現役であったころは
      不眠にこだわり
  とらわれ続けていたのに

  卒寿ともなってしまうと
    むしろ 過ぎ散った
    影法師を まさぐり
     続けて ....
      『ママは怒ると頭からしょっかくが生える』
      と姪が言いだした。

      『しょっかく?』
      思わず聞き返すと神妙な顔をしてうなずく。

  ....
ごうごうと流れる茅場に
溺れてゆく

光りの泪の中に
振り向く顔がのまれてゆく

凍りの風の中に
揺れる手が離れてゆく

流れの中に
楔打つものを探して
のばしすぎた、
左手人差し指の爪が、
引き裂くのは、
私という、
骨を持たないビニールの肌。

人差し指が描くのは、
未知という過去で、
私のいない、
ただ私の香りだけを響かせた
 ....
木が泣いている
闇そのものとなって
迷い果てて尽きている
何かが内部で生まれては死んでいる
その呼吸の音ばかり際立って

囲んでくる無数の球体には
どろどろした風景が墨で描かれている ....
命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました

みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さ ....
ぼくの理想は紙のようなもの

時とともに朽ち果てる

破かれ焼かれ霧散する

ぼくの理想は紙のようなもの


真実からはまるで遠い

真実からは相手にもされない

目の前の扉 ....
            160213
申し上げます。
後は言葉にならないので
ひょうたん池の写真を載せた
彼の人生は今、ひょうたんのどのあたりをなぞっているのだろうか
誰にも分からないことを ....
 ワタシハココニイルヨ。
 
 明け方にピアノの純音は吐息を白く染める。
 真冬のキャンバスに描かれた森の中で、
 幼い少女が光の帯に包まれている。
 誰かに見つけてほしいのだ。

 ....
 嘘を重ねた悲しみが川面を伝う。
 橋の欄干は赤錆びて、真昼の幻想は鮮やかだ。
 夢見がちな私の瞳は川岸に佇む鴨を見て、
 何も聞かないあなたの瞳は私の真実の気配を探る。

 あなたは何 ....
なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた

一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
  平均余命が 一桁となって
諦観の半旗が たれさがるなか
      いまさら なにに
     こだわり とらわれ
     とまどっているのか

   過ぎ散ったかげぼうしは
 は ....
夢のなかで再び出会う
記憶に眠る人々
言いたいことはわかっている
本心で語り合えなかった
一本の道は遠い
新たな物語は続く
食べきれなかった皿の上
嘆き悔いても仕方ない
哀しみ ....
    米を研ぐ
    それは繰り返される日々の儀式
    手のひらにあたる米粒はかたく
    米どうしがぶつかりあい
    じゃっじゃと音をたてあう
    このかたいひと粒ひと粒 ....
やがて降る雨は
僕らを同じ軒下に
やがて吹く風は
僕らを同じ吹きだまりに
やがてくる夜は
僕らを同じ街灯の下に
誰もがなにごとか為そうと
足掻き今日も過ぎてゆく
とうに同じ空の下に
 ....
唇にできた黒い証を、
たくさんの指が掠めていった。
黒い証は、
誰の手にもぬぐいされはしなかった。

ある日、
舌に同じように、
黒い証を持つ人に出会った。
彼は私の唇を目で掠めていっ ....
  硬質な
  紙片ではない
  タクシー


  そして
  という語の
  尻だけを追って
  山猫


  観葉植物としての
  わたしは
  遣られている水の ....
体型のわるい売春婦

こころのなかの

ダルタニアン、スペインの丘、風車小屋、

青いひかりが氷のうえに射す日まで


なんねんが陳腐

いまだけが説得力

あの方たちから見 ....
叫びたい花の襞が、
指先を突き破る。
突き破られた、
指の皮膚から噴き出した、
花の汁が、
タールのように暗い、
色とりどりの世界を描いていく。

傷つけあうことで、
構築された暖か ....
わたしは
粒で出来ている

粒は
かなしみも
ぜつぼうも
知らないまま
ただ
あたえられた時間を
あたえられるままに
はずんでいた

ときおり粒は
とどこおる
たとえば寒い ....
       つつじが丘のひだに
       住みついて 三十年
       いま 卒寿となって
        しんみりとおもう

