重い防具担いで
朝早くから歩いた道を今
二人揃って手ぶらで歩いてる
たった数年前の事を話して
涙目になったりする
もうあの頃には戻れないんだなぁ
などと言いながら
6年間飽きもせずに ....
歌舞伎町のプロントで
わたしは人を待っていた
雨が降っていた
隣に一人の男が座っていた
男は真っ青な顔をして
口をつぐんでいた
嫌だなあこいつ吐くんじゃないか
ふとそう思った
湿り気を ....
よちよちとあどけなき手に握られた小菊の束はあさつゆに濡れ
街かどに伽羅のかほりの漂ひて白き日傘に蝉時雨のふる
いま何処におはしますやら彼の人の辿るゆくへは菩薩か修羅か
....
お困りですか?
「お困りです」
それは大変ですね
「大変と言えば大変だけど・・」
だけど?
「みんな誰しも困っているでしょ?」
そうですか?
「あなた ....
薄闇がやってきて
あなたを連れてきた
あなたはわたしを連れて
小さな部屋へ行った
小さなランプを灯し
小さなラジオのスイッチを入れると
ピッチの少しずれた音楽が流れて
わたしは
あなた ....
舐めて治す
生で食べる
裸だ
生殖のために交尾する
こどもを育てる
親の顔は知らない
生きるために殺す
悩まない
日陰で眠る
平均台の上を歩くみたいに、生きてる
両の手を横にのばして、バランスをとる
あせってはだめ
はしるなんて、なおさら
足もとばかり、見ている
けど、前を向いたほうがキ ....
明け方の薄い空の下で
やわらかく湿った地面の上で
何か、いいものを見つけましたか
たとえばきれいな色の小石
たとえばいい匂いのする野草
星屑のなめらかさ、夢で出会っただれか
その眼 ....
景色に向き合って
言葉に託して 文字に興して 整理整頓
アルバムのページがまた一枚 綴られていく
たった一つしかない煌めき
めぐる めぐる かぜ めぐる
影灯籠に映る少年の ....
次に私が拾った獏は
これはもう生まれついての
野良獏だったから
やっぱり夢は食べなくて
好んで食べたのは・・・嘘
あぁ 私はどうしたらいいのかしら
せっかくイイヒトで通してきたのに ....
君よりも、頭ひとつぶんくらい背の低い私
君の見ている景色とは違う景色を見てる
君の見ている景色はどんな風に見える?
私はどんな風に君の眼に映ってる?
君とおんなじ場所にいても見えるもの ....
寂しさを紛らわすひとり遊びはもう飽きた
飽きたからといって、呼吸は止まらないし
心臓も未だ体中に血液を送り続けている
黒く長い髪は暑さに弱い
それでもいつまでたっても
迎えはこないんです ....
どうかわたしを救ってください
救ってくれますか
わたしの言うことは全部嘘です
だけど救ってくれますか
大きな音がわたしを襲います
遠くから大きな音が今は小さく
聞こえます
あなたはわたし ....
首都である、あるところは
ありさんが3列縦隊をしているかのような忙しさ
『なにをそんなに急いで歩くのか?』
田舎もんは疑問に思うんよ
そんなに急いだら、あの唄のようになっちゃう ....
まるではみ出した水彩画を上手くごまかそうとするみたいに
わたしはそっと何度も自分自身に修正を加える
涼しい風が吹き二階の部屋の窓からは青く広がる田んぼが見える
ベッドに寝転べば風の音とシャラシャ ....
さいごに君に触れたとき
まだあったかかった。
さっき
それを思い出してね、
そばにあったくまのぬいぐるみを抱きしめたんだ。
そっと。
こんどはこわしてしまわないよう ....
釣れた、釣れぬは
問題ではなく
私が尋ねたいのは
「何が釣れますか」
それだけ
どうぞ素敵にこたえて下さい
たまたまの数秒
真偽は気になさらずに
私もまた
....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
もう、君には触れられない・・・
僕の手は穢れてしまったから。
辛くて、苦しくて、逃げたくても、敵わない。
時が元に戻るのならよかったのに。
だけど、そんなことはありえない。
嗚呼 ....
不確かな世界で死んだ振りの上手な彼女
笑い転げた青い日々の残骸
抱き寄せた透明な腕がひんやりと手に吸い付く
【愛してる】
けして言わない言葉を繰り返して歌を紡ごう
【そうね、 ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て
船は今日も出てゆくのだ
海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ
....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく
しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
土砂降りの雨の中を
黄色い車に乗って走る
そんな夢を見た
助手席には
見知らぬ女がぐっすり眠っていて
いや
もしかすると
眠っているのではなく
死んでいるのかもしれない
....
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう
ここは
たまたま落ちた夢の国
だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ
ねぇ、アリ ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます
ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
枯れた花に心奪われて立ち止まる あの時の君の掠れた笑い声
キスが下手なわけじゃないんだ 本当は君の唇が苦手なだけ
私の獏は夢を食べない
捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから
長い長い格闘の結果
....
ゆうべのお日様と反対側の窓から
パリっと香ばしいクロワッサンとカフェオレを照らしていく
キッチンでは片手に乗るのからホームベースほどのお弁当箱に
基本は20品目の彩りと怒りと愛情をつめていく
....
あたし達は多分
できかけのべっこうあめみたいに
ぐにゃ、ぐにゃ、してる
べっこう色、
きれいな固い肌も
もってないし
白い上白糖の、
さらさらした柔らかさも
なくしちゃったし
....
人はみな
いずれかの地に 生きる場所を求めるもの
山に
野に
海に
ここで生きてゆくと 決め
その地を愛するもの
それが
国を愛するということなら
その土を愛せよ
丁寧に耕し
....
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