年末と言うのに
テレビが悲しいニュースを告げる。
『発達した低気圧のため、北の海は大荒れ、
ベーリング海にて、港帰りの漁船、遭難!!』
ああ、こんな時に。
凍てつく北の海に ....
カーテンを開けたら
光の子どもが入って来て
小さな可愛い声でいいました
『おはよっ』
「おはよう」
私は込み上げる笑顔と共に
うーんとせのびしました
朝です
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く
人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている
時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
....
壊れた部品のお取替え
旧式だから全替えです
いろんな思い出もあるでしょうが
バックアップはとっていますし
どうせ代わりはいくらでもいますから
実際として
彼は死んでしま ....
息を飲む
この瞬間にもハイエナは
俺の蜜を奪おうと目を光らせている
人と人との出会いの物語
いずれエピソードになり
別れが待ってる
一粒の涙を残し
静かに愛する人と過ごせ ....
だが
落葉の時間をへて
絶え間ない先送と 既了の境域へ
戻るか
コウシュの旅人
蒼茫の中、
一際
あおく、沈んで
そこで意味の果実は
割れ、
残照 ....
招き猫が嫁に行った
注文の多い小料理屋には
微笑みも衒いも無くなり
自然
お客の足も遠のいて
入り浸りだった
どこぞの
ペルシャも
シャムも
来なくなった
閑古鳥を捕まえに
....
根雪というも、いずれは川になる
姿は消ゆれども
解き放たれる
いずれは川になる
根雪 去ったあとから芽吹く、新芽に
何かを告げることさえ請いもしない
落ち葉はいずれ母になる
....
夢の重さは儚く溶け出し
小さな海を造る
その小さな海で泳ぐ僕は
熱帯魚にはなれ無いから
空ばかりを見ていた
空は明るく
ゆっくりと雲が泳ぐ
僕はいっそうの事
この海になって仕舞いた ....
あたしの体は商品です
なんて
陳腐なことは申しません
シケモクはまずいのです
でも
あの感触は あたしを大人にしてくれるようです
あたしに覆いかぶさる男の人は
いつも ....
ざぁざぁ。
でも私の心は雨じゃないです。
でもいっそ雨に打たれたいの、ね。
ざぁざぁ。
ざぁ ザー …
嗚呼 溢れ出そう
全部ながしてくれるんですか ....
場末の小さな店を出ると
もう真夜中のはずなのに
不思議とあたりは白っぽく明るい
街灯もひとつもともっていない
しかし明るいとはいえ太陽がないので
なんだか昼間とはちがった
さびしい明るさだ ....
夢と心を
夕空に放ち
林檎を かじる
しゃりっと
音を出す度に
淡くなる空
雲のドミノ
神が倒さない
ミルキーロード
気流が駆け抜ける
鳥のダンスに拍手を送る
夕 ....
降りそそぐものは、波です
満ちてゆく潮風に
しおれることも
ときには
開花
白銀は、あこがれですか
うらがわですか
ゆるやかになきます
あの、下弦
背中を ....
うれしい朝だね
ほら、鳥がみんなで飛んでゆく
きっと
空にあいさつをしているんだよ
明るい朝だね
ほら、子供がみんなで遊びにゆく
きっと
思い出をつくりにゆくんだよ
優しい朝だ ....
僕の名前はリナ・ローウェン、
かの大詩人が即興で名づけた
ニックネーム。 )))
彼は人並みに僕を抱いて
「もう愛してなどいない
と、言った
そしてパリで ....
僕がなかなか寝ないので
ママが「おやすみなさい」の森へ
行きなさいと言った
僕はしかたがないので
安心毛布を引きずって
「おやすみなさい」の森へ向かう
森は暗くて静かだった
誰もいな ....
全速力で 逃げろ
手近な やさしさに
癒されてしまわないように
ただ ただ
強く願うんだ
たとえ 叶わない恋でも
混沌とそこで波立ち、
彼女は待っている。
すべてを脱ぎ捨て飛び込む。
飛沫を上げ、
彼女は受け容れる。
全身で全身を包み込む。
ゆるやかに彼女が浸透 ....
深い森の中では
フクロウが夜を歌ってる
あの娘は眠りの浮舟に乗って
夜空に漂ってる
僕は時の移ろいを感じて
すこしばかりお酒を飲んでいる
通りに出れば路地裏で
アスファル ....
八百の橋で連なり
水の都で西を語る
大声で
陽気な挨拶
大阪WAY
迷い道はあちら、こちら
どうぞお試しあらんことを
東には魔物が棲むという
憧れ抱く程度にしとき ....
母が苦手だった
僕のこと
何でもわかってるように言うから
イライラした
でも
母と大喧嘩した日の夜
ムシャクシャして寝付けなくて
水飲みに降りた時
僕は 見てしまったんだ
....
ラウリ・ラパラは
松の木を削ったらしい
そいつから比べれば
なんてことない
作業の筈なんだが
気がつきゃ
にらめっこだ
また
やんわらかい
バル ....
人、人並の生活ができれば
幼い日の貧しさも遠の ....
白く無骨な あなたの指が
真っ白な鍵盤の上を 滑るようになぞって
この世の何よりも 美しい音を奏でるように
いつの日か
あなたのその 無骨で愛おしい指が
あたしを 奏でる日が来るよう ....
終わる、と
ただ巡っていくだけのものに
あきらめにも似た終止符を
打ち続けて僕の数直線は
みっともない
姿をさらして
次の巡りを待てないほど急いで
どこに辿り着けた
....
窓の外を見たら学校帰りの小学生らが、集団下校で帰ってきてた。
◇◇◇
ん、って思ったのは、
みんな頭におそろいの黄色いぼうし、
ランドセルに黄色いカバーをつけていて、
小雨 ....
風に騙されないブランコ
煩いイルミネーション
急に君から降ってきた棘を
交わす余裕も無く
ただ浴びた私
寒さに震えていた体は
だんだん
君の体温に震えはじめる
頑なに揺 ....
開けた扉から洩れた
明るい光と暖かな風
重なり合う笑い声に縋ろうと
手を伸ばしてはみたけれど
扉は再び閉ざされた
戻らなくてはならない
約束の時間だ
あてがわれた場所は
ここではな ....
黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。
階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597