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貝

僕は貝になって　深い深い海の底へ沈んでいった
クラゲの群れをよけて　大きなクジラに驚いて
どれくらい時間が経っただろう　一瞬にも永遠にも感じる
ごつんと音がして　どうやら一番底まで辿り　.... 砂漠

軽はずみで旅に出るなんて　そんな僕を君は笑っただろ？
夢という鎧で武装して　年老いて時代遅れの心を隠した
弱音は外に出ないように　奴等はすぐに嗅ぎ付けてくるぞ
強気な言葉は他でもない　.... 低気圧と偏頭痛

雨降り土曜日 ぎこちなくスーツを着こなして
街の風景に いかにも溶け込んでいるふりをする
大通りはパレード 通り過ぎてく行列を
眺めながら頬張る 503kcalのハンバーガ　.... ネコマニア

さようなら　いつの間にか居なくなった友達へ
悲しいけれど　すぐに忘れてしまうかもしれない

お墓を建てよう　冷たい地面の上じゃなくて
まだ暖かい　心のずっと奥の方に

い　.... 言葉の海

大まかな地図を書いて
言葉の海に飛び込んでゆく
大きく息を吸い込んで
深いところまで潜ってゆく
言葉のかけらを見つけて
浮上する
欲張って今度は
もっと深いところまで潜っ　.... カブトムシ

いつから迷い込んだっけ　時が止まった森の奥
木漏れ日が遠ざかって　全ての音が消えてゆくよ
暑苦しい日々に　君はもうふて腐れてしまって
僕の話にだって笑わない　もう飽きてしまって　.... 日常の詩

彼がそもそも歌いはじめた　理由はもう思い出せないけど
物心がついた頃から　歌うことはずっと近くにあった
そんな彼にある日　父親がギターを買ってきた
誕生日でもクリスマスでもない　　.... マンガガール

メルヘン気取って　また妄想の世界に浸って
マンガの話ばかり　彼女は黙らない
可愛いもんだけ　心に詰めるだけ詰め込んだら
どんどん醜く見える　外見の体が嫌だった

だから着　.... ユメミルサカナ

僕はとてもとても大きな　水槽の下の方
澱んだ水の中で　こっそりと暮らしている
もう誰も見なくなった　暗闇に紛れて
夢を見ていた　まぶたは開けたままで

どこでだって　の　.... a book

僕は古書店の隅　いつまでも売れ残っている一冊の本
誰かに買われるのを　いつまでも待ち続けている
声には出さずとも　喋りつづけているのだ
時には歌うように　そして時には叫ぶよう　.... アメーバ

君は今雫になって　真っ白な画用紙の海に
飛び込んでゆく　真っ黒な一滴のインク
産声を上げることなく　静かに染み込んでいって
誰も知らない形になる　今はまだ途中だけど

そもそ　.... さようなら、ピーター・パン

大嫌いな方の僕を　いつか置き去りにしてきた
長い時を経て　離れたつもりでいたんだ
たくさん歩いてきたけど　結局同じ場所に戻っていた
変わらない姿の「そいつ」は　　....

ただのみきやさんのitukamitanijiさんおすすめリスト（12）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
貝	- itukamitanij ...	自由詩	3*	14-10-22
砂漠	- itukamitanij ...	自由詩	1*	14-1-9
低気圧と偏頭痛	- itukamitanij ...	自由詩	2*	13-4-24
ネコマニア	- itukamitanij ...	自由詩	2*	12-10-31
言葉の海	- itukamitanij ...	自由詩	1*	12-7-10
カブトムシ	- itukamitanij ...	自由詩	1*	12-6-29
日常の詩	- itukamitanij ...	自由詩	1*	12-6-14
マンガガール	- itukamitanij ...	自由詩	3*	12-5-22
ユメミルサカナ	- itukamitanij ...	自由詩	2*	12-4-1
a_book	- itukamitanij ...	自由詩	1*	12-3-11
アメーバ	- itukamitanij ...	自由詩	1*	12-3-9
さようなら、ピーター・パン	- itukamitanij ...	自由詩	2*	12-2-6

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