星々の明るさが際立ちます
夜気がひんやりと
澄み渡るらしく
星々の明るさが際立ちます

されど
星々はつねに燃えているのであって
なんの労苦もなく輝くものなど
在りはしないのであって
 ....
枯葉を踏むように
ことばを

かさかさと
私たちの記憶の下で
何かが
くだけ散っていく

それは
再生への営みと
私たちは知っている

枯葉を
振り向いたりしないのは
そん ....
老人ホームの廊下にぽつんと置かれた
老婆の横たわるリクライニング

動かない首をギブスで固定され
閉じた瞳を{ルビ顰=しか}め
入浴の順番を待つ

「{ルビ今日=こんにち}は」

 ....
部屋の電話線は
きっと
つながっているのです
耳をそえると
懐かしい雨音まで
聞こえてきます


ロウソク工場の煙が東へ流れて
小さな雑草の黄色い花が
激しく雨粒に
たたかれてい ....
卵が呼吸している
産声を内に潜めながら
類ない曲線で肋を明るく丸めて
{ルビ縁=ふち}を暗く発信し
ゆるやかな衝撃で交信するので
次元はゆらぎ鳴いている

重ねてきた年齢に
皺を深く刻 ....
ただ愛したから欲しただけなのです
それは
貧乏でも裕福でも体が動かなくても
愛してしまえば

地の底に沈んでしまいそうなほど
相手を思っても
「お金」というものが押し流すのです
相 ....
毛を刈り取られた羊は
恥ずかしそうに
大地を駆けてゆく

服を剥ぎ取った人は
恥ずかしそうに
海に飛び込む

檻に入れられた
年老いたゴリラ

牢屋に入れられた
死刑囚

 ....
人間看板のオヤジさんは
いつも胸を誇張させている
ヌードダンサーより
度胸もサービスも上だ
行く人来る人見せ放題

人間看板のオヤジさんには
いくつかの亜種がいる
胸に広告入りのゼッケ ....
家族や 友人に 募らせる想いとは違う 想い

何をしていても 誰と居ても あの人が 頭の中から 心の中から

離れない。とっても とっても 複雑で 不思議な 想い。

世の中には 永遠を  ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
 
いま

こどもの頃 よく遊んだ 河原に 来ています
 
 
 
川面にうつる 薄紫色の夕焼けを眺めながら

貴方に心を奪われた いきさつから

貴方と終わってしまった いきさ ....
いつからだろう
その存在に気づいたのは?
私の中に巣食う胎児
人知れず老いの速度で嵩を増し
禍禍しい誕生の日を待っている
(それは私の終焉の日でもある)
蓮を被った哀れな子供
血まみれの ....
おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
凝ったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カー ....
一度も口には出してなかったけどね

すきだよ

「好き」という言葉は、何度も口にしたけど
本当の意味での「すき」は、言ったことがなかったね

ぞくぞくするような毎日
いつでも新しいこと ....
自己嫌悪が庭に降り積もって
草木は見えなくなりました

どうにも塀が成長しすぎて
背伸びしないと外が見えません
日を追うごとに高くなります
礼儀も何もなく覗きに来ていた
屈託なく笑う あ ....
一人の子供が山を登っています
とっても急な斜面です
それでもあきらめたりはしません
山の上には凄い景色があるんだと
おじさんが教えてくれたからです

子供は時々休んでは
また同じ夢を見ま ....
靴の底が
磨り減っていくのも
気づかずに
空ばかりを仰いでいる

乾いた風に晒されて
いつの頃からか
哭ことをやめた

歪んだ骨の擦れる音か
褪めた血が流れる音か
ときおり哀しい ....
中学や高校時代に書き散らかした。へたくそなのに自分で「詩」と呼んで
書き散らかしていました。それは主に大学ノートに、結構きれいに書かれ
ていて、いまのメモ書きに比べると「ほほぉ」と思えるほど詩集風 ....
11月22日午前3時08分
お母さん あなたが逝った夜
空にはぽっかり月でした

今 あなたの死に顔に口づけします
冷たい頬よ
べにをさせ
あなたの面(おもて)に
私たちの涙が落ちそう ....
あなたの感情の質量が
空間を歪ませて
多くのものを枯らせてしまうというのなら

あなたはただ一輪 そこにある
泥の水に咲いた花
世界が滅びても そこに 可憐に

周りを囲む者たちは  ....
じわり じわりと
滲んでゆく景色に
何も浮かばない

黒いばかりの失敗の後にも
得るものは ありますか


歩きながら
理由付けに必死

空にも
この街にも
何も無かった一日 ....
朝の日向ぼっこは
野生のアサナ
日光から 大気から
吸引するプラナが
主に会陰部に集中して竈の火がおこる
だが それは決して欲情ではなく
深いサマーディでもあるのだ
たとえ
彼のまぶた ....
それは
頑なな蕾

慈しみの雨にも
きららの陽射しにも
咲かずにあり

  ひっそりと
     花弁の色を思案している

いつかきみの唇 触れて
眠れる森の姫のごと
ゆっくり ....
火事は我らの目に触れない内に
いつもの光景を黒く塗りつぶす
消火活動はいつだって迅速
地域欄のネタにすらならぬ
駅前の本屋が燃えた
三階建ての古いビル
看板と本棚を取り替えたばかりの
小 ....
準備運動は必要だよね
途中で足がつらないように
君と地球を泳ぎきるため

助走はやっぱり必要だよね
途中で失速しないように
君と地球を飛び越えるため

怖いときは目を瞑ればいい
 ....
今日も手を振って別れるよ

君が小さく見えても

大きく手を振るよ

振り返りたくなるぐらい

たくさんたくさん




紅い葉っぱをとばす風には惑わされず
ス ....
どうしたら君に届くんだろう

たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち

秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている ....
僕らは 一つの 曲がりくねった 鼻
尖り 早朝の 太陽に照らされた
老人の ショーツを 見ては
委託販売を 申し込み
狐の 和尚の 尻尾を 抱いては
あんなに 毛皮は 高いのに
呟く ふり ....
世の中は変わってゆくけど、変わり方はおっそろしくのんびりしていて、どこがどう変わっていくのかよくわかんない。ちょっとずつ変わりながら繰り返し繰り返し続いてゆくボレロのよう。詩もそう、音楽もそう、物語も .... かさかさ
こそこそ

内緒のはなしは
あのね、のね

葉っぱをめくって
こっそり隠す

かさかさ
こそこそ

落ち葉に
落ち葉に
あのね、のね
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蓮華物語- アマル・ ...自由詩12*05-11-11
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