無風に花瓶、
押し倒れ
転がる転がる
少女の手許

受け止める幼手
花瓶は砕け
甲高い笑い声
さも当然に

さも当然に、
笑い声響く度
花瓶は完璧に粉々に
亀裂走っていく円卓 ....
何かに咬まれた指を握り
真昼を渡り海岸に着く
砂浜には紙を追う鳥
波と共に現われ消える


海沿いの径に車は無く
皆ひとりひとり歩いている
砂の丘がつづいては途切れ ....
虫採りアミを
契約書が詰まった
ビジネス鞄に持ちかえて
今月もノルマ未達なら
怪談話より 寒気する
スイカ? 食べない
「時は金なり」
向日葵よりも輝いて
もろこしよりも甘いのは
 ....
隣に寝ている祖母の髪をいじるのが
幼い私が眠りにつくための儀式だった
人差し指で祖母のぱさついた白髪交じりの髪を
くるくる巻き取る
眠る寸前までやっているものだから
翌朝の祖母の髪は縮れて
 ....
気怠い午後の窓に
コウノトリが連れてきた
甘い匂いの衣をまとう
真っ白な 汚れのない 詩

しばらく考えて
抱いてみる
泥のついた手で
目はおれ似じゃない

さて誰か

道傍の ....
ナニ、か、腐った臭いが立ち込める部屋で、老女が横たわっている。毎日堆く詰まれていくソレらに、埋もれて隠れたモノ。老女が自分の背中のジョクソウと、タオルケットとの間に挟み込んだモノ、が生きたまま腐ってゆ .... ドアの向こうで息を殺して
貴方が眠るのを待っている
洋服ダンスに潜む
黒いマントの貴公子

蒼い月の光に
薄目を開けて
耳を欹て寝息を偽装し
貴方は待つ
 
さあ飲みに来て
この ....
どんな肉痛でも
どんなに抉られても
どんな裏切りでも
どんなに孤立しても
俺は息継ぎ息継ぎ生き続ける

肉の内なる霊性と
肉の外なる霊性が
出逢いスパークし
不可視響く 深い光の陰影 ....
まだらに響く蝉
そのすきまにかぜがふき
一滴の風鈴
本の中になんてこたえはない
だけど本屋がすきだ

本と本のあいだに
立つひと ひと ひと
あるであろう心に
さわらないように
避けてあるく

私も本になにかをさがす
枝から青くふくらんだ
健やかなる実をはずす
茶色いしみのようでいて
何かを主張している風の
そんな模様を持つ実は
捨てた

捨てたあと
なぜかもう一度この手に取り戻し
親指と人さし指 ....
遺蹟

奈良の友人の結婚式に列席したついでに
飛鳥の遺跡を畏友のK士と巡る

石舞台
酒船石
猿石
高松塚古墳

でも駅前で立ち寄ったうどん屋の
出汁がしっかりきいて品よくかるく ....
 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ ....
強く噛みしめるほどに
浮き上がる皮膚の
薄青い罅
を透かし
見る眼差しに
懐かしい悔恨は質量を失った

鏡が無くなったことに気づく
には
もう少し時間が要る
折れ曲がったハガキは温 ....
風だけが 通り過ぎていった 
時計は止まったまま ベッドの上に
白い部屋の窓辺に 深紅の薔薇が
赤い影を落とす 花瓶の陰で


