温もりを下さい
体内に流れる血を感じたくて
赤ワインを空ける
表面張力の隙間から
記憶達が零れ始めて
切ない

カーテンを開けたら
レースの向こうに
やわらかな日差しが広がる
 ....
町に出る
屋根の赤い銀の車で
赤子が泣く
屋根の黒い黄色い車に

 ごま塩頭が足を組んで
 ウインドウから通りを振り返る

汚れた風が初夏を吹きわたる
新しい靴を買おうか
まだかか ....
形のない監獄と非指向性の銃弾
逃げた先はモノクロームの図書館
居心地の良い立ち入り禁止区域

天井が無いので雨が降ってきて
本は濡れ言葉が水に溶け出した
図書館は巨大な水槽になった

 ....
誰もいない小川に
僕が 釣り糸を垂らしていたのはいつだろう 小川に
冬のある日 釣り糸を
しかし冬の日に小学生だった 僕は一人だった 


だけど 今でも僕は川に釣り糸を垂らしてはいる ....
皮肉をいわなければ死んでしまう貝があって
それはそれで良いだろう

まっすぐな誤解はいつも答弁を
許してはくれないから
せめて僕を許してくれないか

家を売らなければならないヤドカリ
 ....
暗く清い女の子だった

こんなに、水のように柔らかい裸足では
どこへも逃げだせないだろうと思っていた

彼女は星の連なりを蹴飛ばし
夜の幕を裂いて、去った
綺麗な笑顔の残像は流れ星のよう ....
ばかやろう。
掛けていた布団を蹴っ飛ばす。

揺れるカーテンに隠れた化けネコ。



4月の昆虫くさい風は
命の匂いなのか。


新しい命。と
握り潰された命。


乾燥 ....
 寂し気な横顔に紅玉の涙。
 野良犬の遠吠え。
 都会で感じる孤独。
 湖面に広がる波紋。
 雪解け水の流れる小川。
 都会と田舎の狭間。
 煙草で補う時間の浪費。
 尖った神経の矛 ....
真っ赤な花は
咲いたまま落ちた
だれもそれを見ようともしない

真っ赤な花は
落ちたまま咲いている
落ちたことなんてどうでもいいかのように

背筋を伸ばそう
空に引っ張られるようにし ....
 花はみずからを

 最もか弱い葉であると思って散り

 多くの葉は我が身こそ
 
 逞しい花であると思いつつ繁る

 樹はそれを黙って哀しみながら

 春が花を愛で 秋が葉を罰す ....
鳶がとび回る冷たい空は灰色です。

大きな声で言ってはいない。
イヤな人がいて
言葉はホログラム、清潔で、
ちいさな血のようなものが
ヤスリで間引かれる瞬間の悲鳴、
墓場までも ....
やがて宇宙が滅びることは数式に証明されちゃったらしい
終末のラッパはとっくにわたしの中に高らかに吹かれてた

人も言葉もすべては星の爆発の灰燼に帰すのかしら

いえ、きっと
書かれた人読ま ....
父母が買った墓を見に行く

高台にあるそこからは
海が見渡せ
なんのわずらいもない風が吹き渡り
小さな飛行機が雲間に光る

このお墓に入ったら
この景色を見て暮らす、という母に
いい ....
沢山の猫たちが集まるカフェテラス
我が部屋では 時代遅れのラジカセや
パソコン置き場になっているパイプ棚が
時に彼等の遊び場となる

引くと点いたり消えたりする電気コードも
座ると心地 ....
ポエジィは

石ころの中に
隠れていた

子どもの頃に
草地から
抱えて運んだ石を
ふと
パカんと割ってみてみたら

沢山のアンモナイトが
泳いでいた

大昔の海と草原 ....
いのちを挽いている
音がする
林檎を剥いたら
もういちど飛べるかもしれない

鳥は
鳥という記号に
耐えているわけではない
人は
人という記号に
耐え続け
そのため
もうながい ....
とても快く疲れているのでこのまま眠らせてください
このまま死んでしまうかもしれない
このまま死んでしまえたらいいのに
疲れに救われて

雨に撃たれ
陽射しに焼かれ
粉末になって風に融けだ ....
くしゃみが出そうなほど明るい日差し 
塀を飛び降り路駐の車の腹の下にでも
潜り込みたくなるような午後

