月子は、私の母のことだが、死ぬべきである
私は川沿いの円環を下り荒れた祭壇、
八百万もいれば中には中々に信じがたい神もいて、呪いを司る針金虫の神の祭壇に
軽く手首を切る


月子は海に行 ....
ベンチよりも
ブランコがいい

想いきり漕いで空まで行けるかと錯覚し
失速して引き戻される

そしてまた反動で舞い上がる
思いもよらない高さまで

雲梯をコツコツのぼる握力も根気もな ....
   *

 ハナニアラシ 花にまつわる文法についての挿話 送り火がまわる芒原の果てでホールデンを幻視する鰥夫の男 発熱のやまない室で、氷水が爆発する深夜 仔牛の肝臓を輪切りにする作業のな ....
美しいのは
ぼろぼろだから

逃げて
隠れて
捕まって

ひたすら殴られ
また逃げて

見つからない私の心は
空にでも海にでも
隠れてしまったから

いつしか
南も北もな ....
晴れた日の海のような青
遠い島まで泳いで行けそうな空

台風の落としものを拾う子ども
背中には
期間限定の羽

台風が去った朝に
台風の行方を考える
身軽なようでいて
実は
ひと ....
  順々に
  液状の名詞が
  格子に垂れてしたたる
  世界のおおよその大きさが
  張られている 複数の 頭蓋
  額縁にぶつかり 欠けてしまった
  顔のような 意味

 ....
周りのみんなが眠っているのに自分だけが目覚めている夢を見た
起こそうと呼んでも誰も返事をしてくれない

窓の外で陽射しだけが明るい
いびきが響くま昼間の午睡

眠っている大人たちの間に身を ....

















娘達はそれぞれの朝を淡々とこなし
不可解な冗句に化身し消えてしまう






え ....
AM03:09
開けるべき扉を失くした鍵が
中空で揺れている

意識に垂れ込める
半透明の暗い流体

AM04:23
中空の鍵は
かぼそい声で祈っている

薄紫の波が
幾枚か水 ....
ふるさとみたいな
おなかのつめたい石に
雨が降る

チャコールグレーの傘をさした
すぎやまくんに
水溶性の雨が降る
溶けていくね
好きだったのに

ほんとうは存在していない ....
抉り取られた枝、から
予告もなく傾いていく
網が からめとる とられない
誰かの手紙が捨てられて
落書きばかりにうんざり

ひさかたの果実にうつつをぬかす
転がる、ひかり、分散、なつのひ ....
ホームで見上げる架線の五線譜
トンボの音符が泳いでいた

雲のト音記号のとなりに
カラスの休止符が舞い
壁の時計はフェルマータ
パンタグラフはデクレッシェンド

発車を告げるアナウンス ....
私は
ぱっくりとひらいた、むきだしの
乾きと血と脂の湿りと
ほぐされることない鋭敏な
線のからまりからなる

触れれば刺し
眼差せば響く
悠久の吐き気
締めつける雨を
食いしばる ....
古い文庫本の背表紙に
張り付いて煎餅になった蚊の
周りに描かれた茶色い地図は
それを読んだ誰かの血


まだ賑やかだったころ
白い箱を置いてアコーディオンを弾いていた
片脚のない白 ....
 

部屋の灯りを消し カーテンの隙間を覗いたら
霧に滲んで電線にひっかかっている
ミカンの房のような月がいた

おやすみ 泣き虫の月


夜の周縁を震わせて
電車が横切ってゆく
 ....
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音 ....
人がいなくなった庭は
草がぐんぐん伸びて
かつてその地に眠った心臓のありかを隠した
もう探し出せないし
探そうとする人もいない
よく見ればブルーベリーが細々と実り
小鳥が集う楽園になった
 ....
縁側に座り西瓜を食べながら
その黒い種を口から飛ばす
黒々として立派な弾丸は遠くまでよく飛んだ
白くて未成熟な種は気がつかずに食べてしまったかもしれない

夜、蚊に刺されたあとをかきながら
 ....
茶色く疲れ果てた蔓の途中で 朝顔の紅は
夏の追憶の中に留まろうと もがいている
枯れ急ぐ葉に抗う 小さくなった花は
冷えた朝露に濡れて うなだれる


