止まったままの 時がある
針が曲がってベルトをなくした
金時計の中に
とどまっている
休まず刻んだ針が
不意に歩みを止めた
大地の奥深くから轟音が猛然と駆け上がり
アス ....
みんな影響し合ってるから
感じているから
雑音ほどいいから
優しいから
憎らしいから
それでいいから
そこにいればいいから
愛している
だのにあの人
異国人みたいに
違う音 ....
寂しかった日のように
ひと晩で降り積もった雪が
きれいな景色だけを水銀灯に貼り付ける
夜明けすら凍らせようと
港では恐ろしいものが渦巻いている
(賀露の蟹漁船は眠りにつくころ)
わたしを捕 ....
{引用=
私はもう目覚めていた
※
そこにはないもので
構成されているので
言葉を通り過ぎることが
できた
得体の知れない勲章を
与えられて
....
駅前ビルの本屋さんで
デート
洋画の「恋に落ちて」みたい
夢にみていた
本屋で落ち合うこと
でも
あたしたちは
この時間を最後に
しばしの
さよならだ
頭がクラクラ ....
箸置きに次元をかえて架ける橋 転がる二本の非常階段
きみの手のあやとりの糸たぐり寄せ真水に飛び込む指を絡めて
爪先もまなこも縦に尖らせて剥がす鍵盤しろいとこから
....
だきょう
だせい
どんづまり
1366×768ドットの檻の中で
ゆうゆうと座り込んだままの
気障な行分け文章
だみん
だつりょく
できそこない
TFTカラー液晶の眩い ....
雪をかきこみ スノーダンプを押す人が
車道で 私に向かって来る
降りしきる朝の通勤時間帯
信号で渋滞しては 諦める日々
安全運転しかないのだけれど
ねえ私の車に なんで真直ぐ向かってくるの
....
{引用=へやがくらい}
かわいいお口を開けてりりかは考える
{引用=あのひとかえってこない
ぜんぜんだいてくれない}
埃をかぶったつぶらなお目目で考える
{引用=ふりむいても ....
舐められた爪を切る。指を銜えられて人の喉を触っても、引き抜くことはできなかった。喉仏を裏から触れられるまで長い爪だったらいい。指から出た精液を止めるように爪先をスクエアオフに切り取 ....
東京の東の場末の少し前
相撲とりと競馬狂い
ちょっと一杯ひっかけようと、
そぞろ歩きの錦糸町南口
客引きの中国人の女やら
街頭ライブの若い子やらが
ネオンの極彩色にまみれながら
....
みんな宇宙からもらった炭素でできている
みんな炭素の波動にすぎない
わたしは胃をこわしている
わたしは肝臓をこわしている
炭素がなにかの身代わりをしてくれている
炭素はた ....
夢を追い
遠く離れた あの人も
きっと観ている 大寒満月
薔薇は何処に行ったのだろう
もう何年も目にしていない
気が
するんだ
僕の住む街は
かつてバラの街を標ぼうしていた街の
隣にある
だからと言って
薔薇を植えた庭のある家が
そ ....
「返事」
太陽に声をかけても
一向に返事は返ってこない
取り巻きの雲が
覆い隠して
自問自答の老木が揺れる
「返事」
孤独な問いに
枝にぶら下が ....
遠くのほうで叫び声が聞こえる
あぁ そうだ今日は校庭でサッカーの練習試合してるんだ
きっとバカな女どもがサッカー部員見たさに野次馬してたんだ
ここぞとばかりに黄色い声を出してね
....
霧に霞む煉瓦敷の道の街灯の明り
湿った空気の中
ボーッとした街灯の光の奥に
ゆったりとした時間が流れる。
得たいの知れない影と
先の見えない道の先に
あの古びたホテル
アイビーの這う ....
向こうから歩いてくる
見知らぬ子どもに
大きく大きく手を振られた
後ろには誰もいないようだから
どうやら自分にらしい
何故なのだろう
これまで何も波立てず
そ ....
{引用=
誰かが朝を呼ぶたびに
ひっそりと佇む夜は震えて
おびえる仔猫の背骨は軋む
もう少しだけ闇を含んだ唇で
触れられていたら
いたんで汚れた指先も
傷付けることはなかっただろう
....
琥珀色のサウンドトラックが、
頭蓋骨の内側を濡らしていく
すっかり皺が減り、ツルンとした私の大脳皮質
鼓膜までねじこむイヤホンや
タイムラインを流れる電子文字で
刻まれたものが薄れ、 ....
音をはずした
指先が曲がり
おこがましい
眠気へと倒れ
込んでしまう
彼女は私に嘘を吐きました。その嘘はあまりにもたくみでありましたから、私はその嘘を見破ることなど、したくなかった。した ....
ふっと
水気を含んだ本の両脇
不穏がととのい
遡上がはじまる
奥の詩から女がたちのぼる
ひるがえり
紙面にむんずと顔を押しつけ
ことばのインクの溜め池は
頭頂に浮かぶ
巌流島から ....
日常で化粧をしなくなったのは
心に化粧をするようになったから
泣きそうな心の形をキレイに誤魔化して
ムスっとした素顔で
あなたの言葉を待っている
もうくれなくなった言葉を待っている
旅の荷を置き
コートを脱ぐ
ジョン・レノンのフォト
ゲルニカのポスターが
あたしを迎えてくれた
あっ・・・
トクンと胸が鳴る
それだけで
緊張がほぐれた
あた ....
(幕間に目覚めた)
何本かの直線によって
平面上に
パースペクティブを作っている
秀逸なポスターの
消失点を見つめ
インクの黒色のその部分は
真っ黒な宇宙空間として
激しい砂嵐 ....
かつて
という言葉は
アマゾンには存在しない
ナイルには存在するが
かつて
かばはサラリーマンであったが
さてかばは水中に棲まう
鼻の穴を閉じて 愚かな話だが
かばは魚にはなれなか ....
低いほうへ
もっと低いほうへ
流れていこうとする本音を
どうしたものかと
眺めるばかりの今日この頃
後ろ向きは
好きじゃありません
斜め上45度に向けた建前を
たまに誤 ....
うすくつもった無音
じゃれあう轍
だれかオレに
うまい珈琲をいれてくれないか
きょう傷ついたことなども
香ばしくてすっきりとした
あったかな気持ちにかえてくれないか
うすくつもった無音
....
好きだよ
取り囲まれた日常に埋没して生きてゆくこと
どうしようもないことにもがいては泣いて
だい好きだよ
だんだん揺れを増す心音の近くで
赤面したこころの奥底
繋がっているのかな、いな ....
むかしむかし
あなたと私の
鳥の骨のような関係が
ありました
肉はもうとっくに
誰かに与えてしまって
白い骨格だけが
残っているのです
飛翔の予感を秘めて
飛翔の過去を秘めて ....
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