さぁ、耐えねばならぬ季節がくる
 木々は余計な葉を落とし
 迫り来る冷たい冬に
 まるで清楚なクリスチャンが祈るように
 凛として空を仰ぐ

 煌きが冴える季節でもある
 人々は暖炉あ ....
ランチのあとについてきた
小さなニューヨークチーズケーキに
君は幸せそうな顔をしてた

コーヒーの苦みを
よりいっそう素晴らしく思うのは
君が喜んでいるからかな

 鏡の中 はしゃいで ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
昨日のゴミ置き場で 
幸せそうに日向ぼっこしていた 
白い便器の蓋が 
今日は無い 

腰を痛めて十日間 
介護の仕事を休んでいたら 

先月の誕生会で 
目尻の皺を下げていた 
 ....
♪ http://www.geocities.jp/mfta29/yakusoku.html


やくそくどおり あらわれて

ぼくの顔をみて ほほえんで

ここだよと手を ふってくれた ....
液化燃料が
静かに燃えて
街に灰が積もり
鋼鉄の箱を疾走させ
アスファルトは
平行に立ち上がる 蛇
どこまでも続き

ゴムのわだちが軋む

騒音の車道を折れると
路地が佇み
生 ....
チリンチリン
路面電車が走ります
危ないですよ
どいてくださいよ〜

例えば三ノ輪に向かって
ジョイフルな商店街へ
特に派手ではないけれど
古本屋さんに
魚屋さん
惣菜店に  ....
はじまることなんて

はじまることなんて何もなかったのに
まるではじまったかのように、どうすれば良かったのかな、なんて
そんなことを考える。 ぐるぐる ぐるぐると

わたしとあなたがう ....
少年は言った

明日の朝
荷物をまとめて
出て行くと

片道列車で
行けるところまで
行くのだと

てのひらの少年は
そう言ったのだ

彼はいったい
誰だったのだろうか
海を見ている

さくり、さくり、
音をたてる足元の砂に
こころ揺らがぬよう
爪のかたちが付くほどに
手のひらを握り

海を見ている

潮騒に混じって
耳に届く ....
はにかんで笑う アノコの
やわらかな心のヒダを斬りきざみ
助けをもとめるノドブエを噛みくだいた


アノコに突き刺した
痛みと悲しみの
鮮烈な返り血を浴びたとたん
それはドス黒くキミに ....
あなたのひとみから
こぼれ落ちた悲しみが
約束された事象の
織り込まれた糸を伝い
ぼくを貫く

海底のような
揺らぎのなかで
ふたりの合わさった痛みは
祝杯をあげるように
胸の水盤 ....
君と私が会うと
言葉を 眼差しを交わすと
りんどう色の深淵が しずかに生まれてゆく
言葉を 眼差しを交わすほどに
それはしずかに 深まってゆく

二人して覗き込む
そのなかば透きとおった ....
正しい 陽光が見える
肌に心地よく
暖かな圧をともなう

今日を確信させる
無色・透明の公正な陽射し

なんぴとも
この太陽を正しく享受して
あまねく
全人的に正しく暮らさねば
 ....
ピアノのあしは楽器を支えているのか
それとも音楽を支えているのか
ギターをかき鳴らす仕草は
そのあしに似て、共鳴する独り言
マイクを持って空を指したとき
ひとはただのマイクスタンドでしか ....
現実はいつも
残酷な音をたてるからね


いまだに
感情をふりきれないこの男は

情けない、と

つぶやくコトバ以外を思い浮かべられなかった


あてもなく
わらい顔をつくっ ....
藍色のカーテンを
閉め切った部屋で 
スタンドの灯りに
照らされた机に向かい 
すれ違うこともないだろう 
百年後の誰かに手紙を書いた 

万年筆を机に置いて 
深夜の散歩に出かけると ....
夕日に泣いた僕
友達の顔を怪我させて
電話ごしに泣いた
大切な友達

君はトランペットを
僕だけに吹いてくれた
君につられて
吹奏楽部に入った。

できない僕を
指揮者の君は
 ....
山際に
吸い込まれるように
今日が息絶えて
まだらのまま
空を一巡して
闇に飲まれるのは うろこ雲

あたしはあたしで
西の空に
白い半月が血を滲ませているのを
見てしまったから
 ....
この歌の横顔にあなたがいなくてよかった

坂の上にぽっかりあいた空は遠くて
青くない方がいい気がした
降ってくる光が指先を透過して
平面なわたしが散らばり始める

透明になれなかった二人 ....
僕らが待ち合わせるのは

いつも駅前のCD屋で


僕が 君より早く着くと 

たいして好きでもないんだけど

難しそうな JAZZを視聴して待つ


 *

     ....
舌先が絡める熱い銃口の鉄の苦みは血の味に似て


約束の指でいざなうライフリング自我突き破る濡れた弾丸


背徳を縛る鎖の錠を撃つ。ふたつの魂(たま)は逝く果てもなく
ライブの逢いは
さようなら

録画の愛に
こんにちは
時を巻戻すのは 解せぬ言葉

時を先送るのは 返せぬ欲望

消えない内に 証明したくて

見えない儘に 軸から外れる

隙間に伸ばすのは 足か手か

糧も枷も得られず 目眩き廻 ....
 軽いめまいの横を通り過ぎる晩秋
 人々の装いも移ろい行き
 迫り来る冬をうっすらと感じる

 すました顔をして行く通りの人
 こっそり隠した心の凶器を磨く
 使われることのないことを祈り ....
優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
皮を脱ぐのはいいきもち
するっと脱げちゃう するするっ

ちょっと痛いんじゃないかとおもうけど
やってごらんよ   するするっ
きれいに脱げるよ  するするっ

するっとするところも ....
ユーミンの歌だったと思うけれど
だれかほかの人が歌っていた
サーファーが、
銀行員になった友達と再会して、
お茶するっていう歌

それで、サーファーは、
銀行員の友達のパリッとした姿 ....
美とは

美しいことは
それ一つだけで良い
比較すべきBやCはない 
鳩の雛は可愛い
それだけを思うがよい

風に揺らぐ灯芯のように
一つの愛
一つの美が
吹き消さることなく ....
貴方を遠くから見る
瞳にその姿を焼き付け
思いは風に乗せて

貴方が私に気付いてくれなくても
私は貴方だけ見ている
そう、ずっと見てきた…

この思い届かなくても
貴方の瞳の片隅の
 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17883)
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落日- shu自由詩607-11-5
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宛名の無い手紙_- 服部 剛自由詩6*07-11-5
トランペット- ペポパン ...自由詩8*07-11-4
焦がれ秋- 九鬼ゑ女自由詩407-11-4
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響乱花- Rin.短歌1707-11-4
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晩秋の星- 山崎 風 ...自由詩307-11-3
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美とは- 生田 稔自由詩5*07-11-2
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