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駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
いまは夏でも秋でもありませぬ
軌道上のリセットスイッチを
昨夜、弾きましたゆえ
どうぞ、お持ちの未練など
そこな小川で流しなされ
間もなくこの野にも人が溢れますゆえ
どうぞ、お急ぎなされ
 ....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため

散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
 ....
山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた

ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした

町までは午前と午後に1本ずつ ....
祖母が倒れた晩
私が寝ていた土蔵の屋根から
人魂が立ったと聞いたのは
ずいぶん後のことだ

祖母のねんねんこの中から
見つめていた風景の記憶は
溶け残る雪がへばりついた
色のない晩冬の ....
小さな水口から
待ちかねたように水がほとばしり
山吹とコデマリの花びらを散らして
春色に染めていく

かたわらでは
田植えの準備が賑やかで
初めて田に入る子供が
父から苗をもらっている ....
恋月 ぴのさんの西天 龍さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
とても控えめな愛に育まれていた頃- 西天 龍自由詩24*11-2-1
刈取り農夫- 西天 龍自由詩2*10-9-7
次に来る者たちのために- 西天 龍自由詩8*10-5-6
風花- 西天 龍自由詩11*10-3-27
祖母が倒れた晩- 西天 龍自由詩3*09-8-23
水口- 西天 龍自由詩8*09-8-14

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