永遠への憧れは たそがれて切なく
 ....
妹よ 夕暮れの卓袱台にまごころがなくなり説得しか残らないのは淋しい
りかいしないままりようしようとしないでおくれ


日がな
海水浴に
明け暮れる
まだ胸のない妹よ

淡水学派と海水 ....
    冷蔵庫のなかに
    あなたがいる
    夕べの寝顔そのままに
    たまに取り出し
    話しをしよう
    言えなかった
    ひとことも
    ....
理性的に生きている人なんて
地球上にはいない
自分とおなじように
欲望は果てしなく
ひたすら楽観的な野蛮人ばかり
小さな液晶のまどから
ひっきりなしに
逃避アルゴリズムを
見つけ出 ....
無口な口を縫いつけましょう
言葉は如何にも無粋ですから

帽子をかぶせた
 宇宙がかくれた
  はばたきながら
   地球は夕暮れた

だから、ね……

   蚊がうるさいよ
  ....
夏の夕暮れの
そこは片隅
母の白い指のすきまから
転がり落ちた
ひとかけらの氷のゆくえを追った

蝉の声が遠のく
逃げていく蟻の触覚
氷は崩れ、いつか傾く
音もなく
あとかたの水
 ....
  
         
叔母さんのお葬式の日
その娘であるいとこが言った
お棺の中に手紙を入れてもいいんだって
良かったら 手紙を書いてくれない?

控え室に便せんとペンが用意されてい ....
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ

ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する

部屋のAI ....
おととい 小さなせせらぎを見つけて
家に帰ると
網戸に黒い揚羽蝶がとまるのを見つけた
そして
蝶も私を見つけた
気配の優しさ
遠い記憶の静かな切なさ
完璧な蝶の姿で
再び会いに来てくれ ....
疲れ果てて目が覚めたのは
眠っている間によほど遠いところまで旅してきたからかもしれない

虚脱した魂を空っぽの器に見立て
ピクニックのお弁当のように
ひと品 ひと品 飾り切りして詰めていく
 ....
 シャワーを浴びて 言葉も浴びて そして忘れて
 この脳に記憶させることを 真底諦めたよ

 常日頃からのキャパオーバーと対峙した時の哀れの泡は
 口から出たんだよね?

 九つの性質 ....
 高台から遠浅の浜を眺めると波の照り返しには目が眩む。
鰯の群れを追いかけて飛沫をあげるスナメリが、
                    ハセイルカの一団を連れてやって来た。
小屋の喜三 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海へ、それが寄生虫の意思だとしても- useless自由詩721-10-12
ブランコ- Lucy自由詩5*21-10-2
花に嵐- 中田満帆自由詩421-9-28
冬枯れ- TwoRivers自由詩4*21-9-26
茄子の花- そらの珊 ...自由詩13*21-9-20
格子- 草野春心自由詩521-9-16
午睡- Lucy自由詩5*21-9-12
三角錐上の柔らかな球体- 三明治自由詩221-9-9
未_明- 塔野夏子自由詩2*21-9-9
水溶性の雨- 自由詩17*21-9-4
夏至祭は終わった- 帆場蔵人自由詩521-9-2
プラットホーム- Lucy自由詩2*21-8-30
- 凪目自由詩121-8-26
アーケード- 藤原絵理 ...自由詩2*21-8-23
おやすみ- Lucy自由詩9*21-8-20
からさわぐ煙- 凪目自由詩621-8-15
青空オルガン- そらの珊 ...自由詩9*21-8-6
西瓜な季節- そらの珊 ...自由詩9*21-8-2
夏は- 藤原絵理 ...自由詩3*21-7-28
妹よ- 末下りょ ...自由詩7*21-7-26
西瓜- 石田とわ自由詩4*21-7-18
フロッグピット- ナンモナ ...自由詩3*21-7-9
巣ごもり- 帆場蔵人自由詩221-6-25
氷流- そらの珊 ...自由詩9*21-6-25
手紙_________─_人を悼む_─__- Lucy自由詩7*21-6-14
離島の夏- 梅昆布茶自由詩2121-6-14
再会- そらの珊 ...自由詩8*21-6-3
朝のうた- Lucy自由詩421-5-27
瞳から地球を零す- 朝焼彩茜 ...自由詩321-5-24
底のない浜から- アラガイ ...自由詩12*21-5-17

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