何を言ったところで、
地平線まで埋まった
人類の群れは
いっこうに減る気配など無く
眼の前に蠢いている。
こんな気配を感じたとき
我々は目を見開こうとはせず、
もちろん、目を瞑ってい ....
夕暮れの縁側
ふと気が付けば
秋はすぐそこで
僕の憂鬱を抱えて待っています
ああ
夏が終わるのか
そう呟けば
少しばかり涼しい風が
心の隙間を
通り過ぎていきます
夏の ....
地球の公転軌道がほんのわずかずつ
ずれていることを憂うガリレオの
思いを想い過ぎて
抑うつ気味になった僕は
バナナがいいと聞いて
毎朝食べるようになった
いつか太陽の手をはなれ
地球 ....
あんなに耳障りだった蝉の声も
虫眼鏡で集めたみたいな痛い陽射しも
まるで色あせ始めた遠い物語
なだらかな坂道を自転車でおりると
向かい風がほんのわずかの後れ毛を揺らす
時折小石が顔を ....
異常気象というけれど
二十四節気はまだ狂っていないようだ
啓蟄にはたしかに土の匂いが漂いだすし
きのうは処暑で
あきらかに暑さが退散している
加害者づらしてエコを論ずるよ ....
夢は過去に溶かされた。
空気中に漂う粒子がやわらかい光を放つ。
それはきっとあたたかい。
立ち止まっているのは動けないだけ。
迎え撃つのは簡単だがこの手で仕掛けることはできない。
腹痛が ....
・
幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
聞こえなくなっちゃった右の耳が
ざわざわ きーきーしてた
右の耳が聞こえるって
私の声がしゅわしゅわと
サイダーみたいに溢れ出て
あなたの周りを包み込む
ありがと
神様がいた ....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
明日を30回数えた午後
空からたくさんのきのこがふってきました
私はそれをとてもきれいだとおもいました
きのこは
隣に住んでいたハイカラなおじさんを連れて行きました
私はおじさんはもう見 ....
夏の夕暮れ
散歩する僕を突き放すように
雲は遠く空を覆っている
沈んで行く太陽に照らされて
黄金色に光っている
あたりには
雨の匂いが満ちてきて
遠くから雷鳴が聞こえる
....
祖母が倒れた晩
私が寝ていた土蔵の屋根から
人魂が立ったと聞いたのは
ずいぶん後のことだ
祖母のねんねんこの中から
見つめていた風景の記憶は
溶け残る雪がへばりついた
色のない晩冬の ....
朝焼けは随分きれいで
青紫のしじまに黙りこくり
そっとアクセルを踏み込む
見慣れた速度で
過ぎていく風景をやり過ごす
少し肌寒くなったようで
エアコンのスイッチを消した
仄かに燃えて ....
水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった
大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない
川のあたりできれいな石を探すようには
見つから ....
かなしみの淵をなぞるゆめ
鋭利なガラスで指を切るゆめ
開いた詩集を風が繰るゆめ
その一ページに血をこぼすゆめ
うすももいろの唇に
ぼくのインクで紅を引くゆめ
まだ汚されぬやわはだに
....
あいしてる、
あいしてるよ
今日はいいたいんだ
いつもはことばにすると
びっくりするくらい
縮小されてしまうけど
ちょっとだけでもいいから
きみに見えれば
いいと思った
8月 ....
花垣線に乗った。
駅長さんを呼んでみたが、
もうずいぶん前から、この駅は無人だった。
乗り換えの駅に到着した。
次の電車が来ないので、
改札を通って、待合室で待った。
強風のため、 ....
「始」
新たな枝の方へ折目正しく曲ろう
幼い葉っぱにいちいち名前をつけよう
選んできたのはいつも自分だから
勇気を転がしながら歩き始めよう
「発」
....
第一幕
私に穴があいてしまった
安物のメビウスを架けて
これはピアスだと言った
第二幕
私に穴があいている
冬場は雪で埋まるけど
夏場の私は晒し首
....
夏の灯に魅せられて
たくさんの蝶や虫たちが
集まってきた
蒸し暑いホームで
営業を終えた若いサラリーマンが
冷えたアクエリアスを ごくり と飲んだ
ジイジ ジイジ
....
田んぼの道ぬけて
山ひとつ越えて市街地に帰った
藍いろの街のひかり
遠くからだからかやさしい眺めだ
あのひかりの中でぼくは
ハードルを下げたまま生きているひとを
....
日差し浴び
ぐんと伸びやか私のこころ
海がみたいね
言われて来たよ
海山サーフィンなんでもござれ
ズボン裾
まくり上げて
ひとり遊ぶ
そんなあなたを
しゃがんで眺む
駆けてくる
逆光だからか ....
2000年、夏
小学校最後のこの夏に僕はミイラを作ることを決意した。
その夏は小学1年の時、図書館にあった本で見たロザリア・ロンバルド
というミイラ少女にあこがれて6年目の夏でもあっ ....
送り火みたいな花火をした
愛犬は鼻を火傷しそうになり
わたしたちは
少し寂しかった
お盆も終わって
仏様はみんな帰ったけど
納骨の済んでいない魂は
未だここに残っている
....
真夏の道
揺れる蜃気楼の向こうに
君が見えた気がして
通り雨
子供達の笑い声が
吸い込まれた雲
秋の気配を
忍ばせた空気に
形を変えて流れてゆく
夕暮れ
空の色が紫に変わる ....
スキップする/スキップして笑い/唄う
遠ざかってしまった青い空も雲の上には
きっと、まだ残っているのだろう
目に見えないからと諦めてしまうのは
いけないことではないのでしょうか
背伸びした位 ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを
みつけだしてそこから僕の人生は決まった
一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを
朝から晩まで引き続けていた
将来はビッ ....
「すきなんだよ…」
蝉の声と重なってよく聴こえないよ、
ねぇ そんな顔をしないで
ブラウスの裾掴まれても困る
だってわたしは あのひとのもの
つい最近だけど かたおもいだけど
それでも ....
浴そうに張ったお湯に
指を挿し入れる
前のめりになれど
湯垢の帯を隠すことなどできもせず
立ち尽くしたまま夜を明かせば
ふやけた皮膚の中には
誰の後悔が詰まるのだろう
....
だいすきと言ってしまえば
それだけのただのことばに
なってしまうの
「その辺で待ってて」だたち
にその辺にあたしの場所を
つくって待ちます
にんげんはこんなに体のお
おき ....
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