彼は冷たい水底に眠り
ときおり緩やかに踊り出す
口惜しさや無念を忘れ
与えられた使命を果たすように踊りはじめる

水底の琥珀の液体は酸化し
とても飲める代物ではないはずなのに
彼は薄く頬 ....
           161030

あじさいと呼ばれれば紫陽花と答える
山の谺は律儀者
口笛吹いて
小道を行けば
サザンカの赤い花
冬の花だと君は言う
秋の花だと僕は答える
枯れた ....
 
浮いている
{ルビ圧=の}しかかる重力
月は平衡する
走る遠景を
雨の滴で回避して


狂っている
歩行する緑の
あらがう能役者が噂する
平成の{ルビ螺子=ネジ}
とまらな ....
うまい詩がかけなくて
詩の書き方をしらべようとしたら
詩の飼い方とうってしまって
なるほどなとおもった
もうそれでいいとおもった
箱をあけたら金にひかる歯がころり
うるといい値になるそうだ

しゃれこうべしゅうしゅうと
お墓の下でなげいとりゃせんかしら
おれの歯ぁどっかいったぁって虫食い歯でさ
男かしら女かしら
き ....
唇に針を刺して、
ぐるぐるとかき混ぜる。
歪んだ赤い月が、
いくつもうまれる。
その月のなかに、
あなたが映っている。
人形を抱いた幼いあなた。
小さなあなたは泣いていた。
唇をかみし ....
ビル
群れ、
忘れながら白く残る影、
あなたの話は
死ぬとか生きるとか
ちっとも美しくないの
だから素敵
日々は洗浄
蝶のかたちに
群れ、
ひと
だれかの

背骨のよこに ....
「消えやがれ」って
言われた言葉を反芻してると
いっそ
消えてしまいたくなる
いやいやそれでは敵の
思うつぼ
「消えるもんか」って、
頑張るものだよ普通って
言い聞かせてみるけど
そ ....
白く細い指の様な光の線が、つぅぅとガラス面を掠めて
闇の中につらつらと水滴が垂れる
窓ガラスは、鏡となって
幽鬼の様なわたしの顔を映す

ざぁっと、広がっていくような雨の音が
わたしの意識 ....
喉元でクグモッテいる言葉を
噛み砕いてみないか

ヨダレを垂らした狼が
遠吠えを繰り返す

夜が好きで
闇がキライで

狭い処は 何故か安心できるからと
膝を抱えて眠る

 ....
頭痛薬がきれかけていて
何かうれしい事件があったとしても
あまりおおきくはしゃげない日々が続いている
バッグインバッグに手を入れて
錠剤が指にあたる感触を確かめる
その感触だけで
すこ ....
眠れなくて

眠れなくて彷徨う廊下を
深海魚のように
喫煙室で夜が明けるのを待ち
ぬるい珈琲を啜りながら
紫煙を燻らせ
刹那の夢に溺れては
覚醒の痛みを繰り返す

孤独という麻薬は ....
今夜の秒針の音は
よろこびのうたの様に
暗闇に波紋をつくり
この夜に響いている


昨日眠りに就く瞬間には
je te veuxに似た
優しいリズムを
針の音が刻んだ
 ....
あらかじめ充たされた{ルビ紅葉=こうよう}の場所は
ただ ここに ある
風に吹かれていることにとらわれず
枯れ葉になることにとらわれず
ただ ここに ある

蛇口をひねれば水がでる
その ....
橙のひかり滴る秋の日
おちばほわりとかおる
薄水の空に鉄塔刺さり
いわしがそらをおよぐ
暗い部屋に只今と呟き
えい、おならしちゃう
薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた

手放して、
空気の中へ、

あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一 ....
 憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
 山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
 時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
 私にもまだ笑顔が残っていたのだ。

 黄 ....
 見えない魂という奴を心の奥底からそっと取り出してみた。
 どこかに傷がついていないか僕は念入りに確かめた。
 どうやら傷だらけですな、主治医がそう言った。
 僕はどこにそんな傷があるのかと ....
 どこまでも続く砂漠を一人歩いてゆく。
 空は厚い雲に覆われ、時間すらも分からない。
 この先へ進むべきなのか今来た道を引き返すべきなのか。
 どうすることも出来ずに僕は立ち止まってしまう。 ....
満月をつまんで
ポケットにいれてしまう
冬を待たずに
眠ろうとするひと

