すべてのおすすめ
あの日　あなたは死んだ
あの日　あなたは産まれた

七回忌の集まりには多くの友だちが集まった
七回目の誕生日には多くの希望が集まった

その日　あなたは　厳かに言った

私はもう死んで　.... ことっ


かすかな音が
わたしたちの奥の奥のずっと深いところから
した





ぶくっ
ぶくっ





おずおず
と　.... 鳥山が立つとき
海の深層には
おおきな迷いが泳いでいる、と
あの日　あなたは教えてくれた

あなたの育った長崎の海は
いつも
あなたを包み込んで
すべてを許し　微笑んでくれた
そんな　.... きみが　ハイハイしていたころ
ぼくは　ダイナソーだった

ぼくが　家族を守っていたころ
きみは　オーロラだった

人の気配が
なーんにもない　ここは
ふたりが　初めて　であったところ、　.... トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころに。

翅は　なんにも思考せずに
ただ
トンボのこれからをひたすら羽ばたいていた。

大きな樹の小さな木陰で
すこしばかりの休　.... 森のなかで消えてゆく向日葵のため息が
とてもせつなく感じられるのであれば
きみよ
虹色の風をもういちど友にすることだ

光には影があり影のない光はない、と
たくさんの人が言うけれど
影の　.... トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころ。
トンボの翅はなにも思考せずに
ただ
トンボのこれからを　ひたすら羽ばたいていた。

大きなビルの大きな木陰で
すこしばかりの　.... ヨシキリザメが泳ぐ
ちいさな町の
ちいさな家の二階に
海はひそんでいる。

右手で白い幅広の帽子をおさえ
車椅子にのったおんなが
吹き荒れる海をみつめて
Ｖ字に固まった左腕と
尖った　.... 紫陽花は泣くのだよ
七色にかわってゆく自分を
雨の中でしか輝けない自分を
泣くのだよ

ももいろに咲くひは
あれど
うすむらさきの想いで
ばかりは
せんなくて
なんだよ
心をば
　.... ミストのなかを
ゆくえをなくした幽霊のように
さまよっている

虹色のわたしたちの夢が
血のいろにそまって
やせ細る

初夏

ひまわりは
かがやくことを忘れ
ベットのうえに
　.... もう
なつの光が消えてから
七年がすぎて
あれほど
うるさく
見舞いにきていた　テントウムシも青空も海も風も
すっかり
あなたを
忘れてしまって・・・

もう
あの日から
七百　....
ただのみきやさんの草野大悟さんおすすめリスト（11）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
賞味期限のない女- 草野大悟自由詩313-6-5
アジェリッド（涌き水）- 草野大悟自由詩413-5-9
鳥山が立つとき- 草野大悟自由詩9*13-5-1
風を釣る- 草野大悟自由詩4*13-4-21
晩秋- 草野大悟自由詩6*13-2-6
虹色の風- 草野大悟自由詩3*13-1-31
空あります- 草野大悟自由詩10*12-11-9
くじら帽子のおんな- 草野大悟自由詩4*12-8-26
紫陽花のころ- 草野大悟自由詩5*12-6-18
夢のいろ- 草野大悟自由詩3*12-5-28
忘れ去られる・・・ひまわり・・・の- 草野大悟自由詩5*12-5-15
Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する