ほんのさささいなことで
まほうびんをわってしまった

あの頃は
長屋の辻にある共同の井戸に
水汲み用の手押しポンプがあった
木綿の濾し袋が先に付いていて
最初に水を汲むには
呼び水を入 ....
*


ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ


*


明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
 ((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
 ....
天井の隅には
蜘蛛の巣があるけん
蠅のばあちゃんが教えてくれた
台所の窓にはヤモリがおるけん
近寄っちゃいかんばい

婆ちゃんは
何でも知とると
だけん
長生きしとるばい
この家の ....
あなたはいつも
ことば
そのもの
あ・う・んの息が
僕の水晶体を潜り抜け
脳髄でぱっちり点滅する

あなたといつも
ことば
戯れてごろごろ
猫じゃらしであやしたあとで
バケツ ....
 オタマジャクシが
 ぼくのまぶたの裏側に棲みついてしまった
 けれど、だれからもみえない
 ぼくにも
 影の輪郭しかみえないが
 たしかに棲みついて動きまわっている

   ....
平日は
ぎっしりと湿った砂が詰まった頭に
素敵な大人のお面をつけて
行列の最後尾で傾きながら
特別快速の通過を待っている

休日は
いっこうに衰えない逃げ足に
穏やかな家庭人のジャ ....
太陽が睨む / 私は目を逸らす
太陽が睨む / 私は目を逸らす
太陽が睨む / 私は目を逸らす

太陽が睨む / 私は背を向ける
太陽が睨む / 私は靴を脱ぐ
太陽が睨む / 私はうずくま ....
月に2回くらいの間隔で
あたしは 言霊を吼えたくなる

嵐が来るという

嵐の夜の朗読会は燃える
みんな 燃えてる

あたしの名前が呼ばれる

いつも 何だか一番目

朗読会に ....
ふたりで眠り込んだベッドの窓辺には

二週間まえ満月と金星がいてくれた

急斜面に生えた常緑樹たちの縁どりが

この五年かんおまえに微笑んでくれていたんだね

みどりになりたいよ

 ....
夕焼け色の空を見て
君は癒されるでしょうか
あの日、
海で見た
あの空のように
終わり行く一日を
溶かすように
僕らは終わったのでした

愛しています
と呟くたびに
コップの中の ....
やさしい気持ちは
赤子のむせび泣くそれに
似ているかもしれない

なにがやさしさなのか
わからなくなることがある

ただ強く抱きしめるだけのうそも
飴をひとつぶあげる掌も
好きという ....
≪テーマ ; ポロシャツはダサいか≫

関東びと 「はい、襟があるとこがダサい」
近畿びと 「襟はパリッとしてませんとな」
東海びと 「釦もだせゃ〜で。駱駝のシャツみてゃ〜で」
九州びと 「 ....
南部風鈴の音
風に乗せ
山越え
きーんと鳴る

見るも無惨なお前の笑顔
腕は白い
うちひしがれた隣に空が
はっついてる
いっときも目を逸らすな
言ったのに

泥のように夕日を沈 ....
渇く忘れ去られた庭に光があった
錆びついた鉄柵はきしみを告げる
ほしいままにはびこる夏草が
風を連れて通り過ぎてゆく


忘れ去られた庭の
土は乾いて陽盛りだけが
影を作り 思い出を形 ....
1+2=

「たけちゃん。
 おつかいにいってもらえるかな。」
「うん。
 いいよ。」
「みかんひとつとりんご二個買ってきてほしいの。」
「ひとつとふたつ・・・・。」
 ....
半音の半分くらいズレていたと思う
そのオルガンを初めて見たとき
音の鳴らし方が分からなかった
ようやっと曲が弾ける様になった頃
引越した先にオルガンは無かった

あれは楽しい音だった
未 ....
あなたはとても照れくさそうに笑うそれを見るとわたしは無性にいとおしい気持にあふれる

(わたしたちの愛に余裕はないのだから)

偶然だねとかいっしょだねとか聞くとどうもその手には弱いみたいあな ....
夜明け前の空の色が
好き


深い群青からじょじょに
混ざり合った茜色
朱色
明るい赤みを含んだ水色へ…


私たちは今
夜明け前なのかもしれない


今日への希望をはら ....
人の声がしていた
気のせいかもしれない
聞かなければ、
聞かずにすむのかもしれない

鬱蒼とした密林の獣道らしかった
薄日の差し込むそこは、鳥が時折 過ぎていく
朝ならばもう、あたしは学 ....
いまは夏でも秋でもありませぬ
軌道上のリセットスイッチを
昨夜、弾きましたゆえ
どうぞ、お持ちの未練など
そこな小川で流しなされ
間もなくこの野にも人が溢れますゆえ
どうぞ、お急ぎなされ
 ....
滴り落ちる朱が
脳の闇を呼び覚ます

