四角い夢をみている
  濁った魚が次からつぎへと
  氷上の穴から吹き出してくる
  マスケット、ビリヤード
  バグダッド、カスタード
  カスタネット、レニングラード
   ....
穏やかな気持ち
鏡のあちら側にいる 羊
軋む階段の踊り場から
見下ろしている 外は月夜

白いドレスの裾は ひらひらと
ドアの隙間から洩れる
蝋燭の揺らめきに合わせて

昼間の庭 ....
女を待つ雨が速く落ちたり遅く落ちたり 電車を待つ駅のホームで
小さい両手いっぱいに
飴玉をのせ
ほら、とパパに見せる女の子
(夢がたくさんあるんだねぇ…)

改札口を出た脇で
人々の過ぎゆく中に
突っ立って
開いた本とに ....
愛して欲しいと嘆く
私は淋しい薔薇の花
きっと嫉妬で燃えたぎる
炎のような黄色い薔薇

本当は清楚にたたずむ
白い薔薇になりたかった
やわらかくはにかむ
ピンクの薔薇の花でもいい

 ....
鳥は羽ばたき
車は車輪を回転させ
互いに併走し
時を追いかけ
滑らかに太陽に向かう

羽ばたきと回転
鳥も車も
全く異なる動きで
自分のリズムと歌で
滑らかに太陽に向かう

 ....
赤いヒヨコ青いヒヨコ帰る場所がない 今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
 
風呂で屁をこいでみた

すべてからの自由を約束する泡が破裂する

諸君! 解放だ! 解放だ!!



 
昼間の静寂が緩む
真夏の夕暮れは、気ぜわしく
この街に戻ってくる

黄昏の土手に、月見草が咲く
行き交う人の影に揺られて
年老いた夫婦が、ゆったりと
杖をついた妻を抱えるように

満 ....
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む

 ディスプレイの 
 向こうとこちらで ....
  桜の葉を胸に抱いて
  墨色の風は流れていく
  女に似た雨の匂いが 岩間にひそむ苔を洗う
  うつむくひとの唇から 知らぬ間にすべり落ちた
  わたしの名をだれが忘れずにいられる ....
はずれたアイマスクから白目 大蛇飲み込んだ蛙が月も食べようとしている (知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
僕は
罪のない
ハエトリグモを殺した
昨夜のことだった
酔っていて覚えていない
今朝
丸めたチラシに叩き潰されたハエトリグモを発見した

もし
ハエトリグモではなく
バッタだっ ....
19歳のおじいちゃん よぼよぼ歩く
最近暑くなってきたせいか フローリングにペタン

朝起きてご飯をあげると
このエサじゃないとですと かすれた声で鳴く
19歳のわがまま君 おじいちゃんだか ....
花ばさみ取ってけねが と
庭からあなたの声がする
走り寄って
手術用具のようなそれを渡すと
あなたは百合やひなげしを
少し摘み取ってくるのだった


花ばさみ取ってクダサイ と
庭か ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている

静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
ベランダにビニールシートを広げ
寝そべって星を見た
焼けた地面にぺたりとつけた背中の熱っぽさ
母親は綺麗ねとだけ言った
私は黙っていた
真暗な虚空に私は吸い込まれそうだった
小さな光の粒が ....
{画像=140531162934.jpg}



時間は無いと考えている?

でも時間はいっぱいあるのだ

日頃の所作の大半は無駄な時間潰しで
大事なものは何も無いのだ
マネキンが ....
乗り物酔いの耳にバスガイドの唄 手なずける

胸を押し開き、雪崩となって溢れ出す
小鳥 薔薇の棘 北極星 壊れたピアニカ
みんな開口一番に聞いてくる
「この世の生血を味わってるか」

破壊したもの
手の平で包んで、か ....
裏から表までの30メートルに世界があった


国道1号線を命かけて 一目散に横切るのだ


安楽の幅2メートルは ユートピアへの出入り口


たった20センチメートル背中の側をかすめ ....
タバコの箱くらいのおおきさの
チョコレートの箱に
金魚の絵が描いてあって
その金魚は箱をぱしぱしとたたくと
絵のなかの水のなかで
ぱしゃぱしゃと跳ねるのです

面白がってぱしぱしぱしと
 ....
田舎の蔵にあった
あばらの浮いた患者の胸
愛想のない円空仏
薄明かりで見ると たじろぐ

大きな桃が
「どんぶらこ」と 流れてきたとき
あのおばあさんも使っていた
に 違いない
 ....
人間になった理由を歩きながら 空に求める応えてと
知りえない宇宙を腕で括って 流れる星のオーラ

人間になった理由を風に溶け込みながら 尋ねる胸に叩く胸は無言
知りえない彼方を眼力が泣きながら ....
陽炎のように萌えて
蜻蛉のように消える
普段着の市松模様の
気持ちよさそうな光

下駄を脱いだ少年の背が
泥で真っ黒だ
春泥の季節はとっくに過ぎたが、
走り足りないような元気な顔を
 ....
沸騰させた水が
マグカップの中で
常温を目指している

まだ
ひりつく
くちびるに
おそらくとても
優しく
同化していくことだろう

情熱だとか
とがりだとか
叫びだとか
 ....
現場の製造のトラブル対策について計算する
私はオペレーターでもエンジニアでもないが計算する
力、空間、時間について感じながら
私の思考は原液バルクの中に溶けていく
私は充填ノズルで液ダレする液 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
四角い夢- 草野春心自由詩414-6-3
月夜のプリズム- 藤原絵理 ...自由詩9*14-6-3
女を待つ雨が速く落ちたり遅く落ちたり- 北大路京 ...自由詩914-6-3
子供のマーチ- 服部 剛自由詩714-6-3
私は美しい薔薇の花- 未有花自由詩25*14-6-3
羽ばたきと回転は滑らかに太陽に向かう- ichirou自由詩9*14-6-3
赤いヒヨコ青いヒヨコ帰る場所がない- 北大路京 ...自由詩9*14-6-2
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
こく- 殿上 童自由詩18*14-6-1
月見草- 山部 佳自由詩214-6-1
ネットの恋人- イナエ自由詩11*14-6-1
うつろい- 草野春心自由詩714-6-1
はずれたアイマスクから白目- 北大路京 ...自由詩414-6-1
大蛇飲み込んだ蛙が月も食べようとしている- 北大路京 ...自由詩5*14-6-1
何人??- ……とあ ...自由詩9*14-6-1
僕はハエトリグモを殺した- ichirou自由詩9*14-6-1
19歳のおじいちゃん- 朝焼彩茜 ...自由詩12*14-6-1
花鋏- フユナ自由詩814-6-1
アリエス- 藤原絵理 ...自由詩814-5-31
家族- ららばい自由詩8*14-5-31
時間は無いと考えている_/_君は時間を止めている- beebee自由詩24+*14-5-31
乗り物酔いの耳にバスガイドの唄- 北大路京 ...自由詩1114-5-31
◎手なずける- 由木名緒 ...自由詩9*14-5-31
突き抜けるまでの秒針- 芦沢 恵自由詩22*14-5-31
うたかた- 砦希自由詩13*14-5-30
虫干し- 藤原絵理 ...自由詩514-5-30
人間になった理由- 朝焼彩茜 ...自由詩10*14-5-30
短題- あおば自由詩7*14-5-30
常温- そらの珊 ...自由詩23*14-5-30
計算の美- ichirou自由詩9*14-5-30

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