陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
fallin', fallin', fallin'

夢に堕ちていくのか
現実に落とされていくのか

曖昧な境界線は
貴方の体温だけを明確にする


スパークする光
流星の歌声
 ....
赤く濡れた月の蜜
追憶の茎から垂れ下がり
これから弄ばれることを夢想する

酸味の残った薄い唇
僕の指が軽くなぞると
風のせいにして髪に隠れようとする

火照って潰れそうな肉体
甘い香水の匂いが肌を ....
夏の陽射しの中

曲がりくねった道を
君と一緒に歩いていると
丘一面に黄色い向日葵

僕はスケッチブックとクレヨンを取り出し
道の傍らに座り込んで
丘一面の黄色い向日葵をスケッチブック ....
疾駆する車の前を
白磁の蝶がひるがえる
蝶は
そそり立つ眉を持つ

白く焼けた小石から小石を
羽黒とんぼが渡る
ゆらゆら揺れる
かすかな悲鳴

夏の熱が山脈をかすませる
盛り上が ....
真っ白く巨大な雲に
薄くて淡いグレーの雲が
今にも食い千切られようとしていた。

止まっていることと
動いていることが
まるでわからなくなる。

ぼやけた真実が
確かな真実になったり ....
うっすらとした
指紋が残る
小さな
背徳ばかりで出来た
フォンダンの中から
青銅のさかなが跳ね上がる

冷気の中で始まってしまった
運動会
知らないプログラムを
延々と放送して
 ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う

今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
恋しくて雨のソーダ水飲み干したはじける泡よ恋しくてまだ


ものがたり、は続いている泣きながら夜そして昼あなたの時間


たわいなく戯れ過ぎる風としてもふりむかないで首筋にただ


 ....
きょうそとは

キンモクセイの匂いしている

それだけが湿気のように


こすれあう肌が

お花屋さんの冷蔵室の匂いだ

植物みたいな悲しみに

ふたりはじゃれあい

た ....
君は 青い鳥を追いかけ
僕は 新たなる月を追いかけている
同じ空の下でも
二人が駆け抜けるのは別の道

自然の摂理か

背中を向き合いながら走っていく
振り向く仕草を思い出させる魔法は ....
ぶつかってははじけ沈みこまれてく/見えない傷を時は置き去りに
雨の黒さを見上げる葉月の今も/あの娘はきっと放ちきれない愛を胸いっぱいに抱きしめて
僕は不埒で浅はかで疾しいまま/嘘にまみれ退屈に灼か ....
誰にも知られてはならない
耳をそばだてて

この地面の奥深くには
川のように赤い血が流れていて
少女だけがその流れる音を
聞くことができるのです

でも聞き続けていてはいけません
自 ....
世界の食虫植物展
てのひらはそそと、ほたるのあかり
贓物をてらすと
くびれた腰の民族思想
 わたしも生きものよ、
かずらを隠す種の保存が餌をうかがうふしだらな生足

挫いた関与が助けを求 ....
秋のある日

日本には目立つものが3つあり震災円高なでしこ・ジャパン

妻とともなでしこジャパンを喜んで秋の一日は爽やかなりき

清潔とは一切を拒否しつづけそして不満がないそうかも

 ....
私欲で手にいれて私腹を肥やして
要らなくなったものは?
赤の他人にプレゼント

街のほんの片隅でも
すぐに見つかってしまうのだから

人間の汚いとこ

世界に溢れていても仕方ないのかもしれない
雨や雪やもしくは火山灰
降り積もるものに閉ざされるとき
あおぞらに解き放たれた高層雲が眩しいとき
それら、数え切れない
ゆえに無限に近いものを見上げるとき
からだは静かな楽器になるのです
 ....


蝉が鳴く

孤独を切り裂くように



何処へも

もう

いけないことを悟っているように

性急に 性急に

夏の生ぬるい空気を震わせている



こん ....
途切れた糸
それでも僕は
忘れられない

そのふわっとした笑顔が
でもちょっとシニカルな

途切れた糸
ほつれるなんてないはずだった
無限のさざ波のように

花柄のワンピースが
 ....
すべてがあなたの声だった

忘れたいってもがいていた

ときどきあなたが

自身のことをよく言わないとき

ぼくはあらゆる悲しみになっていたよ

すべてがあなたの声だった

忘 ....
それって国芳だろーエド・ハーディー
浮世絵パクって儲けてるエド・ハーディー
その牡丹は中国だろーエド・ハーディー
南画からもイタダキのエド・ハーディー
刺青の本場から言わせてもらうと
あんた ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
 ....
アスファルトの熱に背中をあずけて
気持ちいいとか

舞い散る光と鈍い音が美しいとか



湿気に体をつつまれて
研ぎ澄まされてく、


高音の不快感と震える手。


ど ....
純で
真っ直ぐな
君を想う

だんだん
うちとけてきたね

お酒が好きなのも
一緒だった

今度飲もう

何時になるかな

君と一緒だと
楽しくて
飲みすぎてしまうかも ....
指の境目に現れる透明な詩話
越えたように波打ち続けている

記憶を邪魔者にしようとして
うっかり波にさらわれることもなく
取り残されてしまう

同伴する記憶が欲しがるガラスを
もっと増 ....
メゾピアノから入る旋律を
僕はとても気に入っていたんだけど
どうしてもイメージ通りに弾けなくて
いつも最後には
鍵盤をぶっきらぼうに掃除しあと
それでも静かに蓋を閉めた

あのころ優しく ....
いいわけが思い付かなくなった
こじつければ無限にあった
あの頃は確かに
言葉は弱い私たちの
味方だった



* * * * * * *


体育館の
高い窓を見ていた
仰げ ....
嘘をついてはいけません
命の尊さを知りましょう
他人を悲しませてはいけません
人権を守りましょう

復唱

復唱しろ
テレビ新聞政治家おまえもか評論家

嘘をついてはいけません
 ....
{引用=
***


ムラサキツバメに失踪する
その前夜にふきあれた豪雨のことを
ながく思いわずらっている
きしり、と
窓はひらいた
ひと知れず
みるまに
カーテンはあおられて ....
る の形の漏斗へと滑り落ちていくように
ぼくは明るい駅へと吸い込まれる
窓に青蛙が張り付く
濡れた松葉が張り付く
滲むいくつかの家の灯りが
黒い木立に十字を掛けて
すいと横に流れたかと見る ....
恋月 ぴのさんのおすすめリスト(17884)
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擦れてゆく雲に託す- 塩崎みあ ...自由詩7*11-9-7
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さいごの凪- フミタケ自由詩511-9-7
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夜の蝉- kauz ...自由詩4*11-9-5
途切れた糸- うずら豆自由詩2*11-9-5
素直にこころを- 吉岡ペペ ...自由詩211-9-5
江戸派手絵- salco自由詩8*11-9-5
約束- ……とあ ...自由詩19*11-9-5
またね- Izm自由詩411-9-5
君想う- 森の猫自由詩13*11-9-4
三十分後の青春- yuugao自由詩1*11-9-4
音符のある風景- ささやま ...自由詩10*11-9-4
淘汰- 自由詩511-9-4
どうとくのじかん- カチキ自由詩511-9-4
aerial_acrobatics_15- mizu K自由詩611-9-4
お帰りの少年- オイタル自由詩4*11-9-3

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