    九十の齢(よわい)の歩みが
   (おかげ ....
小さな歯車の音が降る
遠くへと去る足音も
積もりつづける夜の光も
淡い動きに満ちてゆく


光の器の心は欠けて
路面電車の灯を見つめ
ひとりの子が
ふたりの声で歌 ....
詩を書けば
空よりも青く
哀しみにも負けない歌声がある

ほら、耳の聴こえない男の子が楽しそうにみてる

片足の不自由な女の子は必死に両手を振っている

みつめれば舞台の上で ....
暗闇に漂う一本の手首のことを考える
指はすべて揃っていて
爪には土と苔がこびりついている
どこか山蜘蛛のようでもあり
それは実際に一匹の生きた蜘蛛である
さよならだけ上手になっていた

忘れようとして

懐かしがるだけ

もういらないや

さよならの練習だいぶしたから


愛は時間のことだ

時間の無駄と感じるなら

愛も ....
まよう
答えを探している
息子とじゃんけんをする
勝っても負けても
答えを見つけることの間違いを
教えられる
あいこでしょ!

障がいについて
伝える日がくること
世の ....
すれ違うためのいくつもの道が用意されている
君がどの道をたどるのか知らない
そのため受け取ることのない手紙は書かれ続ける
愉快だが退屈な時間が流れる

雨が降る道を器用に選んで避けた
ふと ....
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい頭をもたげた
 ハンザギは
 のっそりと
 重たい腰をあげた


 今宵最期の一晩に
 挨拶回りをしましょうと
 鮎も
 岩魚も
 カワゲラ ....
風は光と影に囁き
透明な空気を細やかに主張した
何故なら
ある歌の中では 黒が白となり
ある叫びの中では 赤が青になるからだ
透明感のある言葉は一体どこに隠れたのか

人の主張は圧縮され ....
    きさらぎは昼さがり
     北風の挑発もなく
    ふゆびのさざなみは
ベランダのひさしをすどおり
 やわらかなひかりとなって
 おだやかに三和土のうえで
  尾っぽを引きずっ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
色鉛筆_③- 信天翁自由詩316-2-15
でんでんむし- 石田とわ自由詩11*16-2-15
光の泪に_- くろねこ自由詩1*16-2-14
声のない唄- あおい満 ...自由詩616-2-14
断片- 葉leaf自由詩216-2-14
- 乾 加津 ...自由詩8*16-2-13
紙の理想- 吉岡ペペ ...自由詩916-2-13
心中お察し- あおば自由詩4*16-2-13
追憶- ヒヤシン ...自由詩7*16-2-13
憐憫- ヒヤシン ...自由詩5*16-2-13
君が教えてくれた- nonya自由詩23*16-2-12
老細胞の呟き_四- 信天翁自由詩316-2-12
審判のとき- アラガイ ...自由詩16+*16-2-12
研ぐおんな- 石田とわ自由詩15*16-2-11
やがて- 花咲風太 ...自由詩6*16-2-11
ポケット- あおい満 ...自由詩7*16-2-11
yamaneko- 草野春心自由詩316-2-11
青いひかり- 吉岡ペペ ...自由詩616-2-11
- あおい満 ...自由詩616-2-11
わたしの粒々- そらの珊 ...自由詩2116-2-11
老細胞の呟き③- 信天翁自由詩416-2-11
flicker- 木立 悟自由詩316-2-11
詩歌- アラガイ ...自由詩8*16-2-11
蜘蛛- 春日線香自由詩416-2-10
さよならの練習- 吉岡ペペ ...自由詩416-2-10
グーはチョキに勝つ- かんな自由詩6*16-2-10
断絶までのびている道- 伊藤 大 ...自由詩216-2-10
サンショウウオ- 北村 守 ...自由詩416-2-10
- 鷲田自由詩616-2-9
色鉛筆①- 信天翁自由詩416-2-9

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