詩作以外何もすることは無く その途中 突然夏が呼んでいるような気がして 外へ飛び出し 自転車へ飛び乗った
君が後ろに乗っているような気分で 長い長い上り坂を必死に漕いでいった
太陽はギラギラ ....
彼はどこにもいない
会社にだって
公園にだって
トイレにだって
いない
それなのに彼は
どこにもいない植物を
育てている
何のために使うのかは
わからない
でも ....
夢は幼き微熱の蜃気楼
長い道のりを進む
薔薇色の生活に憧れて
独りきりの夜なべ
激動の時代を渡ることの難しさ
いずれ散っていく命
毎日色の違う日々を泳いで
喜怒哀楽の万華 ....
壊れたら直せばいいが口癖の
父からもらったラジカセは壊れてばかりだった
とくにアンテナはしょっちゅう折れた
そのたびに父は何も言わず修理してくれた
まるでそれが生きている理由であるかのように
....
めまいがするほど
一度どくんと心臓が跳ねて
膝につけた頬が重い
何度迎えても夏は早足で
あの歌が流れるたび
いないあなたの口笛がついてくる
今も泣けない苦しさで
胸がやぶけそうな ....
天盤はなだれ
黒雲はしける
なみなす水兵の錯乱
吹き揚がる蔵物と
ペットボトルの散乱
赤錆びた船の重低音
通り過ぎるたび軋む
わたしの
コールタールの夕暮れ
水際で黙 ....
そのスーパーのレジでは
いつも同じ人のレーンに並んでしまう
威勢のよいレジの人の前に立つと 急かされているような
責められているような気になるのだが
そのひとは一度も 私を責めたこと ....
はぐれものは
ふるさとの名前を知らない
だから、私の汗ばんだほほを
冷たい指でぬぐいながら
細く、薄青いくちびるで
君が名付ける、それが
たどり着きたいふるさと ....
悲しいわけでもない
嬉しいわけでもない
それでも涙が止まらない
悲しくなんてないのに
嬉しくなんかないのに
鼻ま ....
四.五畳間
小さな巣穴
軟体生物になりきる
私はクラゲである
私は蛸である
なんでもいい
骨のない生き物になる
なんせ軟体生物ですから
背筋はしゃっきりでき ....
穏やかなニュースが部屋中に流れる
?英雄さんが殺害されました?
悪くない話しだ
英雄がいらなくなった訳だから
いざと言う時
頼りになるのは英雄よりもお隣さん
仲良くしとかなくち ....
今、会いたい人がいます
否、ずっと会いたい人がいます
会えない時間が
愛、育てるのさ
と言う流行歌が
昔あったけど
これは
会えると言う確約があるから
成り立つもので
....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった
雷雨が滑りこむ昼下がり
四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
かけ足に過ぎなかった
いまでもそれは
よくみえる
ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い
わからないほどに
からまり続けて
いるからね
....
じいさんの手
畑仕事に追われて
ごわごわしたごつい手
悪さして殴られると痛い
じいさんの手
病気にかかって
しわしわした柔らかな手
悪さして殴られても痛くない
じいさんの手
....
ブラのホックを留めるのはうまいぜ
外すのはもっと得意だがね
心の掛け違いばかりだがお前とは
フロントはいけない
俺にはけっして留められない
白い谷間を見かけたら
男ならば誰でもそうさ
....
2007/06/12
クロッカス畑に
クロッキーを植えて
クロッキー、クロッキーと囃し立て
引き籠もったクロッカスのお人形の綽名は
誰が付けたのか付けら ....
部屋の机の上に飾られた写真立てに
うっすらと積もった埃をなぞって
ここで過ごした時の長さを思った
写真の中の笑顔はそのままに
もうずいぶんと遠くに来てしまったような
そんな気が ....
疲れてるけど可愛い妻よわが鳩よ福井の海の一夏の日に
わが心じっと離れぬこの家に妻よいつまでもいつまでも
きみがため歌を書く机のうえに花の写真と僕のなみだと
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで
夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
風ノ葉
こころには
埋まることなきすき間あり
葉の揺る茶屋に
独り佇む
椀
{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ
底のまるみに
....
陽も明瞭さにかけた頃
ドアの向こうに
霞んだ香水のにおいがあった
机の上の花が ――1輪の花が目に入った
ヒナギクの花
部屋の明かりは消えているのに
なぜか
....
ジョセフィン博士の勧めで
手紙で紹介された
アパルトマンに引っ越すことにした
もう親離れしなければと
0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵たち
ここは芸術を育てる部屋
変わ ....
汽車の終点にて
夜道をゆく
同郷の者は足が早く
陰影が消える
この街路に
カラオケなど一軒もなく
酒を買い
憂いを消して
やがて畦道となり
ワンカップの瓶が転がる
春風が吹 ....
蟻が空を見上げてる
土の上から
体よりもずっと小さい目で
大きな空を見上げてる
いつもは下を向いて
せっせと動いているけれど
まぶしい光が呼んだのだろうか
蟻は立ち止まり
空を見つめて ....
一緒に生きて死のうよ、ね?
眼球から雫
白紙に転がる鉛筆
遺書でも書く心算だったの?
泣いてなんかいないよ
哀しんでいるだけ
凍てつく左手はそれでも君の愛を乞 ....
何ひとつ
うまくいかない
そんな日常の中に
見つけたもの
探して探して
暗い夜道をひとり
歩いて歩いて
やっと
出会えた
君との日々を
宝物にしたいから
....
『おはよう』と
交わす言葉に
込み上げる
今日の愛しさ
噛み締め生きる
『また明日』
あると信じて
別れてく
沸き上がりくる
寂しさ隠し
目が覚めたら朝が来ました
目が覚めても朝が来ました
昨日と同じ今日が怖いので
今日と違う明日が恐ろしいので
僕はバリアを張って僕を弾いてしまいます
僕らはオーラを発して僕らを放してし ....
我が北大路家は 代々 京都守護の仕事をしている
昔 空海が張ったとされる結界を 現在は父が張りつづけてる
私も中2の頃から仕事を手伝い始めている
結界の保守・管理などが主な業務
....
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