蛇口をひねったら水がでた。
赤錆の混じった茶色い水はドボドボと音をたててステンレスの洗面台を這っていく。
恐らくこれが最後の水だろう。その水を使い切ろうとしていた。





「赤い水 ....
出がけにかがんだ拍子に
傘立てをひっくり返してしまった
ありゃりゃ
傘の柄がポケットにしがみついている

学童用の黄色い傘
自転車通学している
中学生になった子供のものだったが
そうい ....
僕の中の水
君の中の魚

穏やかな流れにさえ
魚はとどまらない

僕の中の土
君の中の花

地面に黒い影を落として
花は咲き誇る

僕の中の空
君の中の鳥

どんなに ....
{画像=121007020710.jpg}

さんぽのとちゅう

すりよるこねこの

せなをなでたらね

せぼねをじかにさ

かんじてしまって

せつないかんじだ
 ....
欠けている月をみれば
前髪が伸びたあなたを思いだす
あと何日かすれば
あなたの笑うのとおんなし角度に月がわらう
あんなに
やさしげではなかったけど
愛に溢れた社会
命を大切にして
お金等いらない
食べるだけ稼ぎ
世の中が綺麗で

苦しみを分かち
理解に溢れてる
すぐ近くにある
綺麗な自然達と
働き者の仲間達

森林の様であ ....
ここはかさぶたのない場所だ

えぐられた何かを振り返っては
また一つ、言えないものが増えるのだ

深海に落ちている忘れ物

ため息が道をひらいて

君の肩に不安なものをのせている
 ....
この粗末な杖で
渓谷の深さを探りながら
対岸に渡り
平らな岩の上に荷物を置いた

紅葉は始まったばかりで

枝は葉を乗せて
上下に ゆったりと揺れ

葉は揺れながら 左右に小刻 ....


耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの



めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
「月光文字」
              木の若芽


秋の月に照らされて
月光だけで詩を書きましょう
人は寝静まり
虫の声のほか聞こえるのは
時計の音
遠い風の音 それから
だん ....
太陽が没落した朝
その太陽を追跡する雲たちは
昼の影を踏んでばかりいた
雲と太陽が空の糸を引き合い
そこから地上に放たれるもの
地上に放たれなかったもの
我々は渦を巻く準備をしなければなら ....
闇がやってくる
やがて
海と空の境界線をうやむやにする
闇がやってくる

完全なる闇の中で
闇を知ることはできない

闇を知ることは簡単だ
ぼんやりとでも
灯りをともせばいい

 ....
何かを取り込もうとして
何かを踏み潰す

硬質な音と感触に
サンダルをのければ
日に焼けた洗濯ばさみのご臨終
あーあ…

黄ばんだアクリルの下
ぶらさがってんのは
劣化した夢の ....
―適応―
異国で生き抜くために身に付けた術

外国なのだもの、
文化も生活習慣も考え方も
違って当たり前
違いにいちいち目くじら立てていたって
所詮何ひとつ解決しない
抵抗は余計な葛藤 ....
おまえも ころもがえするんだろうと
犬に話しかける

ええ そろそろ冬毛が生えてくる季節です
けれど 私には長袖も半袖もありませんし
化繊や木綿や絹だとか
細かな品質表示はもとより
陰干 ....
恋人よ
その唇に
甘き吐息を重ねよう

永遠の時は
数えられないけれど
砂時計は刹那を刻む

明けない夜
ふたり魚になって
白い川を泳いでいく

愛染の
罪は深まりつつ
快 ....
愛していますと 言ってみたかい

かみそりの様な 三日月の夜にさ

過ぎる程の星の 瞬きの深夜にさ

河原で尖った石 探す様な手探り

積み上げてみる 崩れる音のする

瓦解しなが ....
だから俺は生きてこれた

日々を告白するように

だから俺は書いてこれた


音楽と過ごしていた

ただ未来を見つめて

夢まぼろしの立体が

遠い虹のようだった


 ....
 
