最後に故郷に帰った日

灯台に座って
風に舞うとんびを
いつまでも見ていた

神様の木のてっぺんに
命を抱えるとんびたちは

巣に近づくと魔法の笛を吹く

目が回るほど
螺旋に ....
タバコの煙で会話するひとがいる
その表情は煙でぼかされている

隔離された空間で
ひとりの顔をみせている

私はタバコを吸わないけれど
なんにも言わずにみていたよ
あなたの白いその顔を
私はこころの中で寝ています
いびきが何度も聴こえてくるのです
私はこころに布団を掛けています
寝返りするたびもう乱れて自分でも恥ずかしい
それでもやはり寝ていたいのです
夢枕がもう手 ....
次郎さんの家は、火の山峠へとつづく
坂道の途中にあって、そのちいさな車
は、登るときも下るときも、まるで不
機嫌な家畜のように、激しく四肢を踏
み鳴らすのだった。
直径八キロ余りの島の真ん中 ....
わたしはこれから
目を覚ますから
あなたはカップを出しておいて

コーヒー豆は冷蔵庫、
ナッツ・ケーキは戸棚のうえに
泣いてるうさぎにベッドを貸して

手をつないで坂を下ろう
 ....
ベッドの中という
わたし一人分の天国から
のそりと抜け出し
あくびをしながら迎えた朝

カーテンを開け 光を浴び
青空を見上げながら
残りの眠気を
はらい落とした

シャワーの様な ....
           160910

此所はどこの坂道じゃ
追分からヨドバシに向かうと
夜行バスの群れのエンジン音
残暑の夜を余計に暑くするよと
惰眠を貪る乗客達を僻目に
ヨドバシカ ....
気がつくと、
一面真っ白な部屋のなかにいる。
部屋には窓一つない。
空気がこもっている。
部屋中に白い音がする。
天井に向かって手を伸ばすと、
目には見えない皮膜に触れる。
シャボン玉の ....
ゆめからさめて
手を伸ばす
爪にとまった蜉蝣
掃除機をかける音 かすか遠く

木馬が揺れて
ベビーベッドに霜がおりる
目の前で
硝子のつぶが揺れる揺れる


「あ」と「 ....
 ある書物は私を受け入れ、私の居場所を示している。
 そんな時私の心は大きく開き、静寂の中の喧騒にただ驚く。
 私の頭上に雲はなく、大地の裂け目では清冽な泉がこんこんと湧いている。
 私の精 ....
うんざりする程のルールには
もう疲れたわ
今夜はこれでおしまい
ノイズのベッドに
レタスとトマトを乗せて下さい

ほっといて
探さないで

アタシを
検索しないで
hamburg ....
この世でいちばん明るいのは
夜の屋根の
いなびかり

そのあとを
追いかけてくる音は
おそろしいけど、と

小さな人がいう

ならば耳をふさいでごらん
あてがえば
柔らかな手の ....
モノクロの台所

電話から夫の死

芋虫みたいになって

チューブで生き永らえて

血を吐きながら

愛を探した

口をあけて

頬をだらしなくさせて


エンターテ ....
カーテンにくるまって

部屋のなかに飛び出せば

暗い廊下に佇むばかり

小学校のパイプと木の机

銀色に染めたら居眠り

ベッドで一回転、二回転

自転車替えて顔替えて

 ....
五線譜にのらない音楽
数学的解決を持たない生命

リズムもない詠唱
楽器を持たない自由

空から降りてくる精霊にキッスをして
それでも抒情は余ってしまって腐る

どこにも幸運な人間な ....
油まく模様のみなもには色々がくる
熟れた椅子の脚や膨らんだ仔ねこらが
うつした空を破りながら流れてき
こまをなくしたバイオリンなど
海にとどくより岩くぼに憩う
そろそろ沈むことなど気にも ....
ふでばこのなかにことばがある。
えんぴつはかつての旅人だ。
あなたがえんぴつを手に持たないあいだ、
えんぴつは暇だ。暇なのであくびをしている。
消しゴムはあなたの文字を消すときを、ずっと待 ....
予感は、急角度に侵入する胎児だ


樹々が複雑に伸ばした細い腕の先のほうに留まると、其処で眠る


それがいつ後悔に姿を変えるのか瞬間を見たものはいない


気づいた時にはもう

 ....
私は中古品
でも 走れたらいい
ライトもLEDじゃなく 豆電球の橙色
それでも 三メートル先 見えたらいい

けれど五メートル先の人に
私の足は切り刻まれ もう走れなくなりました ....
暁を知らせる天地
遊ぶ鬼火をくゆらせ
終末の起源を幾度となく反芻する

咀嚼された付加価値は時として
勇猛たる鷹の回遊する軸を吟じ
成長のとどろき 不変の河 
木の芽をついばみ小枝へと飛 ....
いつのまにか夜だけがふけてゆくが
僕の朝はいつまでたっても来ない

