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与えられた感覚のすべて 薄く高く引き伸ばし

やがて訪れるものを 待つ

未熟な 青い静寂の闇に 息をひそめ
 長く 瞑想に似た 忘我の時を経て
  小さく  小さく  微弱な  共鳴が始 ....
波立つ湖面は
薄い雲が駆ける空と
雪原が反射する
午後の日差しで
濁った銀色に 染められている

切り立つ山肌は
根雪まで吹き払われ
黒々とした 風の道を見せる

はるか上空 
 ....
早朝の青空に
ふらり 浮かぶ
 白い満月

しんと 静まり返った
人々の意識の空白を突いて

薄白い筋雲たちが
丸く集まった 作りかけのまゆ玉

風に 解けてしまいそうな
はかな ....
通勤電車の厚い窓に
朝の光が 何層にも折りたたまれている

世界を遮断して 
許されたものだけが 透過してくる

見渡す景色が 放射状の光の道たちに
遠く近く切り分けられて
本当の姿を ....
静かな 夜半のことだ

やせ細った月が 薄く流れる雲を照らして
とぎれとぎれの 心細い街灯を にじませている

昼でも閉まっている商店街には、
野良猫の姿もない

凍える自分の足音だけ ....
世界を締め出して
 かすかに囁く予感に 集中する

繰り返し 自分の正気を痛めつけながら 時間を飛ぶ 
自分だけが熱くこげる

それでも行き着くことができないゴール
ギャンブルの底の底で ....
街灯の光が届かないバス停で
忘れられたように バスを待ちつづける

終バスは すでに出た後かもしれないのに

ここに明日までずっと立っていても 
だれも話し掛けてはこない
 
光を乱反 ....
いくつにも分かれた小さな窓から 朝の光が迷い込み 
吹き抜けの天井に
響き合う

力の入らない魂が 誘いだされては
光の霧の中を 浮遊している

BGMのピアノの音が 
まだ一つに ....
島の西側には 人は住まない

西方浄土に開かれた島

穢れのない 輝く砂浜が 所々に小さく開かれて
海からの精霊たちが 少しの間休むための 青の洞窟

島を縁取るガジュマルの分厚い林が  ....
かすかな音に導かれて

薄暗い防砂林をかき分け 

青い海が 突然開ける

予想もしない光 自分の胸が裂けて 世界が開かれる

幾層もの複雑な青 視界が波に飲み込まれる  
潮風 ....
素直な言葉で 伝えたい

小さな旅の中で気付いた 僅かなこと

置き忘れられた 小さな輝きを

踏み潰されても 起き上がろうとする健気さ

暗闇の中で 小さくつぶやかれた誓いを

 ....
心の目が開くと
世界を流れる時間が 減速する

親しんでいた散歩道の背景から 
隠れていたものたちが 押し寄せてくる
 
バス停を囲む 豊かな街路樹の葉たちが 
輝く葉脈の意味を 語り始 ....
遠く 朝の空に カラスが 鳴いた 
空に向かって投げられた 一筋の石のように 
深く青い空の中 大きな羽影が音も無く遠ざかる

夜に満ちた寒気が 弱い光にわずかにゆるみ
 首を縮めたくな ....
さびた車輪が 降り積もった時間を振り払い 
重くきしむ

巨大な動輪が レールの上をわずかに揺れて 
危険な過去の岩石たちを粉々に砕く

車軸に浴びせられる 熱いオイルの飛沫が 
すでに ....
降りそそぐ5月の光が せせらぎの上を転がり 溶けて 

自らの背に光を受ける 小さな魚の群れが
黄金色の川底の砂に 等間隔の影を落とす 

若草の緑が流れを縁取り 
木々のざわめきが  ....
この秋のあまりの美しさに 歩みを止めてしまった友よ

色づいたけやきの葉を透かして やさしい光が
おまえの大きなからだをつつみ
少し眉を寄せて 落ち葉に埋まった足先を見つめながら
一人思いを ....
狭い廊下の両側に
小さく仕切られた病室が 
葡萄の房にようにしがみついている

病室は 使い古された機械たちで埋まり
その中に 忘れられた老人たちが 横たわっている


薄い ....
嵐が近づく空に 何層もの薄いすじ雲

重なり合い 競い合って 東へと速度を上げている

早朝の太陽は、雲の向こう側で白い輪郭を見せて
ときおり 周囲の雲を 白銀に輝かせては また隠れ ....
朝になっても 降りつづいて

白を重ねる 都市の眠り
 

音を埋められた通勤電車は カーブを滑る


列車の窓は 薄明るく曇って 

吹雪に閉じ込められた ....
まだ 朝のやさしい光が
町にあふれるまでには 時間がある

薄闇の中で 白い呼気が 
のろしを上げている

白いのろしは まだ街灯が灯る 細い路地を抜け
 古びた木造アパートの鉄階段 ....
どこまでもまっすぐな道が 
 枯れた牧草の なだらかな丘を超え
  ふと消えていく その向こう

金色の輝きが 青い空からあふれ出している

あまりに荒々しい 産声

私の体は 透過さ ....
異国の食べ物から立ち昇る 
 由来も行方も知らぬ物語

リズムがつかみきれない 不可思議な音楽に跳ねながら、
 細密な砂嵐のように 体を包み込む芳香 
  

風土と血に練りこまれ ....
オリーブの高い枝に取り残した実に
真冬の鳥たちが 激しい羽音をたてて

秋の収穫期の黒い実に 鳥たちは関心がなかった
寒さで 苦味が和らいでいるのか

銀白色のオリーブの葉影に 鳥たちが集 ....
冬の夜 布団にもぐりこんできた君
冷たい肉球を 体の内側に折り込んで 目を閉じて なんの挨拶もない

真っ黒の顔に白いひげだけが ほうき星のように流れている


今夜はあまりに寒いから ....
ただのみきやさんのいねむり猫さんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
共鳴- いねむり ...自由詩220-1-6
一瞬の影として- いねむり ...自由詩516-2-7
白い月- いねむり ...自由詩716-1-31
車窓- いねむり ...自由詩316-1-30
静かな夜半のことだ- いねむり ...自由詩216-1-24
俺のゴール- いねむり ...自由詩3*16-1-17
バス停- いねむり ...自由詩516-1-7
朝の忘れ物- いねむり ...自由詩5*16-1-3
神の座- いねむり ...自由詩2*16-1-3
- いねむり ...自由詩1*16-1-3
言葉に託した- いねむり ...自由詩214-3-9
心の目が開くと- いねむり ...自由詩4*14-1-25
冬の朝のぼんやり- いねむり ...自由詩313-12-25
錆びた車輪- いねむり ...自由詩513-12-23
幼子が去った後には- いねむり ...自由詩4*13-12-23
友よ- いねむり ...自由詩5*12-3-11
捧げられる命- いねむり ...自由詩412-3-7
白い太陽の_こと- いねむり ...自由詩312-3-3
白の瞑想- いねむり ...自由詩2*12-3-1
まだ_朝のやさしい光が- いねむり ...自由詩5*12-2-26
生まれたばかりの光- いねむり ...自由詩112-2-24
スパイス- いねむり ...自由詩312-2-19
冬のオリーブ- いねむり ...自由詩812-2-18
気まぐれな_夜- いねむり ...自由詩312-2-12

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