3歳の夏にわたしは赤ちゃんを産んだのだった

やわらかい栗毛を愛おしいと思った
乳母車はわたしの筋力のなさをあざ笑ったが
幸せな光はいつもわたしの頭上で放たれていた

母親になる幸せを誰に ....
星々の明るさが際立ちます
夜気がひんやりと
澄み渡るらしく
星々の明るさが際立ちます

されど
星々はつねに燃えているのであって
なんの労苦もなく輝くものなど
在りはしないのであって
 ....
枯葉を踏むように
ことばを

かさかさと
私たちの記憶の下で
何かが
くだけ散っていく

それは
再生への営みと
私たちは知っている

枯葉を
振り向いたりしないのは
そん ....
老人ホームの廊下にぽつんと置かれた
老婆の横たわるリクライニング

動かない首をギブスで固定され
閉じた瞳を{ルビ顰=しか}め
入浴の順番を待つ

「{ルビ今日=こんにち}は」

 ....
部屋の電話線は
きっと
つながっているのです
耳をそえると
懐かしい雨音まで
聞こえてきます


ロウソク工場の煙が東へ流れて
小さな雑草の黄色い花が
激しく雨粒に
たたかれてい ....
卵が呼吸している
産声を内に潜めながら
類ない曲線で肋を明るく丸めて
{ルビ縁=ふち}を暗く発信し
ゆるやかな衝撃で交信するので
次元はゆらぎ鳴いている

重ねてきた年齢に
皺を深く刻 ....
ただ愛したから欲しただけなのです
それは
貧乏でも裕福でも体が動かなくても
愛してしまえば

地の底に沈んでしまいそうなほど
相手を思っても
「お金」というものが押し流すのです
相 ....
毛を刈り取られた羊は
恥ずかしそうに
大地を駆けてゆく

服を剥ぎ取った人は
恥ずかしそうに
海に飛び込む

檻に入れられた
年老いたゴリラ

牢屋に入れられた
死刑囚

 ....
人間看板のオヤジさんは
いつも胸を誇張させている
ヌードダンサーより
度胸もサービスも上だ
行く人来る人見せ放題

人間看板のオヤジさんには
いくつかの亜種がいる
胸に広告入りのゼッケ ....
家族や 友人に 募らせる想いとは違う 想い

何をしていても 誰と居ても あの人が 頭の中から 心の中から

離れない。とっても とっても 複雑で 不思議な 想い。

世の中には 永遠を  ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
 
いま

こどもの頃 よく遊んだ 河原に 来ています
 
 
 
川面にうつる 薄紫色の夕焼けを眺めながら

貴方に心を奪われた いきさつから

貴方と終わってしまった いきさ ....
いつからだろう
その存在に気づいたのは?
私の中に巣食う胎児
人知れず老いの速度で嵩を増し
禍禍しい誕生の日を待っている
(それは私の終焉の日でもある)
蓮を被った哀れな子供
血まみれの ....
おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
凝ったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カー ....
一度も口には出してなかったけどね

すきだよ

「好き」という言葉は、何度も口にしたけど
本当の意味での「すき」は、言ったことがなかったね

ぞくぞくするような毎日
いつでも新しいこと ....
自己嫌悪が庭に降り積もって
草木は見えなくなりました

どうにも塀が成長しすぎて
背伸びしないと外が見えません
日を追うごとに高くなります
礼儀も何もなく覗きに来ていた
屈託なく笑う あ ....
一人の子供が山を登っています
とっても急な斜面です
それでもあきらめたりはしません
山の上には凄い景色があるんだと
おじさんが教えてくれたからです

子供は時々休んでは
また同じ夢を見ま ....
靴の底が
磨り減っていくのも
気づかずに
空ばかりを仰いでいる

乾いた風に晒されて
いつの頃からか
哭ことをやめた

歪んだ骨の擦れる音か
褪めた血が流れる音か
ときおり哀しい ....
中学や高校時代に書き散らかした。へたくそなのに自分で「詩」と呼んで
書き散らかしていました。それは主に大学ノートに、結構きれいに書かれ
ていて、いまのメモ書きに比べると「ほほぉ」と思えるほど詩集風 ....
11月22日午前3時08分
お母さん あなたが逝った夜
空にはぽっかり月でした

