かごからあふれ出たものを、ひとつ、ひとつ取り出した。
白と、黒に、わけながら、それらをバッグにしまいこむ。
どちらにも行けないもの。
たとえば、グレーのTシャツ。
黒ほど着ௐ ....
ひとめぼれをして買ったお護り代わりのパレッタが
一年程見当たらなかった
こどものゴムや100円ショップのクリップで間に合わせていたけれど
落ち着かないので 誕生日の自分へのお祝いに
昨日 新し ....
崖っぷちに建つ古びれた館のまえで、サイボーグの首なし馬車を降りた。
死神博士の案内でオーロラの門をくぐったとき、人魂ならぬ様々な色形のプラズマライトが宙を舞い、そして仄かに灯って私の足元を照らした。 ....
蛾が舞う
びいどろ焼けた肌
今日は木曜
粘性の雨
水あめ
甘い茎を廻る
二十ニ色の蛾
電信柱の骨
涙浮かぶ川ふたつ
中洲の向こう
ひとさらい
手も足も
舌の ....
ある真夏の日
万障繰り合わせの上
故郷の川で
友釣りを始めた
はじめに私を鼻に掛けて
流心に泳がせていく
すると懐かしい
あの顔とあの顔が
あの顔のまま針に掛かって
....
おばちゃんに先導されて何気ないビルをエレベーターで五階にあがった
ほそい通路をニ度ほど折れておばちゃんがドアをあけた
そこがコピーショップだった
数分のうちに千元のブランド時計が五百元になっ ....
︱{ルビ淡々=あわあわ}と、それはとおく
ほうほう
紅いろ帯びた西域は灼け
あれは記憶に薄れゆく
旺盛なる高温期の名残りか
あるいはまた
時の{ルビ ....
十年、こもった
もう良いかと思った十一年目の春
伸びた髪の毛が邪魔だった
二十年、こもった
意を決した二十一年目の夏
世界の熱量に敵わない気がした
三十年、たった
重い腰をあげた ....
狂女の独白
いつもそれは夕刻よりも暗い夜明け
一日は、東の地底で死んだ胎児のように
いつ迄も、紫色の胎盤にまみれて
暗黒の硬い産道に引っかかっている
胎児の頸には硝子のつららが刺さって ....
濡れた藪の陰には
ヤスコちゃんがもう膝を抱えている
色の変わった大きな樽の中は
トシユキの指定席だ
横木の折れた狭い入り口に
クモの巣は長くぶら下がって
すでにだれかが小さな手足の跡を
....
夏の朝は早く
蜩の話し声が聞こえていた
雨上がり
入道雲は悠々行進
忘れ去られて行く毎日
モチベーションは何処へしまったかな?
窓ガラスに映るのは
揺れる二本の電線だった ....
随分と前に上演は終わっていた
ビラビラと焼ききれたフィルムが背後で回って
煙を上げる端くれをクロールするように回転させながら
真っ白い幕には無数の砂粒が踊る
{引用=(お楽しみ ....
自分の
決めたことを
やり通すのに
実行に移すのに
正しいことなのか
正しいことじゃないのか
私は
時々
考えます
社会のルール
今は本当に
役に立っているのか
どうなのか ....
私の大切なもの
人の心です
私が
宝にしたいもの
ほんの
ささやかなものと言うのなら
人や
自分を思う気持ちです
優しい人の
笑顔と
暖かいメッセージ
他者とのかかわりから
....
まあるいおわんの底で
くるくると回っている
ガラス玉のように
くるくると回っている
ゼリーの雨が
ぽとぽとと降ってくる
服がぬれると
かなしみ
したたり
冷えた体が
憂いを
....
雲が白く山肌を覆う
そんな雨が途切れた夕方に
幻を見たような気がした
むせかえる夕立の後で
耳元で囁いた
その柔らかい息づかいが
脳裏に焼き付いて
繰り返すフラッシュバック
目眩の底に ....
夏の朝
水蒸気の味
浜木綿の花が
手を繋いで作った
輪っかから
ヤマトシジミ
ヨロヨロ
飛び立つ
夏の雲
薄荷の匂い
忘れかけていた
青臭い記憶が
鼻先で弾けて
夢遊病者の影
ジワジワ
溶 ....
乗馬パンツを試着する
膝に白い羽毛を見つけ
これにファルコンの綴り
を刺繍してもらう
*
まわるまわるルレットの
太陽
を日付変更線で切り取り
新しい布地と縫い合わ ....
三角方眼定規で
下くちびるを切った
風が薫って
夏草が
指から
ほどけていった
立体裁断で
ドレスを裁つ
いつだって
晒されぬままの布に
踊り
今はおそらく
泣いている
....
{引用=
カーテンと足袋だけでどうにかなる話でもないが
思い出すことはできる
電気がチカチカする街を通り過ぎて
二度目の宿屋に泊まる
夕食はバイキングなので好きに採る
電気砂が入り ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
産まれ生き苦しみそして死んでゆく
たった一行闘病短歌
日赤の病棟入り口掲示板
嘆歌とあって朝顔も書く
これからは口語短歌の詩人です
出来損ないの痛みを堪え
銀色に輝け外科 ....
若)まろがふたり でそろった!
いまからね、バチバチッと
かっこいいとこ見せあうからね
その間に 逃げるんだよ
面白そうだからって見ていて ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです
必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
経糸の波が島に打ち寄せ
砕けた珊瑚の欠片が筬の羽の隙間を通る
浜は白く織り上げられ
降っては降りてくる日射に
転がる岩岩は奪われた影を慕っていたが
素足 ....
入浴
私たちはもう赤ちゃんのように清い
妻が寄り添って
頭を洗ってくれる
昔母がそうしてくれた
母のような手が
私達は二人で今夜も入浴した
ある晩
遠い親戚夫婦が家を訪れた
このあたりでは
数百万円で家を買うことが出来ると聞いて
驚きました
旦那が言うと
奥さんは口に手を当てて笑った
私はまだ子供だったので
よ ....
咳がとまらないのは喉を傷つけたからだろう
見えない肉片が腫れているのだろう
小雨の降る中 でも見てしまう
干からびて縮んだ小さな蛇が半分だけ
蟻の巣穴に入っている所
この間 蟻に狩られた蛇は ....
ふぁ〜あ
Wake Up This Morning
朝だ 朝のブルース聴いとくれ
歪んだ空間に像を結んだ視線の先に
必ず潜んでいるネズミにご挨拶
ネズミの寝起きは良くない。
....
心の響き
落ち込みてゆく心に
とっぜん、ピアノの連弾
絵と壺とかけ時計を
見まわして
わが心何処に置くべき
表通りは人の影さえなし
雀が少なくなった
寂しい
二人で ....
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