時間の止まったままの時計をぼんやりと眺め
時系列のなかの無限の選択肢に思いを馳せる

ものごとを整理するには基準が必要だ ....
四季に手を振り手を招き
多忙の風の中 刹那に傾く 夕焼けの如く

鎧のような交感神経から
いつも幸運にも真水の中を泳ぐ魂になれる ひとひらの降り

快い爽と秋空 黄金色の結晶の影の趣くまま ....
人形も関節から
壊れてゆく、ら
しい。継ぎ目は
いつだって弱い
場所だからね。
かつてあなたが
若かった頃、肘
も、膝も、首も
指の中に取り付
けられた小さな
関節たちも、み
な ....
土曜日の午後
少しけだるい空気の中で
僕の前に座る女と
その後ろの大きな観葉樹
いつも小さな女の話し声が
今日はより小さく感じて
僕にはいくつかの言葉を聞き取ることができない

それな ....
「追憶/墓荒らしの憂い」

過去は下に沈んで
サラサラと真新しい記憶が
その上に積もる
一人ベランダでタバコをふかしながら
墓荒らしのように
記憶の地層にスコップを入れる

あんなに ....
氷の川 紙の舟
暮れを旋す 空の浪
小さなけだもの
踏みしめる葉


神棚の窓の下の囲い木
降りそそぐ見えない雪のようなものから
何かを護りつづけている
いつか朽 ....
羽音で目が覚めた
驚いて明かりをつける
汗だくで寝ていた
汗の匂いに寄って来たんだな
いったいどこから入ってきたんだ
窓は閉めていたのに
ベープマットをセットして寝る
でもまたも高い羽音 ....
わたしの中に 
ひとりの画家が住み着いて
わたしの心をアトリエにした
家賃も払わず居座ったその画家は
来る日も来る日もデッサンを重ねてばかり
わたしの胸中は
未完の作品であふれた
 
 ....
けれど言葉にしてみようと思う。僕らは言葉を使い、考えるから。良い言葉を持っている、そんなあなたたちのことが大好きだ。けれど、ひとが外へ一歩踏み出すとき、ことばはいらない。必要なのは、ひとからの期待だ。 .... 襟付きシャツが欲しいのよ
水玉 チェックにシマシマ模様
柄ものばっかり揃えちゃう

シカクにマンマル オハナもいいかも
変わったボタンもときめきます

ちょこっと刺繍は見つけてはにか ....
ただのみきやさんのおすすめリスト(14280)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時の場所- ガト自由詩6*16-9-13
タバコの顔- 朧月自由詩316-9-12
私は- 乱太郎自由詩10*16-9-12
火の山峠_2016- たま自由詩10*16-9-11
戸棚- はるな自由詩516-9-11
朝のひととき- 葉月 祐自由詩3*16-9-10
night_moves_- あおば自由詩3*16-9-10
木槿- あおい満 ...自由詩416-9-10
霞む_ブライダルフレーム- 吐水とり自由詩216-9-9
創造すること- ヒヤシン ...自由詩7*16-9-9
今、ハンバーガー・レディ聴いてんだっ- まいこプ ...自由詩3*16-9-9
夜話- そらの珊 ...自由詩12*16-9-8
笑顔- 吉岡ペペ ...自由詩116-9-8
あのときの- 吉岡ペペ ...自由詩416-9-7
タルカスの夕べ- 梅昆布茶自由詩916-9-7
矢部川_借景- soft_machine自由詩5*16-9-7
ふでばこ- 水宮うみ自由詩1*16-9-7
_純粋な記憶- ハァモニ ...自由詩5*16-9-7
自転車- 為平 澪自由詩516-9-5
◎漆黒の詩吟- 由木名緒 ...自由詩7*16-9-5
朝が来ない理由- 梅昆布茶自由詩1116-9-5
秋空鑑賞- 朝焼彩茜 ...自由詩916-9-5
わたしのアンティークドール- そらの珊 ...自由詩17*16-9-5
フィカス・ウンベラータ- 高林 光自由詩7*16-9-5
「追憶/墓荒らしの憂い」- 自由詩316-9-4
あゆみ_むらさき- 木立 悟自由詩416-9-4
提供- Lucy自由詩5*16-9-4
印象派- やまうち ...自由詩316-9-3
ことばはいらない- 水宮うみ自由詩1*16-9-3
かわいい君- 自由詩216-9-3

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