生まれおちたその日から
ラストページには
死という文字が書かれています

毎日頁をめくるたび
結末は知っているのだけれど
あえて忘れたふりをします

忘れたふりをしているうちに
ほん ....
息深く下げ、 古路辿り水、ゆるやかに分けいる峡谷の
蝋梅白く、梟に響く鐘

(手車の弾かれたる銀繭に
水ひけども乱れシテ舞うゆびさきの糸たぐらえば金散りぬる衣ずれに
秘スレバにほ ....
 
身体の傷を治すのに
薬を使うように
 
心の傷にも
必要な治療があるの
 
大好きな歌で
 塗り薬を塗って
心打つ言葉の
 絆創膏を貼って
愛する人の声を
 点滴しながら
 ....
君は大きな氷です
僕は君を溶かして暖めてあげたいのに
君は冷たく僕を突き放します

あるときは優しく接しておいて
少し距離が離れたらもう僕に用はないんだね
それでも冷たい君を溶かそ ....
私に触れて あなたの指で

私の痛みを 呼び起こして

癒しはいらない

そっと傷口を撫でて

やすらかな痛みをください


1218
がんばりんさい きばりんさい
けれど ちからを ぬいてきばりんさい
どうしても 我慢ができんときは うちを おこりんさい
あんたになんもしてやれん
あんたの出すもんを うけとめて
 ....
竹のように のびました 手足
それはそれは すくすくと
あなたの引く弓は
あなたのように しなやかです
あなたは的を射抜く人のように すずやかです

きようも笑ってます
トムとジェリーを ....
ぼくは愛を信じるよ
例えそれが腐乱したものであっても
本当の愛の遺体なら
ぼくは喜んでそれを食べるよ

綺麗事に聞こえるかい
絵空事に想えるかい

ぼくはきみにも誓ったはずだ
絶対に ....
薄氷の花が川を流れていくところ

空中の水蒸気が凍って きらめいていくところ

丘に積もったパウダースノウに 風が お絵描きしていくところ

雪の下では 動物たちが丸くなって眠っているとこ ....
ジミ・ヘンドリックスは「死んだら一生安泰だな」と言ったそうだが
私が彼を知ったのは
とうに伝説の人になってからだった。

ホイットニーヒューストンの歌をよく聴いていたのは
たぶん三度目の恋に ....
地下に埋設された暗渠の中には
一条の光も届かない
真っ暗闇の水路を
とうとうと水は流れていく

行くあても知らず
後ろから後ろから 押しだされて
暗渠の中を盲目的に進む水
ここから抜け ....
ねぇ いつまでも拗ねてないで
正直に話し合いましょう
嘘 誤魔化し 意地っ張りはダメだよ

どっちが悪いかじゃないの
ケンカはひとりじゃできないんだから
ふたりとも悪い所があったはず

 ....
若者たちよ
もっと?未来?に手を伸ばしておくれ
部屋の中に閉じ籠っていないで
広い世界で呼吸をしようじゃないか

君たちの大好きなゲームは
確かにリアルよりも安全で楽しい
何度死んでもリ ....
{ルビ汚=けが}れに{ルビ雪=そそ}ぐ
{ルビ咎=とが}に{ルビ雪=そそ}ぐ

{ルビ汚=けが}れは溶けて
{ルビ咎=とが}は溶けて
{ルビ垢=あか}は溶けて
一緒に溶けて

愛を注ぐ ....
肩に山羊を乗せたまま
二十年前の話をする

うん
ははは

積もる話が山になって
彼女が微笑むと花が咲いた
水に流した思い出が魚になって
彼女が流した川を泳ぐ

ため息の後ろに
 ....
一つあれば十分なのだが
二つ三つあれば
何かあったときに
安心だから揃えてしまい

ただただ
綺麗に使わず
とって置いてあるだけなのだが

虚飾に満ちた
幸福感にじわっと
武者震 ....
やけくそになった時 何がしたくなるか?
鏡の向こうに住む 男に聞いてみた
奴はこう答えた お前と御同様
欲しいのは自分を 変えてくれる薬だぜ

町の空はビルに塞がれ カラスの群れがゴミを漁る ....
地上で使った資料の多くを海の藻屑にする



書斎は浅い海の底
侵食された岩の本棚に
小さな貝が貼りつく
整理された書斎には
イソギンチャクや
蛸や珊瑚が棲みつく
海面 ....
たくさんの呼び名を持つ人がいる
あなた
あいつ
あのやろう
あの人
旦那
主人
名前で呼びたくなる時のあなたは
やさしい顔をしている
名前で呼ばれる時の私も
たぶんやさしい顔をして ....
生まれたばかりのころは
世界と自分との間に
境界線がまだなくて
自分が誰かなんて
どうでもいいことだったのでしょう

そのうち
自分の そとがわが
出来始めると
この なかみは
自 ....
 +
がちゃがちゃを回すときのわくわく

のどを駆け抜ける炭酸の刺激

あめの歌、ギターの弾き語り

どなり声、罵倒、愚痴、傷

そんな健康的な恋がいい


 +
柔らかいだ ....
ほどほどが欲しい

ポタポタ滴る水がコップをいっぱいにするように
ゆっくり、確実に、注いでいけたら
横取りしていく渇いたランナーを怖がらなくていいし
急に溢れ出して倒れてしまう君を見なくても ....
赤いメトロノームが死んで
青い空に溶けた
灯がともり
薄明かりの朝は目覚めた

地中深くからの冷えた手
固い岩盤の協奏曲
大地は緑に染まり
花は変わらずにまた咲いた


寒さに凍 ....
  最後だから笑った
  夏の日のあなた



  帽子をとって
  強すぎる陽差しと
  埃を纏う風を浴びて
  長い髪をそっと押さえ
  頬をそめて笑った
  誰よりも ....
いつ死んでもいいよねと
得意げに話してる友達と私は
まだ動けるうちにと
世界旅行を始めた

最初は紙で
それからインターネット
英会話にワクチン
パスポートも更新した

いつ死んで ....
いつからだろう
わたしがわたしに
なれてしまったのは

やわらかなしかくい世界で
まるくなったとしても
とがってみたとしても
しか ....
希望を亡くす時
人はゆっくりと死んでゆく

希望を持つ時
人は急速に蘇っていく

人生を希望の方向へ
勇気の方向へ
持っていきたい
いつもお日様に顔を向ける
向日葵のように

 ....
仕事帰り,
夕陽を背中に向かうのは
いつものスーパー。

切らしていた調味料を見つけ,
手を伸ばしたのは
いつものサイズ。

でも

ここに居る間には使いきらないな,
とまた棚に ....
世界が
平面だった頃
心にあったのは
数字でした

数字たちは
穏やかないでたちで
私が答えをみつける数式の道々に
ほほえみ
見守るように
友達の顔をして
たたずんでいました
 ....
こころの底から
ありがとうと
言いたい時があった

こころの底から
スミマセンと
謝りたい時もあった

こころの底から
頭を下げたい
そんな人がいた

こころの底から
好きだ ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
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小さな友達- そらの珊 ...自由詩6*12-2-14
こころの底から- 浩一自由詩112-2-14

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