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買い手のつかない
あの家のガレージに
クリスマスツリーが眠ってる

誰も開けない
シャッターの内側の
冷たく積まれた
スタッドレスタイヤの横で
去年の飾り付けのまま

彼女はラ ....
土から抜かれた細葱を刻んで
食卓にそえる

グラスに水を入れて
残りをさせば
頭と根がのびてくる

日にひとつ
歩みをへらし
粥をへらせば
命でこのよに
帰れるけど

初雪の ....
一面の海。一面の空
波の飛沫のとどかない中空の城

折れた七節を
秘密の糸で縫って
生き返ったと
誇らしげなきみに
魂について説く

きみより多くを知る道理はあっても
深く ....
あなたの世界を見た

ふたりが好きだった歌は

違う歌だった

私もいなかった

だれもいなかった
太陽から逃げ
砂漠に夜が満ちる

疲れて眠る黒髪を
オアシスの女たちが
優しく梳き解いていく

男たちは横になったまま
闇を見つめて
その音を聞く

唇に夜気がふれ
女たちの頬 ....
海鳥が

防波堤を飛んでる

釣り人も分け前もなかった

昨日の輪郭を追う
誰も住んでない荒れた庭の
梅の木の下にしゃがんで実を拾った
洗ってヘタをとって凍らせて
たっぷり一年梅づくしだった

味をしめた私たちは
今年も荒れた軒先に座って
梅の実が落ちるのを待っ ....
飼い猫の毛が逆立ち
逆さに降る雨粒が月を濡らす

冬に失った体温を戻そうと
白く四角い出窓から
春の粒子が舞い込んでくる

対岸の兄弟は庭先で麻を育み
買ったばかりの銃を磨く
幼い頃 ....
一人だけホテルに泊まらず
テント暮らしのあなたは
私と同じね

私も中学生の頃
今よりずっと幼く見られたから
子供料金で電車に乗っていたのよ

そのお金で本を買ったり
駅のホーム ....
わたしたちは折れた木
生長はもうしない

わたしたちは老いた者
遅いが近くで遠くにむかう

暗闇の合間に
消えゆくものを作る

未来に共感しながら
先制攻撃に頼る

最後の敗北 ....
雨に濡れた砂浜にビニール袋を敷いて

途切れなく続く紫の波濤を眺めていると

運動場の端にある雲梯の下で出会った

一匹のコガネムシのことを思い出した

あの頃の私は手に取るように虫の ....
砂は空を見る

短い時の嵐

過去と未来に分たれて

3分の1が残る

命が邪魔をする

エンタープライズに

人間は載らない
雪原で凍った
抜けないままの靴

住みついた雪ネズミ
科学という盗掘家の
運び手は荷物より小さい

冷えすぎたレコードを温めて
針をのせる
凍って開かない窓を
ぬるま湯で拭く

掃除機が編み針を吸い込んだ
冬眠を急ぐ熊のように

予定通りにしないと気の済まない姉たちが
雪の中で車を洗い
居間にツリーを飾りつけてる

 ....
毛布の花が体の上で咲いている
冬の寒さを養分にして
茄子を収穫するときは
少し手前の枝ごと切りなさいと
教わった
少し大きくなったら三本仕立てにするんだよ


久しぶりの晴天で
開け放ったカーテンに蝉がしがみついて
鳴いてる
大声を ....
明日
月曜日がくる前に
この世界が終わればいいのに
そうすれば土曜日も日曜日もこないから
そんなことを思ってる間に
世界はもう火曜日で
水曜日も木曜日も過ぎれば
週末の夜には5日前のこと ....
いつも姉は変な顔をして
私の髪を引っぱったり
口に入れたりした

足のつかないプールで
私の背中にしがみついてる

バースデーケーキのロウソクを消す
ソファで寝てる
ギターを持ってジ ....
本の中で、死んだ者はここに流されてくる
happy-endもbad-endも等しく

作業員達は
本棚の黴びた本を種火にして
廃材に火をつけていった

本が体を温める

文字を読める ....
草の間を
誰かの幸せを約束した風が
走っていく

固く閉じた地面から
這い出た夏の蔦が
頭を伸ばしていく

夜になれば
プールを洗浄する
機械音

落ちてきた十八等星を拾う
 ....
黒い芍薬
苺をつつく鴉たち
燃え草の茂みから南瓜が芽を出している

型枠だけ残した山村
川底の割れた舗装
空の色を変え、夏草を呼ぶように
降り始める雨
娘の手帳に、平和になりたいと書いてあった
忙しい生活の31日の隣に小さく

彼女はもう
眠ってしまったのかもしれない

冷めたコーヒーと乾いたマフィンが
ずっと手つかずのまま

 ....
ベランダの端に
長いこと積まれた
植木鉢の底
一対の鍵

名前も知らない
美しいふたり

命日に生まれた
どこにも行かない
面影をさがす
さよならを歌う

秋の陽射し
ゆっ ....
溶かされ
水滴に変えられた
悲しみが

香水の空き瓶の中から
じっと

外を見ている
教室ベランダ紫陽花と
舞い踊った校庭の砂

瞼を閉じてゆれる
きみの前髪
知ると集めたくなる
際限なく懐に容れて

千億枚の世界、見切れない世界
知りたいから知らない

花の首を折って手の平にのせて笑う
帽子ひとつで海に行く
浜辺に大きな銀色の傘
木陰に避難しながら
水売りをさがす

空と海と浜辺

反射しながら溶けていく
母と同じくらいの女性

スカートの裾が海水にふれる
砂に ....
グローブを投げても
届きそうにない白球を
見送って
近所の売店のアイスボックスの
スライドを上げる

手を入れる
当たり付きを探す
通りがかった同級生に
当りだったらやるよ
と ....
埋葬される私の胸に
日記帳がのせられていた
長い乾期が始まり、色褪せた紫丁香花が
垂れ下がっている

台風を待てば故郷は救われる
そう言って村人をつなぎ止めた
かつての独裁者の像が見下ろ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
12月の雨の下- mizunomadoka自由詩316-12-24
up_down_- mizunomadoka自由詩715-11-27
中立- mizunomadoka自由詩615-10-19
人絵- mizunomadoka自由詩415-10-6
月は- mizunomadoka自由詩415-8-30
指離崎- mizunomadoka自由詩215-7-5
ume_plum- mizunomadoka自由詩415-7-3
fall- mizunomadoka自由詩315-3-19
summer_white- mizunomadoka自由詩615-2-8
one_of_us- mizunomadoka自由詩215-1-18
コガネムシ- mizunomadoka自由詩915-1-18
Normal_death- mizunomadoka自由詩214-12-26
winter_shoe- mizunomadoka自由詩114-12-24
mathematics_music- mizunomadoka自由詩214-12-22
_- mizunomadoka自由詩314-12-19
winter_flow- mizunomadoka自由詩214-11-3
known- mizunomadoka自由詩814-9-8
tgif- mizunomadoka自由詩314-9-8
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火の中- mizunomadoka自由詩614-8-17
おかえりなさい- mizunomadoka自由詩614-8-7
bottom- mizunomadoka自由詩214-6-7
undefined_sign- mizunomadoka自由詩714-3-24
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6月- mizunomadoka自由詩313-6-10
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ポータル- mizunomadoka自由詩212-9-9
つち- mizunomadoka自由詩112-8-10

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