この手裏剣を使いたまえ
最期が近い祖父が言った。


人生は楽しみも多いけど
悲しみだって多いのだよ。
たくさん笑う日もあれば
涙が止まらない日もある。

悲しい時はこの手裏剣で
 ....
空全体が
うんざりするくらい無垢な雲で覆われた日には
閉じ込められた花の蕾は開かない

どんな真実も
どんな正義も
振りかざされる度
刃物のようにキレイに煌めくけど

その切っ先で誰 ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
怪物は街に来るから怪物だ
無痛で流れる血
片頬にためた煩悩
等間隔のドグマ、呆れた僧侶の鈴なり


数を数えるだけのアルバイト中に慟哭する少女
つまらない口論を売りに走る馬
つ ....
吟遊詩人は謡う


戦の空の青さ
豊穣の夕焼け紅の村
稲穂流るる黄金
化生蔓延る夜の闇


吟遊詩人は謡う


みずからに流れる血
営みの鮮烈な肌
俯いた子供の涙
定めを ....
私の指先がたどった夢を
あなたは覚えていますか

それは柔らかな素肌の見る夢です
華やかな衣装の奥にある真実さえも
夢の一部だと想うのです

それで良いのかも知れません
いつも永遠に戻 ....
硬い枯葉を踏み拉きながら
散文的な午睡に遊ぶ、少年期 

定規の下の眼球、
或は乾燥花を敷詰めた球瓶装置

靴の花瓶に一輪挿の薔薇があり
田舎町――それは不安の町だが私には一抹の安寧を与 ....
ながい沈黙が饒舌をはらみ
言葉を産みおとすとき
海がきこえる。

海をついばむのは
歌を忘れて後ろの山にすてられた途端
歌いはじめたあの金糸雀でなければならない。 

瞬間という永遠が ....
俺の仇を俺が取る それぞれの想いに世界を覆う空気がマーブルに

色を成して 溶けてゆく

包まれている

 私が体験した訳ではない友人の痛み
 ただ立ち尽くしながら体中から煙に塗れるように語りかける
  ....
部屋の隅にわだかまっている未知が
目を覚ます前に、おいとまします。

降り積もる夜が、達する、前に。
僕は鞄の口を開けます。

生命のないところへ行きます。
正しいのは君たちなのです。
 ....
夜更けのキッチンの窓辺に置いてあるクロッカスの白いふさふさな根っこが揺れた

ボイルしていたエビが跳ねた

ハードボイルドな銃声に

星もわたしもたじろがない

それはフィクシ ....
紫がかった白い花を幾つか摘んで

古い白い穴のあいた小舟に乗る

湖へゆっくりと漕ぎ出しながら

細切れにした思い出は通った道に浮かべてある

穴のあいたこの舟はちょうど湖の真ん中で沈 ....
ジェラシーが食欲を奪ってくれない 遠く奥から
暗い雷鳴

生きる勢い
逃走のための闘争

自ら見ず
意識の儀式

他人の谷間
孤独な鼓動

頭たまらず
強い酔い

髄の不随意
心身の芯

命 ....
うそのそとに いつわり
うそのそとに いいわけ
うそのそとに くちがあり 
くちがあれば うそをはく

嘘から覗く虚ろな社会の本音で悪口 三枚舌で赤く丸める
嘘が強かに実しやかな ....
愛をまに受けて 焼けていく
わたしをみて
かける言葉がなんにしろ
それさえも まに受けてしまう

見える ほとんどすべてのものは 焼け
ドーナッツの穴だけが
残った
「皆殺し」

眠れないので改造しておりました
極彩色のペンチで
灰色をたくさんつくったのです
死んでいるみたいな街が
ついに
本当に死ぬ
夜の反対側で
針金みたいな警察官が
ド ....
「夕暮れ症候群」というものがある
認知症の老人などに見られる症状で
夕暮れ時になるとそわそわしはじめ
そこが自分の家であるにも関わらず
どこかへ帰ろうと外へ飛び出すのだという
ある時、そうし ....
子供のころ
とりかえっこが大好きだった
友達の靴はわたしには窮屈だったし
弟の枕は乳臭かったけれど
自分以外の人を感じる楽しいゲームだった
とりかえっこのあとには
必ずとりかえっこが返され ....
右足左足また夢が見えるまで歩こう 生きてるって
綺麗事じゃなくて
グロテスクで
情けなくて
格好悪い事かもしれないよな

