ぎゅー
とか言いながら
小学生の次女が背中から抱き付く
突然の攻撃に弱い僕は
反射的に振り払う仕草をする
から彼女は頬を膨らます
いつものパターン
だけど今日はちょっと事情が違っ ....
空になった米びつを
流し台下の収納から取り出すと 初夏
扉裏から日陰がやって来て
「今日は暑いですね」と作業を急かされる
10キロ袋の角を少し切り
よいこら 持ち上げてから
う ....
日々が流れるように過ぎていく。
と言うよりも
ずるずるといろんなものを未解決のまま引きずりながら、
おしだされながら過ぎていく
という形容のほうが適切に感じる。
定期的に憂 ....
幾本もの虹がのぼりながら重なり
耳元をかすめる
皿洗い機のあけたてと
空耳の有線のジングル
急ブレーキとまばたきの音
ボールペンを走らせ
アドレスを記入しながら
今のあの人の手相を占い
....
待たされすぎた過ちが
無風のなかをざわめいている
低く、
そらへと
這いだす者を
あやぶむ声はいつも、高い
わかれたはずの
軌道の彼方、
もっとも遠 ....
旅にでたけれど旅って何さ
ここはどこかな ねえ
サンダル船長さん 調子はどうだい
うん 段々 体が重くなってる
海水がしみこんでるのかなあ
沈んじゃうのかな
えー それは困るよ ....
080721
空気がくれた
赤ん坊
(優しい目をして
(見つめるから
(つい油断する
(本当のことは
(誰にも言ってはなりません
空気が
足らないから
....
夕暮れ色のカーテン
宇宙を纏った私から
紺色が滲むのを
面白がってしまうのは
いけない
ことでは、ない
茹だるような季節には
いつも
特有の風が吹いて
....
暗い受難が
名もないアスファルトの海に
堕ち、
て、
、産まれ
た
1.
座り込む前、私は知っていた
焼けた夕陽を目にする度
自分の踵から伸 ....
空っぽになったビールの空き缶を潰しながら
シャワーを浴びようと立ち上がる
夏の夕方は明るくて
少しの背徳感を纏いながら
生ぬるい風をベランダからおくってくる
キュウリとトマトだけのサラダ ....
可愛くあろう
顔の笑顔
声の笑顔
NGはしない事
どんなにできなくても
一生懸命努力すれば
助けたくなるもの
諦めないで最期まで
ありがとうと言われたら
又頑張ろうと思う
....
すなでつくったおしろ
おおきいな
うれしいな
でもね
かんたんに こわれてしまう
かんたんに。
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ
・
・
・
机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないこ ....
「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある
まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽
ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
麦茶が恋しくなる季節
氷砂糖がよく売れる季節
行きつけのラーメン屋に並んで
冷やし中華を注文する
クールビズは涼しくもなんともない
おしぼりで顔の汗を拭き取る
お盆の時期には稼働を調整 ....
・
ポストには請求書ばかりが届き
携帯電話の受信フォルダは
迷惑メールでいっぱいだ
履歴書を書けば誤字脱字ばかりで
修整液はとうに使い切ってしまったし
紙屑ばかりあふれる部屋で
どう ....
落陽、その時に見えたのは希望でも何でもなかった
羊を数えた夜が明けないから
一匹ずつ撃ち殺そうとして
銃創、その時に知ったのは暗闇でも死でもなかった
{引用=捨てないように ....
心のダムに
言葉の雫がたまったら
きっと流れるうたの川
溢れ出してしまいそうになりながら
きらきらした雫だけ抜き取って
私しかつくれないうたの川
いつかとっておきの
雫でできた川
ここのダムから流 ....
湿った夜に
孤独の匂う扉が開いたらしい
今日の陽射しに晒した、
二の腕も敵わない強さで
戻る道を塞がれた
草むらに埋もれる羽虫や
苦瓜の、
生き物のような苛立った肌
何 ....
向こう岸のビルの群れ
肉色の雲の腹がひろがり
黒い飴色をした東京湾が凪ぎながらゆれて
高速道路が時間のように巡っている
血だらけな手も足もたくさんあるのよ
あたしたちみんな輪郭を共 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために
....
例えば。
茹だるような青が
私たちを押し潰した夏に
もしも、一握りの白があったとして
それは
冬たる物になるだろうか?
アスファルトに溶け ....
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる
夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
昔はよかった
人は言う
昔もよかった
とは
決して言わない
新しいということは
美徳とされた筈なのに
広がる夢に
心踊らしていた筈なのに
新しいということは
....
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女
夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた
よう ....
何処にでも行けるのではなく
何処かへ行こうとする意志
強靱なしなやかな
意志
を
僕は持たない
ひさしく
日常はゆりかご
ひさしく
旅に出ようとすることは
慣れ ....
さいきん岡真史の名をネット上で目にすることが何度かあった。彼は12歳で投身自殺したという少年で僕より一回りくらい上である。かれが亡くなったとき、僕は1歳であった。
知り合いお2人のブロ ....
声そのものを
水にひたしたように
力を与えたい
私の届ける力
いつまで音は続いてゆくのだろう
車輪の這うところを地図にして
他の景色は見ないで
暮らすということは涙
こぼすとい ....
湿度の高い暑さののこる夜
デリケートな僕の気持ちをそのまま形にしたような
溶けかけのシャーベットの残るグラスに
きれいに真ん中で割られた月が映ってる
シャーベットをひとすくい口に運 ....
言葉のカーテンにゲロをはく
少年にとって、罪だけが救いで
誰もそれに気付かないから
鉄の棒で殴っている
可哀想に
リビングのど真ん中に
絞首台がおいてあって
その踏み台で家族五人 ....
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