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藍ではない
 紺でもない
  空いろ は何色と
   云うのだろうか
水いろ と云うのだろうか
それとも 海いろというだろうか

早苗月 は 寡黙である
   列車の 過ぎる音もない
 ....
    バルコニーの 天井が
 五月雨で 滝音をたてている
       幼き 三次元を 
    想起させるように と
    そぅだ 日照りのため
 生れ故郷も すなおになって
 雨を ....
君には とっくに 
わかってることだよ なぁ

脳髄が八丁味噌となって 
発酵し 腐敗しかけている ことを
空虚となった 胃袋のなかで

そぅだ 
老いは老いでも
北風に耐えてる
 ....
停滞の蒼穹から
       聞こえてくる
ピアノのよろめいた 音程が
でも・・・
 どうして 立たぬのだろう
   こんじきの さざ波が
そうだ ・・・きっと
 魔弾の吹き矢が
   ....
      蒸し暑い 水無月の夜
   ベッドで 寝返りを繰り返し
枯渇した 卒寿の大脳をもてあそぶ
      だが 暗黒の寝室には
        琴線の余韻はない
   笛や太鼓の山彦 ....
老化した こころを蹴散らす
統抜ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ ....
 広場の顔した 原っぱは
  住宅街の 一角にある
  四号公園の立札みせて
   
         そして
男の幼子は 黄いろの声で
     掛けっこを始め
 女の幼子は ブランコ ....
      裏庭に面した
   ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
   レィスのカァテンが
    待ちわびたように
 それは見事な波を創って
        (そして
   ....
 ベランダの 屋根にころげた
          五月雨は
 (去年の柿の枯れ葉でできた)
  樋のつまりに さえぎられ
 卒寿のなみだの まねをして
     ぽっり ぼっり と
    ....
    わがやのまよこの
       原っぱには
(ときには鴉が来るけれど)
 幼い子たちを待ちわびて
 晴雨をいとわず座ってる
   木製ベンチと滑り台
    ジャングルジムや
  ....
       うれしいよぅで
       あわれのよぅな
卒寿を過ぎた おひとりさまは

 手足を動かす 園児のよぅに
      (わが子か 孫にも
        等しい年代の
 ....
錆ついて 細く小さく 縮こまった
わが古家を 見くだすような
裏の隣りは
新築された豪邸が
 ....
 春とは名のみの夢見み月が
 発育不良な日差しを漏らし
       涸れた裏庭を
     舐めはじめるとき
      何もしないのに
    ほころぴてゆくのは
   腕時計の不要に ....
野の鳥のさえずり とだえて
    空が深いなか から
 巡回豆腐屋の拡声器だけが
        冴えわたり
  猫背の髄は 傾くばかり

   金属にも疲労があるという
       ....
       東海は きさらぎの
      優柔不断な 虚空から
  ふわふわ 裏庭に 舞ってきた
       不揃いな 粉雪 め
          ひょっとして
  寸暇を つぶして ....
    腕ぐみで 冥想の真似をして
   過ぎた心情を つまんでみても 
 もはや 始まらないが どうしても
のどにつまるのは 青い年に生まれた  
      つぶやきの苦さ ばかり

 ....
  おさなごたちが 飽きもせず
   年積月の 乾いた空の下で
  小公園滑り台を繰り返したり
 片隅ブランコをゆすり続けたり
       ジャングルジムで
    サーカスをまねたりして ....
   ものさみしい家並みのあいだで
       どこに棲みついたのか
      けさは珍しく ひととき
          子すずめたちが
         わめきあっている
      ....
     年積月の西日が 

南だれの居間になだれこみ

    たそがれまじかの

いそがしさを そそぎこむ

       原っぱでの

     おさなごたちを

 小踊 ....
かたつむりの まねをして
「時」をつぶしている
卒寿となった おひとりさま

臨死のまなざしとは
あの「空」のことなのだろうか

過ぎ去りし「時空」にすがりつく いま
もうあの友も そ ....
庭木の梢が 北風で揺れている

踊っているのか

笑っているのか

震えているのか

呟いているのか

でも  泣いてはいないよ ね
      丘ひだの わがやに
      もう雀のさえずりが
    まったくきけなくなって
       しののめの窓辺に
      明るみがさしたとき
    指先で目やにをぬぐって ....
ゆめかうつつか

天気予報とうらはらに

どこまでも

はるかにひろがる

青天井
    けだるく湿っぽい梅雨どき
   ねずみいろの空を取っ払って
  エーゲ海の空をおもわせるほど
青いこころを呼び起こすものはない

   ねむたくかびくさい梅雨どき
    雑木林の ....
「あすは曇りがちで
 午後には雨となるでしょう」

    そういう 予報を耳にして
   その日は 予定を変えたのに
   水無月の気圧はあまのじゃく

俗にいう梅雨の晴れ間がのぞきこ ....
(呼び名は市道というのだが)
 
 わが家に接した舗装路は
  歩道と車道の区分なく
     往きかうかげは
       乏しく淡く

   そのうえ しばしば
  三毛猫さえも巡 ....
      (なんのことはない)

 傘寿のリビングに鎮座し続ける
       ねこぜのトルソは
    冷たい時空におどされて
            いまや 
    吸う息を灰色に ....
   優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
   セイロンサファイアの
     鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま

     広場の木立ちには
   回遊の子雀 ....
     うずくまっていた
   卯の花月がながされて
  田の草月にめざめるとき
  老残は猫背を反りかえし
      両手をかざして
  なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をま ....
      おれが猫背になる前は
   風と光に色つやがふくまれて
祝い旗が屋上ではためいていたのに

       卒寿となってからは
     皺だらけの手旗となって
軒下で垂れさがっ ....
ただのみきやさんの信天翁さんおすすめリスト(154)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無_題- 信天翁自由詩118-5-25
欠_題_その一- 信天翁自由詩618-5-13
失題(6)- 信天翁自由詩218-2-17
気虚- 信天翁自由詩217-7-1
水虚- 信天翁自由詩117-6-30
枯渇の想い- 信天翁自由詩117-5-27
想いは枯れて- 信天翁自由詩317-5-22
五月の風- 信天翁自由詩817-5-14
五月雨- 信天翁自由詩217-5-13
つつじが丘四号公園- 信天翁自由詩517-5-6
だいこんの里(その二)- 信天翁自由詩217-4-29
痩せ我慢- 信天翁自由詩217-4-15
染色月(一_)- 信天翁自由詩417-3-8
卒寿のかげ(五)- 信天翁自由詩217-2-25
卒寿のかげ(三)- 信天翁自由詩317-2-20
卒寿のかげ- 信天翁自由詩417-2-5
断章_九- 信天翁自由詩316-12-19
断_章(四)- 信天翁自由詩316-12-10
断_章_(二)- 信天翁自由詩216-12-3
自戒(九)- 信天翁自由詩216-11-25
塑像(九)- 信天翁自由詩216-11-20
蘭月- 信天翁自由詩416-7-1
鳴神月(七)- 信天翁自由詩416-6-30
塑像_三- 信天翁自由詩316-6-18
鳴神月- 信天翁自由詩216-6-9
王道- 信天翁自由詩516-6-5
望郷(十)- 信天翁自由詩316-6-5
望郷(九)- 信天翁自由詩516-5-31
望郷(八)- 信天翁自由詩416-5-27
望郷(七)- 信天翁自由詩216-5-25

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