木漏れ日が気持ち良い
緑が光りを浴びて生き生きしている
鳥の声も嬉しそうだ
人の声がする
嬉しそうな声だ
ちらりほらり木々の間から
鮮やかな着物を着た女性たちがこち ....
おまつりのちょうちん
ぼうととおくあかるく
おみこしを
かねを たいこを
かついで たたいているのは
おじいちゃんだ
おとうさんだ
となりの おにいちゃんだ
いまはもういない
....
あなたがどこか遠く知らないところから
「あなた」と呼びかけるたび
なんにも知らない鏡みたいに
よろこびを反射させて光っていました
あなたがどこか遠くから
わたしでないだれ ....
{引用=「草枕旅ゆく君を愛(うつく)しみ副(たぐ)ひてぞ来し志賀(しか)の浜辺を」(万葉集 巻四566)}
或る女は旅に連れ添い
まだ若い馬にまたがりシカの浜辺へ
青々としたうつくしみの心でもっ ....
黄昏た窓枠を眺めている
はちみつ色に細める
瞳の中には
きっと琥珀が ねむっている
*
机の上の
コンパスの針で刻まれた
しらない時代の落書きを
なぞる白い指はこびで
背 ....
役者は
媚びてしまった
目の前の毒リンゴを
食べてしまった
役者が
安っぽい悦楽で
身体中を痺れさせている間に
観客は
優しい嘲笑を浮かべつつ
足音もたてずに去ってい ....
手をつないでいた
痕は
君に残っているかい
抱きしめた時の骨の
軋み
君は覚えているかい
うずくまって、泣くなよ
ほうら、風が吹く
ほうら、音が鳴る
太陽の欠 ....
国をあげて
ゆすりたかりに
明け暮れるっつうのも
なかなか他に見ないよな
すげえもんだ
むなびれが似合いそうな顔してよ
まあ、親父は
オバサンパーマで
グラサンだったしな
ところ ....
なにもしなかった一日の締め括りを
ピーナッツサンドに熱い珈琲で終わらせてしまうだけ。
配送される
朝はもうそこまできているのに
言葉たちは僕の眠りを妨げる。
裏切りもしない反面
厚く盛 ....
大きく伸び縮みする時間、とポプラのあの不穏さ
を 考えているときに隣で編み
込む 糸を巻き付けて束ねて吸い込んだ製糸工場の裏
で
中心部分の球体をゆっくりゆっくりなぞりあげる
指の先 ....
子供達がてをふりながらさってゆく
老いた道化師は泣いた
彼らはもうサーカスを振り向かない
ガランとしたテントだけが残される
1918年の秋はからっぽだった
1928年には不安が流 ....
外国語のように
流暢な言葉でなくウグイスがいた
なめらかに
気持ちのよい朝に
外国語にはちがいないな
などとおもったりする私は
また
うつむきかげんで歩いていた
君はいまどのへ ....
mkiMaop9htstaj:@r4hoa[h.th\@-hro
,l;pKA*Zpfrea0hgriahahr-a\h^h]ah;
hmkl@p^\hr4Ph\ ....
130412
夢にも人に遇はぬなりけり
スルガの仙人スルリと笑い
富士の高嶺に煙を吐いた
愉快な楽団ルンバを鳴らし
三鷹の兄さん家出をしたよ
ほうじ茶 ....
一番に届けたい言葉は、いつも痞えて出てこない
募るばかりで縺れる
身持ちが悪い
そんな僕には、何のカタチも存在しなくて、
....
蝶を呑んだものの肌に
蝶が現われ
真昼の終わりまで
話しつづけている
小さな音の
まわりだけの冬
鳥は追う
羽を忘れる
石の径の影
曇のなかの声
....
冬の枝
モズの一羽の
声のあり
鋭く響く
空気を破り
彼が梅の先端の
鋭さに
食う事も無く刺した
蛙
あわれあわれと ....
気ままなアンドロゲン
気軽にお尻も触れないアンドロイド
世界は滑り台を見上げるように潤滑油を欲しがっているわ
みた夢はすべて真実だったのね
わたしはひとりからだから離れてゆくわ
....
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました
私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんな ....
日雇いのアルバイトで一日中駅前の交差点で
新築マンションの案内プラカードを持つ仕事をしたことがある
蛍光色のジャンパーを着て
太陽の光と影の動きを肌で感じ
人の流れをじっと眺める退屈なバイトだ ....
よく切れるナイフを手に取り
一粒の砂に 切りつけようとしたが
どうしてもできない
手の平は血まみれになり
その上に置いた砂は
無傷のまま 涼しい顔で
寝息を立てている ....
あなたのスカートの砂浜で
ずいぶんとうたた寝をしていたみたい
つまさきがもう貝殻のかたち
水平線の両端がせりあがり
網になって太陽をとらえる
その瞬間を見ていたかったの
サンドウィ ....
薔薇の蕾をなぞる指先で
あなたは
わたしの静脈の中の
青い花びらを
一枚一枚
ていねいに燃やす
薄く伸ばされた
午後のページをめくる
白い重なりは
丸みを帯びた雨の切っ先 ....
デスクに透明な小瓶を置いて
飴玉を入れて
口に放る
ため息がこぼれそうなとき
舌打ちしそうなとき
くたびれたとき
暇なとき
忙しすぎるとき
話題のないとき
何も考えていないとき
考 ....
赤ちゃんだった頃
家でぐずり出したぼくは
ベランダに出すと
外の風に当てると
不思議と必ず
機嫌を直したらしい
出かけよう
洗い流しに行こう
いろいろなことは
頭から投げ出して
....
フカフカ暖かい道草
水の流れる音
フカブカ深呼吸をすれば
私は広がる大きくなる
プカプカ浮いて
丸い天体のような感覚
ブカブカの長靴を履いたような
スポスポ抜ける音
シュポシュポ弾 ....
生まれる前から苦節
かなしみに塩をふる
ほんのひとつまみ
朝の光を浴びるとき
雨に濡れたいくつもの言葉が
「うれしい」という言葉に変わる
あなたのえくぼが深くなるとき ....
掛け違えたボタンのまま一日過ごすことにする
こんな風に今日も終わってゆくのかな
君はつぶやくけど
平和ってこんな日のことじゃないのかな
私は心でおもった
さくらがちって
思い出みたいに
からだにしがみついてきた
ふりはらわ ....
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