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優しい人の手を拾った
深夜だった
路上の片隅に転がるそれは
少し青白く
何だか寂しげに
落とし主が戻るのを待っていた
ひんやりと冷たく
落とせば砕けそうな手だった
それでいて重たく ....
立ち止まる 私の中に
暮れていく 背中の中に
それは広がる
そっと広がる
枯れて枯れない樹木のように
許されないあの嘘のように
追いかけてきて
そっと広がる
見上げたのは
....
赤く染まっていく電信柱の向こうに
夕暮れが突っ立っている
突っ立っているその背中めがけて
君が思い切りボールを投げつける
力の限りの全力で
見渡す限りの赤空へ
思い切りボールを投げ ....
その花の残り香を
私は憎む
枯れて捨てられた今も尚
微かに 確かに 残るその存在を
私は憎む
その花はとても美しく
それでいて派手さの無い落ち着いた面持ちで
場の暗く重たい空気を少し ....
死に続けている人を
思い出したり忘れたりしながら
生き続けている人を
遠ざけたり近づけたりしながら