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まだまだ
暑さが足元から
いなくなってくれない
晩夏の午後
彼女を乗せて
近所の海岸へ
浜辺に降りて
無邪気に波飛沫と
戯れる彼女を尻目に
広がる水平線を
瞳の奥に詰め込んでみる
....
どこまでいっても
暗い星空の下
しゃくれた岩肌の
綺麗事で冷え切った
体温に足を投げ出して
ただ
月がかけていく様を
薄ぼんやりとした瞳で
飽きもせずに
見つめている
これ ....
私に背中を見せたまま
茫然と立ち尽くしている人を
振り向かせたいから
静寂の悲しみを震わせるために
遠くまで聞こえるように
私は心を刻むのです
私の影に隠れてしまって
ひざを抱え ....
頭蓋骨の中で
産声をあげた言葉は
即座に成人を迎えるが
吐き出された刹那
暖められてた
体温も密度も
蒸発して消えてしまって
レコーダーで保護しても
中にはものまねみたく
自分に似た ....
燃え盛る炎を前に
書き連ねたノートを
次々と
呼吸している炎の口目掛けて
無愛想に放り投げて
咀嚼されて
短い時間のうちに
爛れてモザイクみたいな
灰に変わってしまって
木の棒で ....
大切に使ってた
真っ白な皿を割ってしまった
その日夜ふけに
目を閉じて
ぼくの視界を埋め尽くす
たくさんのシャボン玉を真似た
永遠をつかもうと
子供の頃好きだった
虫取り網を持ち出して ....
最初に見上げた時に見えた
生白い顔を曝け出した満月は
何度目の化粧を施したのか
もはやわからないくらい
ぼくの頭上を通り過ぎてた
その透き通った悲しい光の下を
ぼくは歩いている
最初に定 ....
路上に倒れこんだ冬の夜
体の芯から冷やそうと吹きつける
荒々しい木枯らしにつられたのか
降りしきっていた雨は
いつの間にか雪に変わる
地上に降り立ち始めた
情け容赦のない雪は
若 ....