編みきれない編み物の原因なんて
きっと何かの理由があってのことで
理由は充分満タン
足りているはずなのに
それでもズバリ
足りていないと思うのは果たして・・・
ちょっと前まで
11の ....
冬の気配を感じる日
信号待ちの足元に
からから枯れ葉が舞っている
まるで君の言葉のよう
冷たい風に吹き負けて
枯れてしまった君の言の葉
....
俺は間違っている
ちょっと外へ出れば
無名の住人
犯罪者ではないが
はたから見れば
不具者
誰とも話したくない
いや 相手にしてくれない
幸せな人や
幸せそうな人
不幸せそうな ....
吉野川から 鳴門海峡も側溝のように横たわり
淡路島で途切れる
地平線は揺れない
地平線をさがす
わたしを切り離しているのはどの海峡か
どの法則か
(浮いているという錯覚)
(あるがま ....
根津は好きな場所だ。
谷中、千駄木と併せて一括りに「谷根千」などと女性誌でもてはやされ
たが、谷中のように下町情緒よりも墓石の数が圧倒的なわけでもなく、森
鷗外が住んだ事でもわ ....
お空にうかぶお月様
まあるい大きな傘さして
明日はすねて出てこない
足元で咲く小さな花は
精いっぱいに背伸びして
きれいでしょ?と自慢顔
隣のあの子は憂鬱そうに
あくびと一緒に涙 ....
呼吸のように
代謝のように
君と僕を
当り前につなぐもの
歯磨きのように
晩御飯のように
君と僕を
さりげなくつなぐもの
無理矢理つなごうとしても
呆気なく解けてしまうも ....
コンビニでお昼におでんを買う
予算内に納まるように三つだけ
出汁はたっぷり
冬が近い
お腹の中からあったまりながら思う
ああ 関東炊きが食べたいな
おでんじゃない 関東炊き
ここ ....
台詞が浸透する
蝶じゃなくて花なんだ
月じゃなくて太陽なんだ
生活に懐かしい呼吸が舞う
遠くから見守っていた蝶が
夜のとばりのつぼみにとまる
戯れながら休息を得たなら
朝日を浴び 光 ....
ことしはじめての雪が降る
手ぶくろもしないで
耳あてもしないで
つめたいだけの肌にする
きん、と
こめかみのあたりが痛むのを
わたしは冬のせいに
したくて
*
おんなのこど ....
誰かいますか
この声が聞こえる人が
誰か
いますか
小さな花のように
かわいらしさも無く
大きな雲のように
穏やかでも
達観している訳でもない
この声が聞こえる人が
誰かい ....
月はひとつで
星たくさん
孤高に見える星だけど
星にはたくさん仲間がいます
でも月も
青に寄り添う
せつない愛です
それがなんだと言われても
そう思う
....
海沿いを走る列車が
波飛沫を浴び
潮風を{ルビ喰=く}らってサビまみれだ
通りすがるたびに
このリビングに{ルビ軋=きし}む音が
クロスに跳ね返ってこだました
生活の一部となった音 ....
わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう
雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し
わたしの ....
{画像=111110214109.jpg}
打ち寄せる砂浜に
文字を書いている
崩れ消えて行く文字達
流木を持ち
強く刻み付ける
水際に暗く強く ....
白馬に乗った王子様なんて
そんなステレオタイプな理想はいらない
男なら飛龍くらい乗りこなせなくちゃ
この人に付いていったら
何処にたどり着くんだろう?
何に出会うんだろう?
どんな運命 ....
月
(乱太郎)
淋しげに唄う
恋などとっくに忘れて
靡く淡い音色
月の後ろ髪が解かれるとき
湖面の中央辺りに
漂う
在りし日の君の輪郭
月
....
靖国通りの先に大きく聳える
東京スカイツリーの展望台から上部ユニット
メタル素材の三つの顔が浮かんでいます
陽光を反射するでもなく
ぎらりぎらぎら照り光っています。
ゆっく ....
若い頃 林檎畑で見た光景
霜柱で凍る草の下に倒れるとんぼと
そのとんぼの上を 何度も上下に飛び
まるで助けようとするように 凄まじい気を
放っていたとんぼ つい 凍りの中から助け
しばらくし ....
暦の上ではけふから冬
パソコンが指に温かいので
幼い気持で十本並べた
若い自分に戻って尋ねた
あのころの若い夫に
どうしていつも私のこと怒るの
お前が馬鹿だからさ
どうしていつも ....
おく病で
部屋から出ないと決めた日
には 味わえない感覚
外に出たのは良いけど
人目気にして強がって急ぐ
身では 見れない風景
じぶんにとって
自然で無理のない
歩き方 ....
ただ流されるままに
生きてきた
モノクロ つまらない世界
蹴飛ばした石ころ
水面に映るオレの顔 歪ませる
まるで意思のない
操り人形だね
望むものは全て
両手をすり抜け
....
喉を嗄らして
低周波で世界に発信する
・・・・ここだけの世界。
発信器の低出力は金の無さか。
それとも設計自体に問題アリ。
コンデンサーが怒れているのか。
....
健やかに
太陽を浴びて健やかに
林檎は輝く
突然の風塵に出会うまでは
傷ついた林檎は
叫びの蜜を流し
やがて打ち捨てられ
谷底に堕ちる
それでも林檎は林檎たらんとし
....
雲は湧く
風は空から降りてくる
耳を澄まして空気の走る音を拾う
旭を背に洗濯物を干したのは半時間前
それから地下鉄に乗り降りて地上に出れば
既に日の光は隠れ
世界は一変している
....
だれのものか
だれもしらない
島の ちむは
たましいの遺産
戦世(いくさゆ)でも
混血でも
総決起でも
珊瑚あたまのガジュマルが
三線片手に汗かき鳴らして
愛しく ....
ふたりで歩けばいつも
楽しいこともせつないことも沢山あった
もうここを
誰かと歩きたいとは思わない
霧のなかのフェアウェイをゆく
ラフの方の木々が幻想的だった
....
ベラドンナの毒が廻って
頭の中が痺れてきた
万華鏡くるくる回して
違う局面を探してみるけれど
見えるのは黒い★ばかり
ああ 自嘲的になっていく
わたしの鰭はうまく泳げない
愛という津 ....
並列運転でのろのろと自転車をこぐ
パーマのとれかかったあなたの髪を
ふやけた空が切り取ってる
あなたは時々私の二の腕をつまみ
ニヤリと笑ってみせた
季節は無情にも過ぎていくというが
そ ....
ちりちりに寒がっている灰塵。
接着性の温もりに誘われて炉端へ。
道中で粉砕されたマキビシの儚い夢。
「継続」が「再燃」を食い潰しながら
塵が人の形を移し込んでゆく。
腹を空かした ....
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