今 あなたの死に顔に口づけします
冷たい頬よ
べにをさせ
あなたの面(おもて)に
私たちの涙が落ちそう ....
あなたの感情の質量が
空間を歪ませて
多くのものを枯らせてしまうというのなら

あなたはただ一輪 そこにある
泥の水に咲いた花
世界が滅びても そこに 可憐に

周りを囲む者たちは  ....
じわり じわりと
滲んでゆく景色に
何も浮かばない

黒いばかりの失敗の後にも
得るものは ありますか


歩きながら
理由付けに必死

空にも
この街にも
何も無かった一日 ....
朝の日向ぼっこは
野生のアサナ
日光から 大気から
吸引するプラナが
主に会陰部に集中して竈の火がおこる
だが それは決して欲情ではなく
深いサマーディでもあるのだ
たとえ
彼のまぶた ....
それは
頑なな蕾

慈しみの雨にも
きららの陽射しにも
咲かずにあり

  ひっそりと
     花弁の色を思案している

いつかきみの唇 触れて
眠れる森の姫のごと
ゆっくり ....
火事は我らの目に触れない内に
いつもの光景を黒く塗りつぶす
消火活動はいつだって迅速
地域欄のネタにすらならぬ
駅前の本屋が燃えた
三階建ての古いビル
看板と本棚を取り替えたばかりの
小 ....
準備運動は必要だよね
途中で足がつらないように
君と地球を泳ぎきるため

助走はやっぱり必要だよね
途中で失速しないように
君と地球を飛び越えるため

怖いときは目を瞑ればいい
 ....
今日も手を振って別れるよ

君が小さく見えても

大きく手を振るよ

振り返りたくなるぐらい

たくさんたくさん




紅い葉っぱをとばす風には惑わされず
ス ....
どうしたら君に届くんだろう

たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち

秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている ....
僕らは 一つの 曲がりくねった 鼻
尖り 早朝の 太陽に照らされた
老人の ショーツを 見ては
委託販売を 申し込み
狐の 和尚の 尻尾を 抱いては
あんなに 毛皮は 高いのに
呟く ふり ....
世の中は変わってゆくけど、変わり方はおっそろしくのんびりしていて、どこがどう変わっていくのかよくわかんない。ちょっとずつ変わりながら繰り返し繰り返し続いてゆくボレロのよう。詩もそう、音楽もそう、物語も ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17884)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初産- むらさき自由詩8*05-11-15
霜月- 千波 一 ...自由詩14*05-11-15
秋ゆき- umineko自由詩8*05-11-15
茨の冠- 服部 剛自由詩9+*05-11-14
回線の断層- たりぽん ...自由詩605-11-14
化身- こしごえ自由詩7+*05-11-14
そのまなざしは君のもの- アマル・ ...自由詩5*05-11-14
生きている- hiro自由詩205-11-14
人間看板のオヤジさん- kw自由詩305-11-13
- renchu自由詩205-11-13
小春日和- 落合朱美自由詩23*05-11-13
いちばん星- 准々自由詩3*05-11-13
アヌビスの胎児- The Boys On ...自由詩3*05-11-13
*木枯らし一号*- かおる自由詩6*05-11-13
ともだち- ことは自由詩3+*05-11-13
季節が変われば- 自由詩4*05-11-12
谷底に立って- 自由詩3*05-11-12
空を仰いで- LEO自由詩5*05-11-11
私にとって、詩を書くということとは- たりぽん ...散文(批評 ...12*05-11-11
月夜と母はいつもよい- けんご自由詩405-11-11
蓮華物語- アマル・ ...自由詩12*05-11-11
何もない空に- 自由詩3*05-11-11
のーん!あるいはプレーリードッグの瞑目- The Boys On ...自由詩9*05-11-11
頑なな蕾- 銀猫自由詩14*05-11-11
暖かな耐火- kw自由詩105-11-11
プロポーズ- 落合朱美自由詩9*05-11-11
オータム・メトロノーム- たりぽん ...自由詩605-11-10
伝言- 落合朱美自由詩8*05-11-10
僕らは曲がりくねった鼻- 奥津強自由詩305-11-10
ボレロに耐える−めざせ最強ミーハー- 佐々宝砂散文(批評 ...8*05-11-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597