心に夕陽が沈むと

満天の星

ことばたちがキラキラと



 
  真夜中のいきものたち

真夜中の市場にはすでに
大都会の胃袋を満たすための供物が
続々と魁偉な動物のような巨大車両や
あるいは中型や小型のさまざまな甲虫たちによって
到着し並びはじめて ....
この身体には阿鼻叫喚が渦巻き

時には槍吹雪となり

体内から世界へ

精神の切れ端が乱射されていく

僕と世界は絶壁に阻まれ

と、確信していて

なのにふと

世界に溶 ....
誰もが腹を立てている

作り笑いの下で
沸騰するいら立ち
火にかけた薬缶の様に

そしてここに
社会を舞踏室に例えた洒落者がいた

両開きのドアを押し開け一礼と共に
シャンデリア煌 ....
純白に広がった眩しき光の画用紙に
身を震わせながら生ぬるいみずを垂らした
祈りに悶えるおんなの吐息を筆にふくませ
なぞりはじめてみた
何故だか気怠い何故だか
満ち溢れてくる月の情緒の沸騰のよ ....
山がすきだ
遠く離れた場所で
ただながめているのがすきだ

けわしい道も
おそろしい生き物も
触ればかぶれてしまう植物も
いない場所から
のぞいているのがすきだ

山はこばまない
 ....
大外刈りをかけたくてオヤジ狩りに遭う よしだ自転車

マドモワゼル美容院

スーパーコスモス
夜10時までやってます

パーラーラスベガス

猫を探してます
見かけた方はジェリー佐藤まで

スモッグ注意報発令中
 ....
潤みながら飢えている目は
風の日に飛べそうで叩きつけられた原理と似ている
美しくなったら会いに行くわと言う恋人のために用意した指輪は痩せすぎた彼女の指から抜け落ちて朝が来ない

朝は来ない ....
連日32℃を超える暑さを
新聞、テレビは猛暑日連続○○日と騒ぎ立て
それでも夕方からいい風が吹く夏だった
こんな風に、冷房ナシの夜はいいなあ
砂浜で波を眺めているみたいで体が安らぐ
空の深さ ....
ひとをじぶんのもとに呼びつけない

これぐらいでいいだろうとは思わない

じぶんや周りの?や!を素通りしない

めんどくさいことを途中でやめない


反論に対しては反論しない

 ....
伝えることができたのだろうか
熟れ落ちていく夕陽の悲鳴を

表わすことができたのだろうか
沈殿していく闇の舌なめずりを

キーを叩く指の隙間から
瞬間は呆気なく零れ落ちてしまう
慌 ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14252)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤い水- 佐藤伊織自由詩212-10-7
淋しい傘- そらの珊 ...自由詩14*12-10-7
さよなら- nonya自由詩21*12-10-7
ねこねこねこっけ- ドクダミ ...自由詩712-10-7
月と目- はるな自由詩712-10-6
想像してご覧!- ペポパン ...自由詩11*12-10-6
砂の城をもう一度- カマキリ自由詩312-10-6
落葉- ぎへいじ自由詩15*12-10-6
耳なし芳一- 乾 加津 ...自由詩23*12-10-6
月光文字- 木の若芽自由詩312-10-6
名もなき労働- 葉leaf自由詩512-10-6
夜光虫- そらの珊 ...自由詩17*12-10-6
あきふうみ- ブルーベ ...自由詩2*12-10-6
蕁麻疹- 夏美かを ...自由詩17+*12-10-5
ころもがえ- そらの珊 ...自由詩16*12-10-5
【_白夜_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-10-5
失恋すら意味を持たぬ- ドクダミ ...自由詩412-10-5
遠い虹- 吉岡ペペ ...自由詩412-10-5
満天の星- 殿上 童自由詩26*12-10-4
目覚めゆく街- 梅昆布茶自由詩15+12-10-4
角砂糖- 三田九郎自由詩2*12-10-4
誰もが腹を立てている- まーつん自由詩512-10-4
火の粉のようになりたい- マーブル自由詩412-10-4
遠くの山- 朧月自由詩312-10-4
大外刈りをかけたくてオヤジ狩りに遭う- 北大路京 ...自由詩712-10-4
暗号の街- そらの珊 ...自由詩14*12-10-4
指輪- はるな自由詩4+12-10-4
庶民の一夏- salco自由詩5+*12-10-3
これぐらいでいいだろうとは思わない- 吉岡ペペ ...自由詩612-10-3
手の届かない場所- nonya自由詩23*12-10-3

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