新しい靴とスカートで行くからさ 君よ、どうか、汚してくれたら

十七時取り残された公園でまだ揺れているブランコひとつ

想像の綺麗なナイフ握りしめいざ飛び込まん君の懐

このコートまだ時期 ....
午前四時と五時の間で世界は更新されている

深夜帯を泳ぐ
腹の膨れた子供たちの
ざわめきが 液晶越しに
蜃気楼のように 揺れている

更新ボタンをクリックしても
残像はどんどん ....
ジーンズの色が落ちるように
あなたの気持ちが誰かに移る
冷静な自分で食い止めていた
さよならに沈む明日の島が
人気のない寂しさを生んで
会話に釣り銭を求めている
あなたがいないから
ポケ ....
抒情という故郷にはもうかえれない
父母を墓苑に棄てた罪状は計り知れない

閉ざされた街に住むと
誰ともつながれないようになる

パッケージされた夕食が配信で済んでしまうのなら
目玉焼きと ....
アラームの数分前に目が覚めるのは
朱色青磁って名前の守護霊のおかげだということに
人生で初めて気づいた

睡眠中にアイデンティティフィルターの書き換えと
朱色青磁との作戦会議をしている
 ....
大きな空と 大きな山を見た
幾何学模様を合わせたような 目を細めて時間軸を仰ぐ
私と人類の記憶に滞る しんと降る空気が浮く 
説明する辞書がない
この大きな空と この大きな山

私の瞳にお ....
神の指で巻かれたゼンマイは軋み
石刀で標された暦が螺旋状に印され
メスで切り裂いた細胞のそれは
分裂を繰り返し体系化され
天の川の白い流れ惑星また小惑星
思索や憶測を遥かに超えた真理は
啓 ....
あのひとはやみに閉ざされていたころの
北極星
もう去った
気配だけが

ことばにつながる みち が幾らでもあったことを

まだわたしはひとではない
ひとであったことはいちどもない
こ ....
 
 朝の生ぬるいミルクは狂者に揺れる鏡

それは夢と希望を織りまぜた苦い蜂蜜の跡
 
        急ぎ足に躓いた 襟巾の呼吸が

今日も樹海を彷徨う亡者の影が     みえてくる
 ....
私は魚ではなく
人だから

海は
陸とつながってる部分が
好きだ

見渡す限り海だけの映像は
空恐ろしい

そこに岸があるからこそ
安心して美しいと思える

そして
岸から ....
遠い所からやって来る人は
帰らずにいてくれるから好きだ
夜を渡る猫じゃらしみたいな
タバコの煙であなたを知るの
尻尾は流れるように赤くなる
じぶん座流星群を降りて行き
慣れない匂いの中で呼 ....
イタドリ
への呼び掛け
イタドリ
からの応答

脳内に再現を試みる
すると現れる
囚われる
熟語
観念

繁茂
群生
侵攻
旺盛な生命力
厄介者

文字を消去して ....
街が抱いてくれない
寂しい午後でした
私は音符みたいに
橋の欄干で休んでいます
俯きながら
孤独と闘うために
黒い鍵盤を叩く人を
待っていたのに
ひとりでいることは
裸を見られるよう ....
北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった

若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった

鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く

 ....
毎日つけているつがいのマスク
人間でいえばもう80歳くらいだろう
一日交代で洗っては干し洗っては干す
135回くらい洗っても毛羽立たない
どんどん肌になじんでいく
ほつれがないわけではない
 ....
瞼のおくに
鼓動がやどって
かなわなかった祈りも
血肉となって
いつか
癒える日を
ゆるさないでいる

それぞれの
さいはてに立って
白い旗をふる
くさはらのそこここは
まあた ....
つよくなでて
もういわないで
そらがわれたみたいです
わたしもそうおもいます

はやくなでて
もういかなくちゃ
つくりかけのこころです
わたしもしっています

まどがらすをふいて
 ....
 殻光る
 殻光る
 アブラナの
 葉の裏で
 すっくと
 立った
 米粒が
 濡れている
 光っている
 きらめいている

 殻光る
 殻光る
 陽の光の
 裏側で
  ....
恋をしない時
確かに埃を被った線が
ショートするように首を締めた
痛みに無力な
子宮が泣いている
その音を聞きながら
誰か私を抱いてくれないか
屋根から伸びて来たはずの
線が盗聴器みた ....
街路樹の根元に
延々と連なるラベンダー
夏になったら咲くのだろう
この街に 夏が来るのなら

