貴方に参ったと言わせたいが
荒れ地に種も蒔きたい
二重の線で消したいが
全部薬だと知った

名前を与えてしまったら
その瞬間から傷口が広がる
紙の埃を吸い込んで
苦しいから文字は踊る
 ....
ありったけの善意が
満ちていた画面
だれもがいいヒト
でいようと必死だった
みんな
自分自身の状態に
満足し
あきらめが蔓延し
死の匂いは充満した
弟が
ぼぼぼくがお思うに
詩詩 ....
何故惹かれるのかわからないので、私は引き金に指を掛けています
何故私のものにしたいのかわからないので、さっきから扉を開けています
わかってしまうことからずっと逃げているのです
私は泥棒です
貴 ....
神話になぞらえ視界をねじり
燃焼する画角から身を伏せる男
口笛と銃痕を残すように
霧の中から淡い筆がきて
何もかもを塗り潰す
腐れるあらゆる匂い

精神分析医は語る
線と色と画触のフォ ....
海底の都市から見上げた空に
着水する紙飛行機が
ひろげる波の敷布と
雨だれがからむ

おおきな口で
迫るもの
不意に肩をだきすくめる
水草の気配
ここでは誰もが作曲家だから
ことば ....
  あらい浪が
  きみの肌のどこかで
  弔われている 私たちは
  擁きあえる 芒の原にこぼれる
  月影に這わせた 指のふしの奥で
深夜
誰かが窓を叩く

マンション11階
泥棒にしては行儀がいい

盆はまだなのに
誰か帰ってきたのか

そっとブラインドの隙間を覗くと
命を懸けて
光にたどり着いた甲虫だった
 ....
私の骨を粉々に砕いて、撒いた
丁寧に幾度も叩いて粉々にしたので
さながら机上にのみ立ち現れる楽園の一片
真白い砂浜の一掬いのようだった

私を制御しきれない時間
私という生き物について考え ....
一.


よくないものを
無知で繕うと
いいもののようにみえた



汗にふちどられて
境界線が消える




二.


問いへ向かう旅

解1・(虹はなぜ虫 ....
音楽とビールではじまる
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
予告もなしに晴れわたる青に
長閑にニンニク刻めた空き瓶を並べ
とんがらし叩きながら踊る

一旦ソファに沈むといい
泡のように ....
波打ち際の賑わいに飽きて
少し沖へと泳ぐ
足が地球に着かなくなれば
急に独りが押し寄せる

海は突然生き物になる
いくつかのうねりを助走にして
高くそびえ立った
生まれたばかりのその腹 ....
ケ、
チャップは、
嵐の夜、
電動自転車に乗って
ポマードの匂いのする
男同士の海とサンバを踊る
ケ、ケ、
チャ、チャップは、
エアリンガスのエアバスA320にロッテ
スンドゥブチゲ ....
ゆびとゆびを十字にからませ
空をうけとめる傘の波動
ほのおを消すたび
交差点でくるっと回った

遠くにあるように思わせて
ちょっと手をのばせば届くところに隠す
山鳥の歌声を学び
生来の ....
雨の下で
傘を広げたように
誰かを待っている

桜みたいに
浮気をしないから
風の通らない道が好きで

遮断機が降りる時の
四角い写真に
いつか映りたいと願う

恥じらいを知る ....
わたしの父は
永久を積み重ねた石柱
わたしの母は
古典をゆるがす門
あらゆる角度で加速する渦

居なかった弟
それは脳で発光した電流
欲しかった姉
それを受けとめる海
ひろがる雲と ....
地平線のむこうに
ひろがるのは茫漠
その水平線から
さらにひろがる
上もなく
下もない
前も後ろもないという宇宙へと
触れているのだね直に
きみは左腕で石腎をつかみ
わたしも右腕で力 ....
光の文字を裏返し
水の警笛 真夜中の息
窓をすぎる 蛇の横顔
墨の季節 矢印の季節


朝も午後も夜もなく
曇りの音に満ちている
ひらくことのない雨の手のひら
冷えた ....
海が果てまで引いてしまった砂浜で
音が空白に吸い込まれてしまった砂浜で
命が香りを流され尽くしてしまった砂浜で

