ねむってたら
枯れた実になって転がってた
拾われて
じぶんもとうとう
あつい釜のなかへ と
身がまえていたら
偉いのがきて
それは数には入らないよ
と言う
ぬるく ちいさいての ....
無気力な身を
もてあまし
希薄な日々の
くり返し
空白の過去
かえりみるとも
心にあく穴
不安にかられ
つかみどころのない
液体のような
現在
現実
ペン先から ....
こころもとなくなる
ここを歩いているといつも
どうしてか
砂地には
足跡は残せず
一本の根さえ張れないと思うのだ
ほってごらんと
父は言った
ほりだすそばから
哀し水がしみだし
確 ....
あなたとわたし
その狭間にあるわたし
それだけがほんとのわたし
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして
離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する
日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
風になびく黒髪があなたの横顔を隠す。
あなたは細い指で優しくその髪を撫でる。
そんな仕草が愛おしくて私は泣いた。
愛情があなたの存在そのものになった。
あなたは絵画に描かれた ....
潮の満ち引きが鼓動と繋がっていた
あるときは優しく
或る時は激しく
わからないままに彷徨う姿は
赤や青に点滅する
夜中の踏切を渡ろうとしても
遮断機があがることはなかった
待ちくたび ....
足の爪に
塗っておいた海が
夏のどこかへちぎれて消えた
地図の上をなぞる指が
コーヒーの匂いをたどって
最果ての島に着く
ふと顔を上げれば
見慣れた街並み
寝過ごした朝のよ ....
愚痴を言う人を
心配はしない
吐き出してまわりを不快にしてでも
自分は楽になりたいという図々しさがある
むしろ心配なのは
愚痴を言わずに耐えてる人なんだ
友達を無くすよりも
お金を無くすほうが怖いなんて
お兄様ごもっともでございます
食べ物が無くなるよりも
テレビが無くなるほうが怖いなんて
お兄様ごもっともでございます
やりがいを無 ....
静寂、
週末の精神的渋滞
万事休す
生き物の毛をむしった服で
心まで温めようとする
愚かだわ、愚かだわ
窓は薄暗がりの世界と
色のないふたつの目玉と
内と外を映す
....
脳髄の奥底で、
渦巻く怒りに似たことばは、
構築を知らぬまま
進むべき道の足跡ばかり探る。
*
机の上に仮面が置かれている。
仮面は口元をカッターでなぞられたように
笑っている。 ....
わたしは
あなたが削りとられていくというのに
二酸化炭素のういた水をのんでわらっている
この海はどこにも
繋がらない海です
生活に名前を縫いつけましょう
自殺者百万人
....
会うことのないひとたちの声
こころの輪郭(かたち)の外がわから
(空腹と眠気とにさいなまれながら
物をたたく乾いた風の音と
建物をきしませる低い空がおおう
ここから離れた場所
見知らぬ ....
空は青い
血は赤い
月は黄色い
どんな
プロパガンダを
見させられたのかな
私たちは
あらゆるところに
鍵をかけているから
空を飛べない
なんて言える
人を
好きか ....
仙台のお米
漬物
ずんだあん 餅は自分で焼けと
自家製イチジク干し柿
でっかい梅干しと活用法
牛タン
LOOKチョコレートのずんだ味 お!何だこれは!
そして手紙
小学校からの ....
細胞を解剖してみたら
電子の奥に宇宙を観た
巨大な世界の果てを知り
微細な宇宙を知ったいま
ぼくは永遠の生命体に慄き
摩訶不思議に埋没する
果てしない命を奪いながら
生きている矛盾に ....
紅茶をテイスティングするあの男性の、指先にとまるシルバーのリング
ティーカップに注いだ海がどんどんぬくもりを帯びていくという嘘の話
男性の指に抱かれたいとおもう夕べに私の海はどんどんし ....
空から落ちた
無数の楽器が
土の上で砕けたまま
鳴らそうとした音を鳴らしつづける
顔を撫でては去ってゆく
浜辺に打ち上げられた
硝子片に満ちた死骸から
熱は羽のように ....
151210
青い青い海
これ以上の青さは無い
深度30メートル
これ以上の青さが無い
暁時の空
群青色に染めた僕のTシャツ
焼き物の世界に入り込んだ痴れ者をぶん殴 ....
小さな街を歩く
通勤快速や急行は止まらないような街。
偶然賃貸住宅のサイトで見つけた。
駅前はこの前グーグルアースで見て回ったけれど。
名前すら知らなかったような、
そんなそんな ....
黒く透明な魔物にとりつかれた指は、
もう止まらない、
もうもどらない、
指が進む先は、
まっすぐ なようでかなり
曲がりくねっている。
指には耳がある。
かなりたくさんの耳だ。
無数の ....
ことばを欲しがる指先が、
熱を帯ながら、
水面をぴしゃりはねる。
指先の熱が水を伝って、
水面に映りこむ私の唇に話しかける。
熱は針のように鋭い薔薇の棘になって、
私の唇を抉じ開け、
舌 ....
そういえば野葡萄の森には
女学生たちの笑い声が響いていた
ルージュをいまだ知らないいとけなさが
あまりにも無防備にうららかに
秋の終わりを彩っていた過日
#
電気代・ガス代に ....
忙中閑あり
終末は妻とアイナメを釣りに
銚子へ行こう
ほんとは電車を乗り継いで
銚子電鉄に乗りたいところだが
荷物がかさばるので
車で行くしかない
その昔、
一年間を独りで暮らした ....
書きたくないねえ
なんだか 自分の死を待つようで
あんたが死んだ後の片付けだと
どうすりゃいいか分からんってか
死んでから見張っていられるでもなし
とやかく言うたかて
訃報を出すと ....
東海は 渥美半島の 砂山から
真昼の渚に 乱舞する
海鳥たちを ながめるとき
太平洋を覆いつくす
「悠久」のふた文字が
こころにしみて
....
愛 と云うとき
世界がこんなにも憎しみに曇るなら
重い靴をはいて
そしてもう二度と 愛さない
それは ゆるやかなひとつの堕落
最後の刻を待てずに
底なしの憎しみの拳をふりあげたあなた
....
沸騰する憂鬱を、
跳ね返すことばが、
さかなになって脳裏を横切っていく。
それを掴もうと、
手を握ったり開いたりしてみても、
私は海底に沈む難破船になって
視線を落とす。
*
....
あなたの面影は
白い石鹸の匂いと
サイダーの匂いがした
おかあさん
何処に往ったのですか
ぼくはいま
武蔵野の林を歩いています
あなたを探しながら
足跡は何処にもみえな ....
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