誰と誰が生きのびて
新しい詩を書くだろう

マスクをつけて歩いていると
先生が電話してき ....
世界の無数の先端にある
歴史の新芽を摘みとってきて
言語の無数の先端にある
事実を手際よく料理して
一束の作品が今日もポストに届く
新聞は根底的に潤っている
どんなに乾いた悪意が記されてい ....
 音楽をどのように例えようか
 この素晴らしいものを
 讃えよう

  唯一である自分を自分で愛そうと思う
  そう思えてしまえるのである 音楽とやらは

あばらにつっかえた 受 ....
空の注釈が剥がれ落ちる
滴の軌跡
硝子の筒


光が降るよ光が降るよ
そうふれまわる見えない子らが
誰かの虹に染まりゆく


報いを受ける時が来たのかもしれない
 ....
要らぬ物が部屋の片隅で圧迫し

果てしない程の膿が溢れて噴火した

要らぬ家具の類に家賃なんて払えない

要らぬ物 要ると聞かれ要ると答えたリス

トラは要らぬと云ったのに 

意 ....
    *

芝生の上で
むっくり起き上がる
一枚の落ち葉

長い間のしかかっていた重しが消え
身体も乾いた

深呼吸すると
葉脈の透けた胸にも
風が流れ込んでくる

もう一 ....
深夜
歯ぎしりの隙間で生まれた妖精が
空気清浄機に吸い込まれた


部屋全域に稀釈されたそれは
朝の炊事により換気される


空気中の排気ガスは
確実に基準値を下回っている
 ....
歩き疲れてベッドに横になった
からだがスライムみたいに
ひらべったくのびて
平面と化していく
目も鼻も
どこにいったかわからない
耳だけはラジオの音をひろう
手も足もシーツの端から
ゆ ....
 40分で三度 視界に入る
 その意味は何 と問う
 対向車の刹那 の四桁
 思考の覚悟は 一旦停止
 物質界と天の 境目がぼやけて 透けて 入って来る

 「1001」ダーツか手 ....
          un pastiche, encore


きみが書く手紙の文字は読もうとすると揮発してしまう

ありきたりの半島とありふれた海峡

街を寸断する運河や暗渠 について ....
  目の前に置かれたコップに
  なみなみと注がれた透明な夜を
  一息に飲みほせば
  僕はもうすっかり自由になれる
  高い窓の鉄格子の隙間をすり抜け
  出ていける
  幽かな光 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
お弁当作る機会が無くなって代わりに詰める三十一文字- きりはら ...短歌720-6-14
明け方のフォルテ- ゆるこ自由詩520-6-9
失恋狂想曲- ミナト ...自由詩3*20-5-27
マルコポーロの旅- 梅昆布茶自由詩920-5-25
朱色青磁- 朝焼彩茜 ...自由詩420-5-20
額で見る景色- 朝焼彩茜 ...自由詩12*20-5-13
余命は短い。私たちは霧のようなもの- あおいみ ...自由詩2*20-5-13
小さな庭- 田中修子自由詩8*20-5-10
針時計- アラガイ ...自由詩10*20-5-9
堤防- ガト自由詩7*20-5-4
恍惚- ミナト ...自由詩120-4-23
イタドリ- Lucy自由詩8*20-4-21
黒鍵- ミナト ...自由詩120-4-21
海への帰路- 帆場蔵人自由詩6*20-4-21
マスク- 木屋 亞 ...自由詩1*20-4-20
くらげの骨- むぎのよ ...自由詩10*20-4-16
はながちる- カマキリ自由詩720-4-4
アオムシ- 北村 守 ...自由詩320-4-4
アンプラグド- ミナト ...自由詩220-4-3
夏が来る前に- Lucy自由詩7*20-4-2
新聞- 葉leaf自由詩220-4-2
音楽は人の形- 朝焼彩茜 ...自由詩220-3-31
午後と水紋- 木立 悟自由詩120-3-30
トラの断捨離を知らないリス- 朝焼彩茜 ...自由詩7*20-3-28
雪が解けて・・- Lucy自由詩5+*20-3-28
歯ぎしり- TwoRivers自由詩4*20-3-28
洗脳- Lucy自由詩12*20-3-26
「1001」- 朝焼彩茜 ...自由詩320-3-26
今日、明日- 墨晶自由詩2*20-3-25
出ていける- Lucy自由詩7*20-3-25

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