すべてのおすすめ
広い邸宅など要らない
ベッドは
身体を横に出来るスペースがあれば良い
食卓には
茶碗の置ける隙間があれば飯は食える
とうそぶいて

新聞が 雑誌が 広告が 
テーブルに積み重なり
ベ ....
曙時に穴から這い出し
尻尾を立て太陽に体を向ける
体温増加が目的ならば
一匹ぐらい
背中を暖めていてもいいだろうに
どうして皆が同じ方向を向いているのだろう

父は
ぼくと弟を傍らに並 ....
どんなことを言おうと
そりゃまあ 自由ですけどね
だからといって 妄想したことを
有ったようにしゃべりちらしちゃいけませんわな

妄想だよってしゃべりゃいいだろうな
想像だよってしゃ ....
いつも
未来を見つめているのですが

計画を練り 
ガムをかみながら
現在を過去に葬っていく

未来を見ていると
疲れるのでしょうか
そうともかぎらないようです

不意に
横か ....
頭と骨と鰭を付けた鯉が
泳ぐのを見た
首を落とされた鶏が
庭を走るのを見た

背骨のない蛸が泳いでも
背骨を抜いた鮎は泳げない

骨牌のような積み木(ブロック)が
髄で繋がっている背 ....
青空に広げた重機の股間が避けて
殴打される地殻 
四散する生きものたち

コンクリ―トで覆った{ルビ法面=のりめん}に
芽生えようとしていた希望は
封鎖されて腐敗してしまった
裸の川に秋 ....
  断捨離


芸術家とは無駄な作業をする人のこと

陶工は焼き上がった作品を
ほとんど破壊するという
書道家も高価な墨と高価な硯で文字を書き
高価な紙もろとも破り捨てるという

 ....
もう七二年も昔になりましたか
 第二次世界大戦が
 マスコミの話題になるとき
 浮かんでくる光景は

地方都市の国民学校3年生の教室
腕白な少年どもに囲まれて
おまえはスパイだと
小突 ....
困ってしまうんだ
生き物としてやるべきことはやったし…
残りはニンゲンとしてか

生き物でないニンゲンとして
やるべきことなどあるのかな

有るような…
無いような…

こう言 ....
僕は
僕を操作していたボクを殺した
僕の墓場に埋葬した死体は
決して生き返らせることはない

その夜僕は酔っていたのか
口から出てくる死体
スパンコールの衣装に身を包み
光の輪の中で高 ....
ハーネスを付けた老犬が
散歩している
ヨタヨタと…

仔犬の頃から
遊びあった犬
散歩中に私を見つけると
尻尾を回し飛びついてきたのだが

「マリリン」呼んでみる
近寄ってこない
 ....
その川は病院の屋上にあった
男はゆっくりと川に入った

  早暁の屋上には看護師はいなかった
  監視カメラも男をとがめなかった

男の中で長年… 
そう 半世紀ものあいだ
渡りきれな ....
  
昼間の火照りから解放された夕暮れ
ビルから流れ出た人たちが
睡蓮の群生する池の畔を帰っていく

池の畔のベンチに若い女が独り
 ....
朝の光に濡れた電車には
七人掛けのシートに七人が腰を下ろし
つり革にも人の手がゆれていた

厳つい男と痩せた男の間に
若い女がはまり込み
ゆらーり ゆらりと
自分の世界で揺れ始めた
 ....
隣近所の思いを気にしながら育てる桃
摘花はほどほどにして花を愛でてもらい
消毒は風のない朝ひっそりと行い

花が過ぎて
ようやく形のできてきた実を摘果する
このときワタシは
親から切り離 ....
定期便さえない南の離島で
ひっそり平和に暮らす家族も
獣道のような細い山道の奥に
密かに暮らす人々も
二十一世紀は容赦なく襲いかかり
その存在を世界に知らせてしまう

 ここに珍しい十八 ....
リサは
草原に群れるヒツジを描いた

 青い空 緑の大地
 日本の大人なら
 ほとんどの人が知っている
 クラーク博士の指す牧場
 に居た薄茶色のヒツジ
 の群れ

 三々五々 ....
手など
近頃 じっと見たこと無いが
今朝 背伸びをしようと
上げた手を見てしまった

よじれた皮膚の連なり
幾重にもかさなった山脈のようで
これがわしの手かね

柔肌を撫でた歴 ....
グランドの脇の水路に
サッカーボールは半身を浸していた

昨日も今日も橋桁に寄り添って
沈むことも飛ぶことも出来ないで
流れることさえ出来ないで
水面に出た半身が陽に焼かている

赤耳 ....
               