呼ばれてもいない
道化師がひとり
断絶から浮かび出る

世の中から剥が ....
情景は語彙を求めていたが、それはただ、うなだれて瞼をとじていた
季節は何度も密会を続け、新しい季節が生まれ、産毛を生やしている
空気の隙間を鵯の鳴き声が斬り裂いていく
列島は黄金色に包まれている ....
深呼吸して目眩につつまれ
手近な柵にしがみつく
両肺を染む芳しい毒素
むらさき色に染めあげた
絶え間ない恍惚にいざなう、十年ぶりの/帰郷、敗散/執着、
慨嘆/それら懐しいひとときの必要にせま ....
春は淡い
命がそこかしこに生まれては散る
風はそよぐ
樹々の葉がさざ波になる
風と水は似ている
そうかな
そうだよ
どちらも掴もうとしても掴みきれない
手のひらを開いたとたん
そこは ....
鏡に映る自分の顔
波になってる
とがったり、へこんだり
波は暴れ
岩壁にぶつかっては散りぢりに
無数の泡になる
泡つぶなのに貝の真似
可笑しい
悲しい
どうせなら
虎の真似
甲虫 ....
にんじんを刻みながら
風のみつ編みをおもう
それは水面をふるわせ
はげしく雨を叩き合せる
老女につかまれる
ほそくて
ながい
時のすがたを知れる

おしゃべりなちえの輪
ま綿の花束 ....
夕食のときに誤って
傷つけた口の中が傷む
悪態が脳裏で曲芸飛行を繰り広げる夜
ラタンの椅子の上で一対の飛蝗が
遺伝子を残そうと試みている

呪縛から解き放たれた
そんなものになりたか ....
room

おばけのいない部屋で
ただ古くなっていく手紙
埃が不在をあらわしてはいるが
ひょっとしたらそれは
私から君が
朽ちて無くなるまでのオールド・スリープ


letter
 ....
雨が降りそうだからこうもりを持っていけ
出がけにそんな言葉をくれた人はもういない

傘のことをこうもりと呼ぶ人はもういない
雨に打たれることを案じる人はもういない
雨に打たれたことのある人は ....
どこかに
負の生命体が惹かれあう
磁場があるのだろうか

変化の胎動は
終焉の胎動でもあり
虫が先々を急ぎ
蠢きだしていたのだ

狡猾な罠に気付かず
煌く夢におびき出され
重鈍な ....
いつもだったら
爪切りで刈り取ってしまうのだけど
うっかりしているうち
それが
ニョロニョロになってしまったので
育てている

明日を思いわずらうなと
私の人差し指の先に生えた
ニョ ....
満ち足りた空虚、真空が同時に充満でもあるという逆説 ─



めくるめく露出した壊れやすい肌をめぐりゆく眼差し 二つの柔らかな暗礁のあわいが引き起こす動揺と
同時に
爪先に打ち寄せるこ ....
山育ちなので 傷は自分で嘗めて治した
月がしだいに瘦せ細り また少しずつ太るのを
薄目を開けて時々見ながら
朽ちた倒木の根元の洞に潜り込み
飲まず食わずで幾晩も

痛みは知りません 傷つい ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
件名瘡- 妻咲邦香自由詩422-10-3
「サン」3分- モマリサ ...自由詩4*22-10-2
不可思議- 妻咲邦香自由詩222-9-26
ピカソ- soft_machine自由詩122-9-12
海底の空- soft_machine自由詩322-9-6
肌_芒の原- 草野春心自由詩422-8-14
幽霊の旅路- ガト自由詩3*22-8-3
祝福- 来世の自由詩422-7-30
断片集「ト書き」- 簑田伶子自由詩6*22-7-25
叔父さんのパスタ- soft_machine自由詩322-7-24
夏の泡- そらの珊 ...自由詩9*22-7-13
ケ、チャップだけのナポリたん- atsuchan69自由詩5*22-6-28
六月のうた- soft_machine自由詩222-6-23
紫陽花- ミナト ...自由詩222-6-22
おんがく- soft_machine自由詩122-5-22
六月- soft_machine自由詩222-5-17
花と終わりの迷路- 木立 悟自由詩222-5-12
道化師- 宣井龍人自由詩4*22-5-5
四月最後の静かな朝- 山人自由詩6*22-4-30
毒_という- soft_machine自由詩222-4-29
赤いちりとり- そらの珊 ...自由詩15*22-4-16
むじな- 凪目自由詩422-4-16
湖畔にて- soft_machine自由詩3*22-4-10
すべてが所詮は呪縛という名の遊戯であるのなら- ホロウ・ ...自由詩2*22-4-5
rainy- あすくれ ...自由詩922-4-4
蝙蝠- そらの珊 ...自由詩822-3-28
変態- 山人自由詩6*22-3-28
ささくれ- そらの珊 ...自由詩11*22-3-26
あこがれ- 末下りょ ...自由詩2*22-3-2
水脈- Lucy自由詩1422-3-1

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