黒猫が身を伏せて 狙っている午後
死んだ蜂の羽が虹 ....
願い増しては乗の極みの先端の桁の永遠
左様と云う右様と申す
ささくれ程の次元でしか世が明けない

 バジャラ菱の綾取り繰り返す
 司り彩る一言の宇宙の空と海

 を仰ぎ仰 ....
ー「安全保障関連法案」衆院通過の日にー

医師は
腰の痛みを訴えるワタシの
積み木のような背骨のレントゲン写真見ながら言う
 
  ここがずれていて傾く
  それを正 ....
杓子定規には行かぬ出来事を吸い込んで
花びらは 大きく開き 空に染まる

微妙な空気感も 四方山話も 飲み込んで
幹は 太く 伸びて行くけれど
もう これ以上は 勘弁して下さいと
 ....
あがけ


足掻け私の体
むちゃくちゃに大気を削り取れ

コンクリートのような大気から
私を絡め取る大気から

私が逃げれるように
死に化粧の父は
歌舞伎役者のように凛々しくて
酒で枯れ果てた唇が
潤っていたのを初めて視た



回顧する夕暮れ
鳴いている壊れた時計
線香の香りが夏の空気と合わさ ....
               150716

中原が昼夜逆転したのは、19歳の時だった
作家を目指して古今東西の文学を漁り
夕刻、人気の無い干潟を散策しては遠くを眺め過ぎ
足元の柔らかい深み ....
ちいさな夜想曲を想う
ドイツの作曲家でもなく誰かの

こころはとめどなく夢をさまよう
意味もなくいきているような
きもするのだが

いつでも永遠を信じて生きていようとおもう

体はく ....
淋しさをポケットいっぱい詰め込んで
ひとりきりの夜を歩こう
いつかわたしも永遠になれるだろうか
かつてわたしが 光の一部であったように

わたしは沈黙のほうにある
とすると
沈黙は詩のほ ....
     こんなひは
     ひんやりとした床で
     寝たふりをするより
     とったばかりのいんげんと
     てんぷら油の格闘に
     歓声をあげてみたり
  ....
私はみずからを「詐欺師」となのる空をみた。
丘だといって譲らないもののてっぺんで。
似ているものを似ていると呼ぶのなら
この空はあんまりにも似すぎているから
待兼鰐が現れた
待兼鰐は部屋の中
待ち兼ねている
ピザの配達を
客人の到着を
検診の結果を
メールの返信を
雨が止むのを
空が晴れるのを
夕日が空を焦がすのを
夜空が星で埋まるのを ....
 
 
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている

懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
こんなの詩じゃないと
お叱りを受けそうですが
まあ、いいだろう
と、寛大な心の方はご覧ください

     *

小さい頃のわたしは
引っ込み思案で 恥ずかしがり屋
自分から友だちを ....
溯れない川の流れに似た
時間に浸りながら
自分の座る椅子を捜し回っていた
私の片割れの具象化した腫瘍は
いつまで経っても不定形の
気味の悪い生物で
恐ろしい程脆い
その割りにはしぶとく
 ....
産まれた国は戦争していた
父は軍人にしようと思ったかどうか
まるまるとした数え三歳のぼく
金モールの軍服姿 
腰にサーベル 右手に千歳飴
ギラギラと輝いた眼が
見ていた未来は何色だった ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
必然- たけし自由詩515-7-19
青と音- 木立 悟自由詩315-7-19
夏が嫌いな人もいる- もり自由詩4*15-7-19
日常- ららばい自由詩415-7-19
- もり自由詩2*15-7-18
けむる、浄化- 為平 澪自由詩615-7-18
ヴァンパネラの夜- Lucy自由詩1115-7-18
れーぞんでーとる- たけし自由詩4*15-7-18
盛る夏の涼- はて自由詩215-7-18
本屋- 朧月自由詩515-7-18
キッチン- そらの珊 ...自由詩1815-7-18
遺あるいは- 梅昆布茶自由詩1415-7-18
夜会- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-18
折れ曲がり落ちていく暖かい光- noman自由詩215-7-17
静かな午後に- 藤原絵理 ...自由詩715-7-17
桁の白雨に埋もれ- 朝焼彩茜 ...自由詩9*15-7-17
積み木- イナエ自由詩8*15-7-17
しゃく・なげ子さん- 藤鈴呼自由詩3*15-7-17
大気を削る- はて自由詩215-7-16
あか- よるのま ...自由詩515-7-16
中原昼夜逆転- あおば自由詩9*15-7-16
電波時計- 梅昆布茶自由詩1515-7-16
かつてわたしが光だったとき- 伊藤 大 ...自由詩615-7-15
こんなひやあんなひに- 石田とわ自由詩19*15-7-15
- 佐藤伊織自由詩215-7-15
待兼鰐- やまうち ...自由詩2*15-7-15
見舞い- たもつ自由詩2015-7-15
【_私の友だち履歴_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-7-15
長椅子- ……とあ ...自由詩10*15-7-14
サーベルと千歳飴- イナエ自由詩10*15-7-14

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