仔犬の映像が 午後になると
  卓上に置いた梨のまわりを駆け始めた
  おもてでは雪がもそもそ愚かさのように降って
  わたしの居る部屋に面白味のない光を積もらせる
  次第に岩石 ....
  悲しい鍋は 空間のなかで軽く
  あまりに軽く 見つめているのも辛い
  ザラメじみた虚しさがいっぱい光に揺れて

  私は考え・手離し・ひろい集め・擲ち、
  気狂いになった… ....
かたつむりの まねをして
「時」をつぶしている
卒寿となった おひとりさま

臨死のまなざしとは
あの「空」のことなのだろうか

過ぎ去りし「時空」にすがりつく いま
もうあの友も そ ....
街路樹は衣を脱ぎ去り
湿り気のある白い羽衣を
その身に纏っていた


落ち葉の変わりに
視界を奪うのは
真綿のような結晶の群れ


通り過ぎる車達は
ワイパーで懸 ....
私が生まれたその日の朝に
カナリアが鳥籠から逃げて行き

音の消えたリビングルームには
黒いグランドピアノが置かれて
私の居場所は椅子の上になった

ソナチネが弾けるようになっても
指 ....
ぼくは47歳であるが、
でも本当のところは、
だいたい3歳から4歳くらいなのではないだろうかと思う、
だから、
目の前に、40歳だとか50歳だとか、20歳でもいいけれど、
そういう人がい ....
宇宙と名の付く授業は

この毎日に風穴を開けてくれる気がしたから

最後列で トランプする彼らの惑星から飛び出して

非常口にいちばん遠い席についたのに

先生、はじめから
 ....
  歌をたたむ。{ルビ耳輪=じりん}がひとつ、
  骨いろの水面をもがいて、
  ひしゃげた三日月になりそうな夜
  まだ多すぎた言葉を忙しく折りたたむ
  明日の晩 静けさのおもてに ....
幼き子を抱き上げる家族
砂浜に残された砂の山
流されて
海岸に忘れた玩具の車が
寄せては返す

クラクションが鳴り
波の音だけになる頃

ふと
あなたを思い出す

愛することが ....
夜は気が狂っていて

何もかもが支離滅裂になる

だけど

昼はもっと狂っていて

私は平静を装う    
年老いた母が
彼女の城だった台所で
記憶を失くしかけている

朝方
何気なく寝返りした布団の中で
夫婦は手をつなぐ

どちらも何も言わないけれど
悲しい時間を耐えているのだ
泣いて笑って
閃いて迷って
薔薇を買って
のけ反って跪いて
隠して隠されて
神様に隠し事して
見つかって見つからなくて
ほぼあきらめて頬あからめて
うんと産んで
うんと倦んで
詩を ....
赤いチュチュをはいた
白い花たちが
寄り添って踊る

小さなバレリーナ

踊ることは
生きていることだと
無邪気に笑う

顔を寄せたわたしの目の前で
おさなごのやわらかな手に触れ ....
家はたくさんあるのに
その家の屋根にはたくさんの鳥が集まっていた
一列に並んで
まるで会議中のようであった
それぞれが首をかしげ
うなづきながら会議をしていた
ついと一羽がとびたつと
い ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった

矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
時間が感覚している
巨大なてのひらが極めて薄くなり
眼を開く刻限を探っている
仏は舞い散っては脱皮して
柱を支える土壌に滲み込んでいく
空間が覚醒している
門の内と外は色濃く混じり合って
 ....
庭木の梢が 北風で揺れている

踊っているのか

笑っているのか

震えているのか

呟いているのか

でも  泣いてはいないよ ね
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
君がめいっぱいタバコを吸って煙を吐いた
だけど、吐き出されたのは煙ではなく砂煙だった
僕は運動会でつむじ風が起きたときのことを思い出した
空は一瞬で濁って
口や目に砂が飛び込んできて、服の ....
             161119

目覚ましを買いにゆく
半球形の鉦が角みたいに
2つ頭に付いている
クロームメッキが美しく
音も煩そうだ
目覚ましの典型的なのが
目に付いた
 ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
私は、いかにも農家の家と言える灰色の瓦屋根の実家にいる。
庭に出てみると、白壁の土蔵の蔦に絡まった美しい男性がいた。
死んでいると思いきや、ビクッと動き私は驚いた。
その動きたるや、金粉を撒 ....
唐辛子を陽に干している

ワックスかけたてみたいに
艶やかだった彼女らは
日ごとしぼみ
くすんで
ぼやき
手をとりあって
しわしわになる
光の中で
そのしわは
小さな影を織りなし ....
血管に流れているのは感情です
言えない言葉が澱になって
いつかその人を支配してしまうのです

だけど言葉を
出し過ぎてしまったら
枯れてしまうのです

ひとは
その皮膚のしたに
自 ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
包丁がなまってまったく切れず
庭に出て塀でごりごり研いできたところだ
落ち葉や新聞紙で試すとよく切れる
刃先をゆっくりと撫でてみたい気もして
それはぐっとこらえて
あらためて台所に戻ると
 ....
午後の羽の蝶が群がり
枝は一時 空に呑まれる
実は鉱に転がり 水に落ち
空へ還る空を見つめる


砂漠の火花に
鳥は降りる
そこに在ったかもしれない命の
無機と無 ....
>          161116
>
> 素敵な大人とは
> 嘘をつくのが巧くて
> 嘘だとは気が付かせない
> 詐欺師の笑顔に惚れた
> ....
36度の体温の中には均等なバランスが組み込まれている
それはまるで一段一段の歩みを形作る階段の傾斜のように
着実であり、無難である
命の装億は平然な顔をして日常を過ごしている
森羅万象とその中 ....
つかのまの休日に天使がやってきてしばし話をすると
迷走する天界のことやいま抱えている天使間の軋轢のこと

ほんとうのリベラリズムや偽物のプロパガンダの見分け方や
彼?にもいるらしい兄弟姉妹や縁 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
果皮- 草野春心自由詩516-11-26
悲しい鍋- 草野春心自由詩316-11-26
自戒(九)- 信天翁自由詩216-11-25
朝の交差点- 葉月 祐自由詩6*16-11-25
夕べの祈り- ミナト ...自由詩416-11-24
ひとりでいるために- はだいろ自由詩116-11-23
宇宙物質エネルギー- もり自由詩3*16-11-22
耳輪- 草野春心自由詩4*16-11-22
御前崎- 5or6自由詩4*16-11-22
- ガト自由詩5*16-11-22
沈黙- ガト自由詩3*16-11-22
人間活動- やまうち ...自由詩3*16-11-21
秒針のない時間- そらの珊 ...自由詩16*16-11-21
バードサミット- 朧月自由詩416-11-20
恋慕- 智鶴自由詩616-11-20
寺院- 葉leaf自由詩416-11-20
塑像(九)- 信天翁自由詩216-11-20
漂うもの- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-20
灯台- うみこ自由詩5*16-11-20
オールドファッション- あおば自由詩4*16-11-19
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
扉の向こう側- 小川麻由 ...自由詩4*16-11-19
今夜はペペロンチーノ- そらの珊 ...自由詩10*16-11-19
赤い感情- 朧月自由詩416-11-19
短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
なまくら- 春日線香自由詩516-11-17
夜へ_ふたたび- 木立 悟自由詩716-11-17
>_嘘つきの魔法使い- あおば自由詩9*16-11-17
感覚- 鷲田自由詩216-11-16
天使の訪問- 梅昆布茶自由詩1316-11-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474