地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す

 ....
目覚めたとき真っ先に教えてもらったのは
上手にこころを売る方法だった
胸を開いて痛くないようにするりと指を滑らせる
脈動する網目の管を感情といい
抜け落ちた粘液を理性だと聞いた気がする

 ....
いつのまにか
ぼやけてしまった
染みが
もう存在が消えようとする、その瞬間に
ようやくこころの片隅に
いろを
発生させて
 
うまれるよ
うまれるよ、と
存在を主張し始める

 ....
私が何を問いかけても
あなたは銀色の頬笑みを水面に落とし
静かな光を映すだけ

まるで失われた恋のように
生まれ出る暗闇を
スリッパで歩く
冬の
イルミネーションはもう、海に沈んでしまっていた

ほしの形をあしらった
知恵の輪を
あつめては ほどく 少年の眼
それを見つめているたくさん ....
波打ち際を歩いては
地獄と極楽を彷徨い
明日の定めを占った
胃を失ったからなのか
精神の病からなのか
私にはよく解らない
こんな私に明日というものがあるのなら
未來という扉は開き
私を ....
あ、と指をさされている
振り返ってもなんにも無くて
張り紙がちらと目を掠めたようだ
手は届かないから 張られたまま諦めた

どうやらこうやら
そんな目で見られているらしい
重なっていく紙 ....
物憂げな予感に満ちて
黄昏時に立ち止まってじっと
夕日を見ている人がいた
空が暗色に沈んでいく
目に丸い陽の跡が残って
月の横に暗色の太陽が浮かんだ

空に色を付けるのなら
赤しかない ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
境界線は今日も

曖昧さを保つようにして

空は青と白の始まりと終わりを

見失ったまま浮かんでいる



朝と昼を跨いだはずなのに

わたしはその境目を

 ....
七色を越えて
どれだけのカラフルを
かき集めても
足らないくらい

あなたで
溢れてた

町の外れの コンビナート
しなびた階段
幾重にも伸びた
冬枯れの 枝の先に
天使が ....
一つ一つを束ね
表出と潜航を繰り返す
三つ編みは季節に似る
切り落とした断面には
三つの方向に捻れ動く
層が見える
黒髪のうねるしきの香り
一束に内包される春の手触り
ユトリロの白の時代の終焉は
小さな教会を過ぎ
角を曲がれば
景色が変わり
曇りかけた空 薄暗い白壁が
もう見えなくなっただけのこと
かもしれない
道を挟んできょうかいと向き合い
キャン ....
白い障子紙とおしてひかりチラチラ散らばって
立てなくなったばあちゃんをやさしく照らしてる

「食べとうない もう入らへんのや」
「そんなこといわんではよ食べて
愚痴いったらあかんよ
おかあ ....
赤い太陽との抱擁を済ませ
黒い月のスポットライトの下に潜り
透明な音譜に髪を靡かせながら


白い台本の世界の 夜の扉をひらく


ヘッドライトが生み出す一瞬の星座 ....
夕陽が相変わらず色をかえている

美しいとはこのことくらいだ

夜が暗くなるのも目に優しい

当たり障りのない蓋なんて必要か


ナチスが

ハンバーガーにはコーラが合う

 ....
今はまだ、ぽっかりと空いたボトルが海を漂い
手垢のついたじかんが終わりを迎える

真新しい窓を覆うひかりは
星の空をはだかで漂う不確かさで
黒く塗りつぶした本にときを刻みはじめ
風吹が ....
冬めいて部屋に取り込む鉢ひとつ

冬めくも猫を{ルビ抱=いだ}いてミルクティー

くちびるが一番先に冬めいて

冬めいてなんの未練もない鳥よ

パソコンを切って冬めく夜を知る

手 ....
 



