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小さな穴を掘って
小さな埋葬をした
小さなかなしみに
小さな花を供えた

小鳥には翼があるから
虫のようには眠れないだろう
空を忘れてしまうまで
地中で長い長い夢をみるだろう

 ....
コップのなかに
残された朝と
醒めきらないままの
水を分けあう

魚のかたちをして
水がうごく
夏のはじまり
ゆっくり水際を
泳いでゆこうとする
小さな魚だ

草となり
ただ ....
窓を開けると
蝉の嵐がどっとなだれ込んできた
熱風のかたまりを大きな捕虫網ですくい取る
いっぴきの夏を追いかけたまま
少年の夢はなかなか覚めない

布切れで父が
細長い袋を作った
針金 ....
もう止まないかもしれない
そんな雨が降りつづいている
街も道路も車も人も
みんな水浸しになっている
ほんとに誰かが
大きなバケツの水をぶちまけたのだろうか
梅雨の終わりの最後には
雨の神 ....
それは鯨ではない
おたまじゃくしだ
スケッチをするぼくの背後で
だれかの声がした

骨になって眠りつづける
博物館の鯨
宙に繋ぎとめられたまま
白い夢はなかなか
目覚めることができな ....
ひつじがいっぴき
ひつじがにひき
ゆったんという名の
ひつじの湯たんぽを抱いて寝る
そのひつじを見失ってしまえば夢の国
いつしか踏み迷ってしまう
いつもの道がある

川原のようで ....
乳母車を押して
雪道を祖母が
駅まで迎えにきてくれた
ずっと昔
汽車は忘れるほど駅に止まってたもんや
毛糸玉がだんだん大きくなっていく
古い服が生まれかわって
新しい冬を越す
ぼくの記 ....
久しぶりに、いよちゃんに会ったら、前歯が1本なくなっていた。笑ったとき、いたずらっぽくみえる。
乳歯が抜けかかっていたのを、えいやっと自分で抜いてしまったらしい。それを見て母親はびっくりしたと話して ....
山の水があつまる
わんどの深みに
ザリガニのむき身を放りこむ
暗い川底が
ぐるるんと動いた夏

七輪でおばあさんが焼く
ナマズの蒲焼き
田んぼの畦を吹きわたって
麦わら帽子の
ひさ ....
いつからだろう
背中に川が流れている
岸辺には
大きな榎の木がある

その川には
エノハという美しい魚が棲んでいた
むかし
榎の葉っぱが魚に変身するのを
おじいさんは見たという

 ....
父が商人になったきっかけは
一本のから芋の蔓だったのです
長男だった私は
そんなことを弔辞で述べた
そばで母や妹たちのすすり泣きが聞こえた

その前夜
父はきれいに髭を剃ってねた
どこ ....
きょう
夕焼けをみていたら
いきなり空が
あかい舌をだした


空よりもずっと
遠いところ
飛行機にのって
バスにのって
橋も渡ったのに
ここは山ばかりなのね
と少女はいった
 ....
雨あがり
ひたひたとどこかで
小さな眼が
光っているようだ
きっと虹を隠しているんだ
あいつら
カナヘビたち


すこしずつ
空の時間をずらしている
気をつけるんだな
光ってい ....
古い家の梁に
ロープを掛けただけの
私の特製ぶらんこ
ゆらゆら揺れているのが好きだった


目をつぶると
ぶらんこの旅がはじまる
家ごとゆらゆら揺れて
私は遠いところまで行ってしまう ....
逃げていくキラキラ
水際から雲の先っちょまで
白い捕虫網をもって追いかけた
ぼくの夏やすみ
めくるめく透きとおった羽から羽
声から声の甲高い呪文に
ぼくは敗けてばかり


シュクダイ ....
土の匂いがした
草の匂いがした
木の匂いがした
日陰ばかり歩いていたら
人間も虫になった


鳴くこともできず
飛ぶこともできず
交尾の仕方もわからず
それでも人間は
虫になれた ....
追憶の
夏は幾重に
折りたたまん


遠花火
ひとつふたつと
過去があり


朱に染まり
空を制覇す
きみとぼく


抜け殻が
抜け殻を生み
夢さめぬ


この ....
初潮ということばが
海のことばみたいなのはなぜかしら
などと考えていた頃に
おまえの家は紙の家だとからかわれ
わたしは学校へ行けなくなった

わたしは紙のにおいが好きだった
ノートのにお ....
いまは6月の風が吹いている。

空には太陽があった。
雲があった。
そして月があり、星があった。
ときには羽をもった鳥や昆虫たちが、空の近くを浮遊していた。

ぼくは中学生だった。
あ ....
ただのみきやさんのyo-yoさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つばさ- yo-yo自由詩9*16-3-27
夏の魚- yo-yo自由詩15*15-8-12
夏の少年- yo-yo自由詩6*15-8-8
雨が降りつづいている- yo-yo自由詩7*15-7-4
鯨はみどり色の夢をみていた- yo-yo自由詩6*15-3-4
今年もおみくじは吉だけど- yo-yo自由詩9*15-1-8
そのとき光の旅がはじまる- yo-yo自由詩16+*14-12-1
ガラス玉遊戯- yo-yo自由詩10*13-11-8
山の水- yo-yo自由詩11*13-8-28
榎の葉っぱ- yo-yo自由詩613-5-24
弔辞- yo-yo自由詩1513-4-30
やまぶどう- yo-yo自由詩1412-9-18
そうしつ- yo-yo自由詩1012-9-10
鞦韆(ぶらんこ)- yo-yo自由詩1412-9-3
つくつくぼうし- yo-yo自由詩512-8-25
虫の季節- yo-yo自由詩712-8-20
空の淵より、五七五- yo-yo自由詩612-8-13
紙の家- yo-yo自由詩2112-6-25
6月の風- yo-yo自由詩612-6-13

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