わたしは紐を
片手で握りしめ
もう片方の手を伸ばしている
言いたいことがある
寄せたい頬がある
満 ....
疲れだけが
この体に降り積もった
誰の言葉も
静寂に消えてゆく 

街灯が
一輪の花の様に見えた
液晶の光が
私の姿をあらわにしていく


隠れられない
隠せない
画面の明か ....
真っ黒い木々の影の中をさ迷うように
真っ赤な夕立の雲間から黒い雨粒が
車窓を叩きつけるように
走りゆくバスから
移ろいゆく黒いものたちを 目の当たりにしながら
避けることも 拭うこ ....
もう少し眠っていてもいいと
誰かが低い声で囁くのが
薄暗い夢の中でもわかる
本当にもう少しここで
眠っていてもいいのですか
念を押して訊ねてみると
その人は猫を撫でるような声で
眠ってい ....
秋の蛇口をひねると
空虚がぽとりと落ちてくる
管は水平に都市の闇を這い
水源地は{ルビ紅葉=こうよう}で充たされている


空虚で顔を洗うと
頬がすこし紅くなる
正直な肉の反応に
つ ....
わたしのなかに
あなたはとどまる

ときに柔らかく
ときに残酷に

あなたの言葉
あなたの微笑
あなたの仕草
あなたの沈黙

そしてあなたが手渡す
葡萄の一房

その甘さと ....
海原、だとか
だれかの潮の、へその匂いを
膿んだ六月の、折れた傘を
膜のついたまま
肋骨にはしないで
竜骨にした

進んでいる、のか
走っている、風
青信号の点滅が
敷き詰められた ....
秒針が寿命を数えている夜
確実に死を迎えるために
耳はその呪文を捉え
無為な夜をすごしてゆく

生まれては死に
死んでは生まれ
嘆きの丘を目指し
重い十字架を引きずりながら
空を目指 ....
君の姿を初めて見たとき
君の顔は白く固まっていた
初めましてのあいさつが遅れたね
僕は君の叔父さんだ
安らかに眠るといい
眠るために生まれたんだよ
君はきっと
君の顔は美しく化粧 ....
 真夜中の幻燈に真昼の幻想を見る者が一人。
 彼は懐かしさの中に真実を探ろうとしている。
 ぼんやりと宙に浮かぶ光景は全てが琥珀色で
 真実の色さえ隠してしまう。

 誰もいないアトリエ ....
広い邸宅など要らない
ベッドは
身体を横に出来るスペースがあれば良い
食卓には
茶碗の置ける隙間があれば飯は食える
とうそぶいて

新聞が 雑誌が 広告が 
テーブルに積み重なり
ベ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水底の歌- レタス自由詩2*16-10-30
枯葉紫陽花冬乃白瀬- あおば自由詩5*16-10-30
斜視のくだる翡翠- 白島真自由詩18*16-10-30
詩飼いびと- 朧月自由詩516-10-29
金の歯に熟れ柿- 田中修子自由詩5*16-10-29
かざぐるま- あおい満 ...自由詩716-10-29
洗浄- はるな自由詩316-10-29
「消えやがれ」って思われてるんだなっていう思いをずっと転がし ...- Lucy自由詩11*16-10-28
雨の鏡- 水菜自由詩13*16-10-28
大地の広場- 藤鈴呼自由詩2*16-10-28
ストーン- Seia自由詩216-10-28
深夜病棟- レタス自由詩416-10-28
秒針の旋律- 葉月 祐自由詩3*16-10-28
続_秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-27
ことばあそび三- 田中修子自由詩5*16-10-26
病室(レターパック)- 由比良 ...自由詩7*16-10-26
新たな旅路- ヒヤシン ...自由詩4*16-10-26
絶句- ヒヤシン ...自由詩1*16-10-26
飛べない鳥- ヒヤシン ...自由詩1*16-10-26
満月に紐をつける- はるな自由詩216-10-26
導きの雨音- 葉月 祐自由詩4*16-10-26
疑惑- 為平 澪自由詩4*16-10-25
漬物- 春日線香自由詩716-10-25
秋の蛇口- 白島真自由詩13*16-10-25
とどまる- やまうち ...自由詩216-10-24
もっと近くに(ゴル投稿修正版)- 高橋良幸自由詩5*16-10-23
天国の扉- レタス自由詩416-10-23
葬儀- 葉leaf自由詩816-10-22
真実の在り処- ヒヤシン ...自由詩3*16-10-22
狭い部屋- イナエ自由詩18*16-10-21

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