すこしだけ 下腹の痛みを抱えて
服を脱ぎ
showerroomに 足を踏み入れる
じゃあじゃあと 降り注ぐ
人工の温かい雨
柔らかい 布を纏って
フローリングの大地に降 ....
人生の喜び黄色い光
きみの情熱オレンジ色に輝き
青色の陰が君の頬を囲み
身体を包み込む緑色の光の輪
目を閉じて想像してごらん
まぶたを通して見えるゆらめく炎 ....
あなたが去った後のベッドには
代わりに詩が横たわる
入れ替わり立ち代わり
あなたとわたしがファックしているのを
詩は決して気づくことはない
詩が去った後のベッドには
代わりにあなた ....
卑しい 女の 口元から
覗ける 太陽の日差し
真実は 1999年に
落ちた 地球の中の
骨格部分である
悲観主義者の下へ
なぜか 暗闇の 骨格が
私を 屠るのである
ので
あんた ....
月の滴り糧にして、
傾くが儘に流れ征く。
果ての浄夜は音も亡く、
地を這う我影、
唯ひとつ。
ひだりの小指がなくなった
寒かったから
すこしだけ
ウォッカを飲んで
それから
アヴァンギャルドなんて
もう死んだよって
だれかが云う
いつかレコード屋で
聴いたような
....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
あなたは 土にならず
離れず 月に なった
継がないはずの 木々の名も
つなげぬからだ わたる鳥も
襖に 閉ざされた 小雪冷え
焚きつけたストーブ その奥
影に ....
絶望さえ透けていく
初夏の陽射しのもと
雲へ手をふり
永遠する未完の涙
生れ立ての傷が
{ルビ鎖状=さじょう}に結晶し
{ルビ手鞠唄=てまりうた}に弾む午後
幼き声の純粋にひそむ響き ....
陽が射してきて
枯れ木が透ける
焼き付いて
焼き付いて
焼き付いて
網膜がちぎれ
ふくらみ
あわただしく駆け込む
木陰の暗室で
白と黒
光のはためきを
視るわ
....
仕事帰りにくたびれて
重い足どりで歩いていると
駅ビル内のケーキ屋に
女がひとり
微笑みを浮かべて立っていた
ガラスケース越しに
ふと{ルビ眺=なが}めるささやかな幸福
その{ ....
降り続く雨が
肩を優しく包むから
あふれた涙が止らない
ひとしきり泣いたあと
涙のわけを考えたけれど
言葉にすることが出来なかった
それは
生まれたときから
始まっていたのかも ....
暗闇の中
まっしろな雪が
舞っている
遥か彼方の高みから
白い花が舞い落ちる
音も無く
無邪気に
降り積もる雪は
やがて
世界を
ひといろに塗り込める
憶 ....
発売まで指折り数えたCDを
ようやく手にして
するするセロファンを
むいているときのときめきは
リンゴを倍速でむいているみたいで
ポンと
再生ボタンを押すと
さらに加速度を増して
....
すがすがしい、とは
あなたのことを定義する
世界中の辞書には
それが 載っていない
身を切るようだった、面影と導き
わたしの中で
希望や、愛が、泣くとき
消え入りそうな説得 ....
朝日に窓枠は枯れて
錆付いたカーテンからは
夜が死んだ匂いがする
炊き立ての白いご飯が
今日はもう仕方が無いんだよ
と生きる糧を与える
箸に摘めるだけの物を
....
あの暗闇は
くらやみではなくて
照らされていない
本当の姿
あの光は
まばゆいのではなくて
その向こうが見えない
闇の別名
くぐり抜けて
会いに行く
降る雨も、雪も
肌で ....
それだけじゃどうしようもない
どうしてあの時それに気付かなかったんだろう
どうして誰も悪くないことを
私は未だに納得できないんだろう
ころん
ころん
こ ....
何時までもこのままの
ぼくはコレではダメだと分かっていた
分かっているのにね
行動に移せなかった
僕の未来を手作りの望遠鏡で
スコープした
僕のゾーンには何もなく
....
ういうい ういうい
あひゃー ばれたか
はずかしい あひゃー あひゃー
どうしようかな
そうだ おどろう
ういういダンスを
ういうい ういうい
やった おどったぜ
ういういダンス
もしかしたら
それでも貴方は
人間を信じていたんじゃないか
幼い頃から、富と権力と横暴さを、
いやというほど見てきた人だ
人間の純粋さに接して、醜く汚いものばかりに囲まれて
....
目蓋に浮かぶのは 淡い光
脳裏に浮かぶのは パソコンの残照
会社から帰ると
バスタブよりもベッドよりも
まずはソファに沈みこんでしまう
ストッキングを脱ぐと
両脚が渇きを満たすよう ....
今 目の前に
折れた 倒木が
眼下に 何本も
落ち 流れていく
そこには 流れるものなどない
だが 私らは 見る
倒木は ペイントされている
雑音を 口走っている
流れていく ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々
昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
呑んだくれた父が
血まみれになって帰宅したことがある
前歯が三本折れていて
目の周りは真っ黒だった
何がおきたか怖くて聞けなかったが
父は喧嘩をするような人間ではなかった
呑んだくれた ....
涙が、とまらなく
て
チョコも、とまらなく
て
脳は自然に手を
チョコの袋にいざなって
いて。
「ダイエット中」という言葉は
この世に存在しなかったみたぃに、
脳は自然に ....
我が子の繊細な横顔の
そのとりわけゆるやかな{ルビ頤=おとがい}に触れたくて
私は
そっと静かに手を伸ばす
触れたい
触れたくない
その繊細な構造を知りたいのに
やさしい{ルビ頤=おとが ....
いつもの時間に
スーパーのプラスチックの袋を
振り回しながら
その女の子はやってくる
道路に落ちた吸い殻を
熱心に拾い集めていく
この寒空の下に
しかも素手で
そして左 ....
昨日、ゆるせないことを話すひとがいた
その瞳は私に向かってまっすぐ
しかしその瞳の奥にぎらりと光る諸刃の刃
それは許せない事の全てを 私にぶつける眼だった
それは許せない事の全てを 私にも ....
あたたかい空気…しあわせな部屋
あなた
じぶんの係累捨てて
来い
ここまですぐに来て
お互いの愛情を試すための
小さい小さい 遊びなんか
馬鹿げたことよ
そうなの ....
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