玄関へのアプローチはバリアフリー
歳経ればひび割れるコンクリートより
割れ目を隠すタイルが良いと  
ベージュとエンジの市松模様
両 ....
海が盛り上がり 
浪が陸に襲いかかる 
浮き桟橋を 港深く押し込み
道路に船を押し進めていく 
車が逃げる 人が逃げる 
テレビの画面

ソファーに掛けた私には
わらしべ一本投げ入れら ....
太古から受けついできた生命を
父と母から受け取って
生まれ出たあなた

いま 
腕を広げ 
足をのばして
世界の広さを
たしかめている
じゃまするものは
もう ないでしょうに

 ....
   人は生死の境をさまようとき
   花園を見ると言うけれど
   地獄の蓋が開くという彼岸に
   見たのは色を失った現世だった

闇の空から眺めていた
墨色の広大な砂場には
まばら ....
人として生まれた生き物は
生涯人を捨てることはでき無い
  どのように生きようとも 
  どのように考えようとも
花粉も埃も取り去った無菌室で
くらしていますが
危険はどこかに潜んでいて
いつも隙をうかがっているのです

みがききぬかれた手すりが
不思議なことに
摩擦をなくしていたり
すべらないゴ ....
目をつむると見えるものがあった

遠くの山頂に輝く光
道は途中で草むらに隠れ
どこまで続いているか見えないけれど
どこかに沢が有り
林間に小道が有り
小動物の通る道など
きっと到達する ....
私たちが普段
眺めている雲は
お尻だ
顔は宙に向けられている

中空を飛ぶ飛行機が
教えてくれた

お尻は垂れて
砕けて
地に届く

顔は
白い炎のようで
群がる羊のようで ....
熟柿の臭いにおぼれる眼底
海の深み遙かに沈んだ蓚酸の
記憶がこみあげ喉を焼く

都会の底をさまよう脳が
見上げた夜空の淵に
人魚の嬌声が泡立ち  

怒りで放った銛は
領巾にから ....
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている

淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く

潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
一時寒くなった初秋が過ぎて
再び訪れた夏日の朝
何を血迷ったか朝顔が起き出してあたりを眺めている
 なんか気の合いそうな方が芽ぇ出しとりんさるがな
 おみゃさん ひょっとしたらゴーヤさんやない ....
ただのみきやさんのイナエさんおすすめリスト(242)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
狭い部屋- イナエ自由詩18*16-10-21
ミーアキャット- イナエ自由詩7*16-10-15
指向性。または、発熱の日に- イナエ自由詩8*16-10-12
天変地異__あるいは- イナエ自由詩5*16-10-9
backbone- イナエ自由詩6*16-9-22
「彼岸花の咲かない河畔で」- イナエ自由詩4*16-9-19
断捨離- イナエ自由詩3*16-9-16
八月の光景- イナエ自由詩4*16-7-29
何故生きているかと聞かれても…- イナエ自由詩3*16-7-19
亡霊- イナエ自由詩6*16-7-12
犬眠る、そして_ー歳を取るとはこういうことか23- イナエ自由詩15*16-6-23
ある男の命日に- イナエ自由詩11*16-6-20
睡蓮池の畔にて- イナエ自由詩14*16-6-6
スマートフォンの間で- イナエ自由詩13*16-5-30
摘果- イナエ自由詩11*16-5-14
21seiki- イナエ自由詩6*16-5-9
茶色いヒツジ- イナエ自由詩6*16-5-4
百年の恋も…- イナエ自由詩7*16-5-3
水に浸かるボール- イナエ自由詩9*16-5-1
タイルに段差があるなんて_歳と取るとはこういうことか⒗- イナエ自由詩6*16-4-23
布団ひっかぶって寝転がっても- イナエ自由詩3*16-4-2
赤ちゃんの足- イナエ自由詩15*16-3-24
地獄- イナエ自由詩7*16-3-22
ヒト・ひと・人- イナエ自由詩6*16-3-1
塀の中が生きる世界の全てだとしても- イナエ自由詩16*16-2-15
「目をつむると」_ー歳を取るとはこういうことか(9)ー_- イナエ自由詩16*16-1-25
雲の顔- イナエ自由詩7*16-1-23
嘔吐- イナエ自由詩10*16-1-13
暁光- イナエ自由詩20*16-1-7
二〇一五年十一月二八日_ー_ゴーヤと朝顔の物語_ー__- イナエ自由詩12*15-12-23

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する