冷たい指先から
ありもしない温もりが
すべて消えていくようだった




愛用していた
小さなティーカップは

一秒もしない内に
床への着地を成功させる事も ....
いけてる おばあちゃんでした
特筆したエピソードはない
けれど

名前が 池 てる

唯一無二の
おばあちゃんでした

寝言でドロボー!と叫んで
夜中におふくろを
震え上 ....
「どうせまたこのことも
詩に書くんでしょ」
とは
あなたの捨て台詞

本気で怒られていても
そこに 涙が流れても
身を悶えるほど
孤独を感じようとも なお
言葉は 食うこと
 ....
 きみは星座のように古い考えかたをしている
 たぬきの肉を食べた老人がいる
 きみはひとつの童話を読む
 本を机に立ててぴんと背筋をのばして
 文字と対決するようにしてそれを読む
 ストーリ ....
冷ややかで
静か
ただの一夜で
世界を無色にしてしまう

寄り添って
何も言わない
いつもそう
あなたはそこに居る

人生の半分以上の時を
あなたと過ごしてきた
なのに
熱病 ....
           

 あなたは夏をみる人だ
 うつむいたレースのカーテン越しに
 あなたは白い夏をみるひとだ
 窓辺にもたれながら、口をすこし閉じて

 
 花模様のレースの ....
 
 物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
こたつたつ
少し歩く
猫を呼んでみて
夜が笑う
震える身体
注ぐ月
少し酔ったふりをしながら
夢見る団欒

こたつたつ
少し歩く
転がるみかん
時計がつぶやく
じっとして
 ....
黒く世界を支配する夜の空
月は宇宙を彷徨っている
感情は深く、深く
悲しみの涙を流し
落ちた水滴は雨となり地面を濡らす

意味は分裂され
言葉は空白の余韻に打ち砕かれて
死ぬ
昨日の ....
まとまらない
まとめたくない

心 自由に泳がせて

瞼の裏の水辺に浮かぶ
貝殻は過去のぬけがら


まとめる気がない
今日という一日を
どんな糸もすり抜けていく ....
その羽毛のいちまいいちまいに
慈愛の星を宿して
その軌跡は やわらかな超越

その飛翔を見つめる者たちの精神に
降りてくる無垢受胎の聖らかな陶酔
彼の視線には光が細かく見えていた 夜が黒
く開いている時に青白い外光に筋を描く 森
の奥に連なる木々は幹だけを残し枝葉は夜に
溶けていて重ねて細かい葉を描く くっきり
と影を描く 迷い込んでい ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14280)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
終焉- 鷲田自由詩616-11-9
チャンバー内の加圧トマト- カマキリ自由詩916-11-9
_染み_- 小林螢太自由詩14*16-11-9
ラ・ルーナ- レタス自由詩216-11-9
ちりばめて- 唐草フウ自由詩6*16-11-9
生まれ出るものへ- レタス自由詩516-11-8
張り紙- 這 いず ...自由詩116-11-8
空は二十キロの渋滞- 這 いず ...自由詩516-11-8
天体とこころ_Ⅲ- 白島真自由詩21*16-11-8
マーブルは静かにとけていく- 葉月 祐自由詩6*16-11-6
葬列- 藤鈴呼自由詩3*16-11-6
黒髪を統べる- はて自由詩2*16-11-5
春は皮下に萌す- はて自由詩5*16-11-5
やせほそる銀色のおひめさま- 田中修子自由詩7*16-11-5
舞台の中で生きるように- 葉月 祐自由詩2*16-11-5
当たり障りのない蓋なんて- 吉岡ペペ ...自由詩416-11-5
_再生_- 小林螢太自由詩6*16-11-5
冬めく- そらの珊 ...俳句14*16-11-5
砕け散った- 葉月 祐自由詩4*16-11-4
いけてる- もり自由詩8*16-11-4
無題- もり自由詩1*16-11-4
きみが読む子供の本- おなべ自由詩416-11-4
再会- Lucy自由詩9*16-11-4
夏をみる人_- 白島真自由詩21*16-11-4
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
こたつたつ- 灰泥軽茶自由詩516-11-3
季節- 鷲田自由詩816-11-3
ほどいてしまおう- 葉月 祐自由詩9*16-11-3
白_鳥- 塔野夏子自由詩2*16-11-3
白い夜または群青の山の- はて自由詩3*16-11-3

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