梅の花の香りを嗅ごうと
背伸びする私を視ずに
君は宙を眺めてる
白いワイシャツ姿の
君の周りだけ
特別に星が飛んでる
君の傍で季節を感じたかったし
まだ知らない景色を
穏やかな気持 ....
困ってる人がいたら声をかけてみます。
「アラアラ」「どうなさいました?」
なんてね。
泣いている人にはどう接していいかわかりません。
でも、やっぱり声をかけてみます。
「アラアラ」「なに ....
{引用=
鳥がなぜ飛べるか知らないように
花がなぜ咲けるか知らないように
人はなぜ生きるか知らないから歩いていける
手を繋いで不完全を積み上げ
明日へしかいけないいのちの行進
あやめる ....
空の途中の領域
中途半端な浮遊感と一緒に
風を翼に受け
停止したまま浮遊する
彼だけができる芸当
地上を常に意識する狩人は
樹木の枝葉の間から
見え隠れする野鼠ほどの小動 ....
煙草の銘柄で『LARK』と書かれた、ちょっと昔によく在りような細長い円筒に底蓋のついたゴミ箱を使っているのだが、なんというか、勝手の悪いゴミ箱で大きなゴミ袋を掛けると筒が細い分、袋に余りが出来てもっ ....
おやすみなさい
お手上げ 手に負えないよ あなたのせい
おやすみなさい まあお聞きなさい
赤子が泣いている
泣いてる事を伝えたいのだ
泣きすぎて泣き声しか聞こうとしない
顔をぺ ....
真冬のバラの株は
棒っきれのような枝だけで
葉の一枚もついていない
そのくせトゲだけ多くて
触れれば刺すぞと脅してくる
私はその枝を
フェンスにひっぱって
好きな形に誘引したいんだけ ....
店頭での抽選に当たって
思いがけず購入できた3DS
にプリセットされたARゲームを起動する
3DSの画面を通して映る食卓の上に
バーチャルな箱が現れる
箱を撃つ
画面上に的が出現す ....
(君の化身に)
真珠色に輝いた
すらりと長い一本の角には
少女のまどろみを約束する香りが
まとわりついていました
背の高い草の
柔らかい茎の笛を鳴らし
少女は聖なる獣と遊びます
....
{引用=―― {ルビ東風=こち}吹かば 匂ひをこせよ 梅の花
主なしとて 春な忘れそ ――}
行かないで
行かないで
こんな恋文なんて要らな ....
文学や報道が
対話や歴史が
この国をこの世界を
果たしてどこに導いたのか
言葉は無力か
雪が青い夕暮れ
見飽きた景色
それを揺らしている
移動している
....
冬の窓押し開けとおく空を見る瞳をのぞく異端者のごと
言葉いまだ伝えきれずくちびるを噛む、ただ強く血が通うよう
口寄せてささやく夢よ火と燃えてこころに満ちる雪は今しも
いた ....
それはもうどこまでもはてなく
雪の原なのか それとも 雲海なのか
もう わたしの目には、区別がなくて
光をもとめれば
中空にむかうほどに 罪をとう青天は
くるしいほどに ....
暗
闇
の
中
を
降
り
て
く
る
糸のような雨は天国から地上に降ろされた蜘蛛の糸
かもしれない。白く刷毛ですりおろしたような雨た
ちは地面を捉えようとするのか、地の底の底 ....
微苦笑にはじまり
ひとりの陸橋では熱情も凍えた
たったひとつの決断に足元を掬われたまま
わたしの喉は脱落者たちの手であふれかえった
狂おしい
開放に訣別する自由を気取りはじめ ....
なくしてから気付く大切な物
薄々分かってるのに
なくすまで気付かない振りしてた
後悔する事分かってるのに
それまで何も出来ないでいた
そんなに自分を責めたら可愛そう
何もしてない事 ....
あなたへ宛てた私の言葉は
文字になってしまったせいで
ひどく真ふたつに折られて
ポストの暗闇にゆだねられる
会えないひととの
こだまではかる、距離
夜半、玄関先の物音を待つ
....
軽やかなのか 駆けて行く
何月のウサギか たったか たったか
そうして今年も
平年と同じく たったか
夏から秋へと走り抜けられたのか
ウサギは気まぐれだった
季節の段差を前にしたのか
....
メンテナンスを終えた
体から
さらさらと
水が流れる
この冬溜め込んだ
迷いや悔恨
さらさら
さらさら
流れてゆく
体にも
四季がある
こうして
新しい季節 ....
まる
切り取られたいっこ
有限のまる
まる
無限にぽっかりあいた
穴ぼこのまる
まる
切り取られたいっこが有限のまるならば
穴ぼこがぽっかりあいた無 ....
{引用=晴れやかな正午に
土砂降りの深夜に
ショーウィンドウ越しにわたしの海辺に寄って
砂浜で輝く貝殻を拾う
追い越して先回りする足取り
空瓶がひとつずつ埋まっていくたびに
はばたきの向こ ....
嘘をついて 有り金掴み
遠く会いたい人の街へ
他人の袖にすがろうって魂胆
4日待って会えた
3日目 公衆電話は留守だと云ってる
死神の色がする 無臭世界
目前に魚類の見せ小屋
....
{画像=110307010254.jpg}
{引用=アカハチ}
....
{画像=080420115727.jpg}
*
夢を見ていたんだ。
そろそろ目を覚まして
朝の支度を始めたらどうだい。
*
どこかで子どもを叱る母親の声がする。
*
....
赤い毛糸のような歴史の先端で
ストローに口をつけて
永い終わりが始まった
息を吹き込んでそっと膨らませたビッグバン
洗濯物が揺れる小さな緑の庭で
生まれては弾けるように消える
幾つものシャ ....
歩き始めの段階、道は同じ眺めのため選択間違いはよくあるのですが、間違いだと気づいても引き返す勇気がないため、どんどん先へ行ってますます道に迷ってしまうことがあります。特に最初選択した道が平坦で歩きや ....
おい いくらだ
会社帰りのバス停で 偶然会った女友達と
ご飯を食べて帰ろうという話しになり
田舎から上京して道もよくわからなかったが
あまり混んでいない小さなお店で食事を楽しみ
会計 ....
長野県信濃町の
町立一茶記念館に
猫の館長さんがいるという
名を
杉山ソラという
ソラは
館内を巡回し
館長席のあたりで昼寝をするので ....
男は単純にうそをつく
あなたは人にうそをつかないため
自分にうそをついてしまう ....
雪原の向こうから
聞こえてくるのが
あなたの声と分かります
あなたと私を隔てる
真っ白な雪原では
私の鼓動で雪のひとひらが
舞い上がります
雪の結晶は
科学的な偶然から生まれた ....
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