だから人は
夢や美に心惹かれ
それに命を賭けることも
辞さないんだろう
 
都会の夜にまたたく星は必要だ

手をのばしても届かない それ

わたしにも、必要だ



 
西日の強い秋の日に 
燃え落ちた赤ピーマンの残骸に目をやりながら
駅前のツタヤと惣菜屋へ向かう

ジャーのご飯に合う惣菜を
ツタヤで十代に戻れる私を
選んだはずなのに
コンビ ....
きらめく街に二重映しに
廃墟が黒々と微笑んでいる
何からの自由 何への自由

星が降る 壊れながら降る
その欠片が傷つけてゆく無数の意識
何からの覚醒 何への覚醒

君はいつ泣いていた ....
キッチンのテーブルで
言葉をこねくりまわしていると
いつしかガイコツになっている
ガイコツは書く
普段の僕が言わないことや
普段の僕が知らないことや
普段は誰にも聞けないことや
普段の世 ....
はじめ名刺は刃のように
私を私から切り離した
名刺の上には私の生首が乗っていて
所属や肩書など嘘ばかりべらべらしゃべる
私は生身の人間だ
そんな機関にはまだ身を任せていないし
 ....
自転車に羽根つけて坂の多い街 家族の中にあって孤独を感じる魂が木の十字架のある教会に飛んでゆく。
縁も由もないこの教会に慰めを求める気持ちは分からない。
消えてしまいたい。
愛したはずの人達が頭の中を駆け巡り、記憶の糸は縺れ ....
凍てついた夜道で
640年前のベテルギウスの光を見上げながら
今日は星が綺麗だね
って僕のポケットに手を突っ込んでくる

見えないサソリから
ただ逃げ回ってばかりいるとても臆病な僕を
 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
この手裏剣を使いたまえ- ブルース ...自由詩9*14-12-11
無題- keigo自由詩2*14-12-11
SISAKU- nonya自由詩19*14-12-11
水槽都市- 吐水とり自由詩5*14-12-11
吟遊詩人- 雨の音自由詩214-12-11
指先- 梅昆布茶自由詩13*14-12-11
眼球と蛹- 高濱自由詩214-12-11
言葉- 草野大悟 ...自由詩4*14-12-10
俺の仇を俺が取る- 北大路京 ...自由詩514-12-10
銀河を渡る飛行機雲- 朝焼彩茜 ...自由詩14*14-12-10
2_a.m.- 梅宮迷子自由詩5*14-12-10
重星のこすれる音 - 阿ト理恵自由詩8*14-12-9
そこにある町- 北井戸 ...自由詩6*14-12-9
ジェラシーが食欲を奪ってくれない- 北大路京 ...自由詩414-12-9
命ののち- シホ.N自由詩214-12-8
うそのそと- 為平 澪自由詩714-12-8
やけのこり- はるな自由詩414-12-8
いつかみんな死ぬよ/3つの下書き- 左屋百色自由詩1114-12-8
帰りたい- やまうち ...自由詩6*14-12-8
とりかえっこ- そらの珊 ...自由詩1314-12-8
右足左足また夢が見えるまで歩こう- 北大路京 ...自由詩314-12-8
グロテスク- 渡辺亘自由詩414-12-8
必要だ- 殿上 童自由詩19*14-12-8
正体- 為平 澪自由詩12+*14-12-7
奇妙な祝祭- 塔野夏子自由詩6*14-12-7
ゴーストライター- やまうち ...自由詩614-12-7
名刺- 葉leaf自由詩314-12-7
自転車に羽根つけて坂の多い街- 北大路京 ...自由詩414-12-7
悲しみのエチュード- ヒヤシン ...自由詩9*14-12-7
<はるか>- nonya自由詩16*14-12-6

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