どの家の狭い庭にも
クロッカスがガンガン咲いて
クリスマスローズの蕾が気取ってほころ ....
また春がきた
あたたかな陽光に
透ける新緑

新たに芽吹くものたちの息吹き

生まれかわることのない

私のまわりで
霧雨と、海の匂いと薄い雲
みどりの針
風向きを解いている


世界は、計算するあてもないかのようです
厳しい風雨に擦れた跡を渡ろうとすれば

みどりの針がいっそう震える
道を忘れたの ....
 桜舞い散る晩春の朝だ。
 風は未だ冷たく、貴女の頬を赤く染める。
 故郷の庭では椿が咲き誇る。
 ストーブの上ではやかんが湯気を吹いている。

 頬を染めた貴女はいつしか私の手を握る。 ....
 新しい明日を迎える為に今日という日のスーツを脱いだ。
 街角の雑踏、裏通りの饐えた匂い、散乱する生。
 風のように過ぎてゆく時を眺めると、欠伸が出る。
 今日も懸命に生きた。

 充実 ....
桜の花びらが散り尽きてしまったら
なにが起きるのだろうか

今抱えている不安すべてから
解き放ってくれるだろうか

一歩前に進むことはできるだろうか

桜の花びらは冷たい

無数の ....
慣れるまでは息苦しかった
耳も痛かった
けれど
目の前の他者との間に
いい感じの距離感が
だんだん心地よくなって
バリケードの裏に立てこもっている感じ
言いたいことなんて
言わなくてい ....
なんだか空気がやわらかい・・と思ったら、
雨が降り出している
こんな夜更けに
私は詩を書こうとしてパソコンに向かっている
何も書けないならこのまま雨の子守歌聴きながら眠ろう
そうだ眠ってしま ....
身の回りの、色を
表現したくなると
春が来る

過去の、自分の言葉で
火が灯る
ほうほうの体
で、海馬を片付ける

気障、な
気候が「せっかく」を多用する
か、ら
 ....
朝の光を浴びて
少しぬるみ
世の中のさかさまの文字を
投影している
硝子びんの中の液体の揺らぎに
ひと瓶飲んだら死ぬかなと
たずねても
答はみんなさかさまだから
解読できない
プリズ ....
 ピアノの音に重なるように朝の気配を感じる時、
 私は私の半身と共に旅情の只中を彷徨っている。
 頭と心は信じられないくらい透明で、
 静かな人の温もりは優しさを帯びている。

 自然の ....
雨のあいまに
雪は三度、降る

微熱をはらむ毛布を払い
寝巻きのまま
もう一度目覚めたら
絶望に一歩近づくということ。

(雨にうたれる準備ならできている)

魚の欠片を口に運ぶ
 ....
いろいろなものが足りない子供をみました
それってどう思う?
母がきいたので
だますよりもだまされる側でまだよかった
私がいうと
そんなのきれいごとだ
母は怒ったようにいいました
その母も ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
コルクのときめき- 藤鈴呼自由詩1*18-5-2
初夏- オイタル自由詩318-5-2
18になる私の回帰的独奏- 氷鏡自由詩218-5-1
釣り、夕暮れ- 番田 自由詩918-4-30
南街のうた- 梅昆布茶自由詩818-4-30
喉もと- 印あかり自由詩718-4-29
化けネコの怨返し- 水戸 う ...自由詩5*18-4-28
再起- ヒヤシン ...自由詩4*18-4-28
椿- 朧月自由詩218-4-27
__渦_- ハァモニ ...自由詩5*18-4-27
泣き出しそうな、墓標- 秋葉竹自由詩318-4-26
葉桜の数式- 田中修子自由詩10*18-4-23
トランジット- そらの珊 ...自由詩16*18-4-22
CATS- 藤鈴呼自由詩1*18-4-21
パレオパラドキシアへ- たこ自由詩318-4-21
滑車- 伊藤 大 ...自由詩418-4-19
アスファルトの上の蚯蚓の唄う- Lucy自由詩6*18-4-19
すすけたヨモギ猫のうたう- Lucy自由詩10*18-4-18
切り株の歌う- Lucy自由詩11*18-4-17
防護林- 渚鳥自由詩4*18-4-16
幸福~晩春の朝に- ヒヤシン ...自由詩4*18-4-14
見えない明日- ヒヤシン ...自由詩3*18-4-14
冷たい桜の花びら- 坂本瞳子自由詩2*18-4-13
マスク- Lucy自由詩6*18-4-11
長い間、雨が降るのを待っていたのかと思えてくる- Lucy自由詩5*18-4-10
ファウスト的衝動。- うわの空 ...自由詩518-4-9
除光液- そらの珊 ...自由詩19*18-4-8
岩手の村、夜の街- ヒヤシン ...自由詩5*18-4-8
雪景色- 伊藤 大 ...自由詩8+*18-4-7
欠落- 朧月自由詩118-4-6

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