隠れていた魔物が
『逝けよ 逝けよ』
と騒ぎ立てる

ネジの緩んだ僕の体は
ぎこちなく葬送ワルツを踊り出す

ここにはない何かを求めて
魂は ....
娘が幼稚園に入るまでに
通園バッグを縫わなければならなくなった 我が家では
まず 寸法を測って キルト地などを裁っては

思わされる 間違って絶ってはいけないと。日本語があまり
得意ではない ....
 ――知っていただろうが、

銀のフォークに刺したその柔らかな一切れが
まだ焼かれるまえには紅く鮮血が滴っていたのを
そして屠られるまえに荒く息をし、
「お願い、どうかやめて!」と叫んだのを ....
悲劇のヒロインを助けに行くの?
王子様

死ぬのがえらいんか
犯されるのがかわいそうか
病気が心配か

おまえが行ってどうなるの
死ぬ死なないがやりたいのならよそでやれ

小さい頃 ....
他人の死は見ることができ、
自分の死は見ることができない。

他人の表情は見ることができ、
自分の表情は見ることができない。

自分の何かはすべて想像だけで、
鏡に写った自分が本当に自分 ....
運び出された棺は小さかったので
担ぎ手は四人で足りた
会長は、喜寿を過ぎても出勤していた
迎えの車がリムジンだったのは
会社の沽券に関わるだけの事で
カーヴに技術を要するサイズだったのは
 ....
目線の果て オレンジ色の波
その間で揺れるあたしの日に焼けた肩
これがあなたに語りたい 全て

手にしている本を置いて
少しだけ近づいてきてください
太陽と一 ....
 
麦わら帽子の片思いは
たんぽぽの種になって飛んで行った

新調仕立て背広の恋愛は
勿忘草となって枯れていき

覚悟を決めた愛情は
ブーケの花となって咲いていった

白髪交じりの ....
{引用=



夏がころがりおちてゆくのを
陸橋のうえから
ぼくは
ずっとみていたんだ
いつかかならずくる
嵐が
ニンジン畑のどこに潜んでいるのか
だれも知らないことが残念でなら ....
政治の茶番劇場だの上映するテレビ局

どうでもいい世間の井戸端会議参加する犬養婦人

無用の回覧板になぜ印鑑が必要か

ステーキにしいただく

そうしたものが肝機能をダメにして

 ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17882)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
割烹着- 板谷みき ...自由詩3*10-9-11
直線_9/11- 夏嶋 真 ...自由詩27*10-9-11
蠅の婆ちゃん- 曲がり屋 ...自由詩610-9-11
あ・ん- 乱太郎自由詩12*10-9-11
ふあんな街は犀の背中にのっている- 石川敬大自由詩1610-9-11
アンバランス- nonya自由詩10*10-9-11
過ぎゆく夏- within自由詩6*10-9-11
嵐に吼える- 森の猫自由詩4*10-9-11
流星- 吉岡ペペ ...自由詩710-9-11
夕焼け、秋- 真山義一 ...自由詩1910-9-9
九月は誰もが遠ざかる- みぞるる自由詩410-9-9
ラコステ遊(すさ)び- salco散文(批評 ...8*10-9-9
くろがね- しべ自由詩510-9-9
緑の蝶- 石瀬琳々自由詩7*10-9-9
1+2=- 乱太郎自由詩11+*10-9-9
鞴のオルガン- プル式自由詩410-9-9
日向のころ- 豊島ケイ ...自由詩8*10-9-8
夜明け前- 森の猫自由詩4*10-9-8
密林からの- 月乃助自由詩11*10-9-8
刈取り農夫- 西天 龍自由詩2*10-9-7
漆黒- うずら豆自由詩610-9-7
—縫い合わされるもの—- N.K.自由詩6*10-9-7
Sacrifice_★- atsuchan69自由詩15*10-9-7
刺すYou- カチキ自由詩110-9-7
鏡に独り言- ……とあ ...自由詩8*10-9-7
ミニミニおやじのミニな終焉- salco自由詩4*10-9-7
Laguna,_Newport,_Huntington,_' ...- むらさき自由詩110-9-6
恋の花- 乱太郎自由詩13*10-9-6
犬もみていた、夏のおわりを- 石川敬大自由詩1810-9-6
減肥- yoyo自由詩210-9-6

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