃしない
じゃあこの壁にだ
打ちのめされていよう
ここら一帯の木は黒ちゃけて
叩くと気持ちの良い堅さ
 ....
頻繁に人にであうでもない
この生活にあまり不満はないのだ

ベランダの脇の雑草がどう伸びようと
有る意味僕のそとの世界のできごと

疲れている意識もなるべく解消しようと
優しい母や鬼嫁も ....
猫町の午後は空が青ざめるほどの空想に満ちていて
透明なグラスに注がれた水のように
エーテル培養液がたゆたっている
光が当たる一瞬の陰から産まれる海月たちは
何万の子孫を一瞬にして吐き出 ....
花盛り青信号に気づかない 近所にスーパーができたので
ひとりぼっちで買い物に行った
自動扉を中に入ると
アナキストとすれ違った
笑ってやれ アナキストを

さあ 渡ろうじゃないか
どこへ
どこへともなく
いつ ....
「思春期」


疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って

思春期なのか
四月は変拍子

狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
 すべての家の窓は閉められている。
 通りには誰ひとりいない。
 路地裏は灰色の匂いがする。
 この世に僕一人しかいないような感覚。

 家並みを抜けると開けた田園地帯になる。
 僕は ....
 オルゴールが穏やかに流れる
 喫茶店の窓から外を眺めると
 桜がさらさらと散っている。
 春が終わろうとしている。

 桜の薄いピンク色の花びらが
 ひとつまたひとつと僕のいる
  ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14280)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
耳鳴り- ガト自由詩5*16-4-19
空へかえるマニュアル1- 梅昆布茶自由詩716-4-19
新学期- 梅昆布茶自由詩816-4-18
無為の輪郭- noman自由詩316-4-17
君が小さな悪意なら- Lucy自由詩12+*16-4-17
ひらく_青- 砂木自由詩10*16-4-17
風景- あおい満 ...自由詩516-4-17
春眠暁を求めず- 木屋 亞 ...自由詩2*16-4-17
misaki- 草野春心自由詩116-4-17
白い月- 石田とわ自由詩9*16-4-17
面倒なこと- レタス自由詩216-4-16
ピアノマン- やまうち ...自由詩4*16-4-15
無をゆく舟___/課題投稿- ハァモニ ...自由詩2*16-4-15
ゆうちゃんのみみうち(雨が降る夜)- 小原あき自由詩516-4-15
缶詰- あおい満 ...自由詩11*16-4-15
金と性- 吉岡ペペ ...自由詩516-4-14
化身- ガト自由詩5*16-4-14
進退- もり自由詩3*16-4-13
◎静謐の繭- 由木名緒 ...自由詩8*16-4-13
- 藤原絵理 ...自由詩316-4-12
ノート(酒)- 木立 悟自由詩316-4-12
ノート(千千京京)- 木立 悟自由詩316-4-12
無い浜- なけま、 ...自由詩316-4-12
えーと。。- 梅昆布茶自由詩9*16-4-12
ゆ_う_か_い- ゆるこ自由詩316-4-11
花盛り青信号に気づかない- 北大路京 ...俳句516-4-11
近所にスーパーができたので- オイタル自由詩316-4-10
発条式発泡詩_<1>- nonya自由詩1516-4-9
人生の選択- ヒヤシン ...自由詩6*16-4-9
予感- ヒヤシン ...自由詩3*16-4-9

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