{引用=
夕方の交差点にあふれだし出会う
苛立のつぶては骨までずぶ濡れにして
肩の汗に流れず浴室は
からだの痛みと感情の軋みをうったえる場所
真夜中につぶやきをひとつぶひとつぶ垂らし ....
{引用=領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは}
意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気 ....
あなたのくちびるから海がこぼれる
塩からい水が胸を濡らすから
わたしは溺れないように息をする
そっと息をする
空の高みが恋しいと指先をのばし
両手を広げてみるけれど
あなたの海が追 ....
この
腹の底から
溢れ出る
涙は
私の涙でもあり
君の涙でもあるのだろう
サヨナラの時は
刻一刻と
近づき
そんな
酷い
答えしか出せない
この母体を
子宮を
....
いびつに
きみをだきしめる
できるだけ身ぢかく
みつめるため
しろい
しろい
息できない
うまく笑えない
とても、
ビュー ....
想っても想っても あなたの影さえ踏めなくて
近づくたびに遠くなるよに 赤い瞳が見たいのに
暗い部屋へと消えていく背中をただ見ているだけしかできない
弱虫でごめんなさい あなたの幸せを祈ることしか ....
おはよう
君の声が聞こえただけで
こんなに朝は踊るよ
眩しいのは
陽射しが口笛吹いているから
朝露垂れて木琴を叩く
こんにちは
君の笑顔と弾んだ君の声
僕はおかげで嬉しくなって ....
「ぐちょくなんだ?」
親友が わたしのことをそう呼ぶのが
“愚直”の意味さえ知らない私でも
ムカッとできる力を含んでいて、
『愚直だね』
(って言えるあなたは逆に言えば)
「ひきょ ....
風の中に飛び込んで
空を泳ぎ切る
湧き上がる入道雲まで
真っ青な空間を
かきわけて
辿り着く
遊びにきた子供らの声だけが聞こえる
足首に触らないでください
時につれ
舞い散る ....
お茶の水橋を医科歯科大学の方向に渡る と
すぐ聖橋の下を潜って秋葉に抜ける道へと右折する。
途中、神田明神から降りてくる坂の方向に左折し、
秋葉の方向へ右折する
と いつもの明神下の路 ....
眠いから寝た
疲れたから寝た
悲しいから寝た
わかんないから寝た
水たまりみたいに寝る
昼間に寝る
ずた袋みたい
粘土
つまんないから寝た
寂しいから寝た
頭痛いから寝た
覚 ....
夢にまたあれがでてきた
あれいらいだ
シンゴが洞窟を持ってしまったのは
女の子との別れならいくつも経験していた
それまで好きで別れたことなどなかった
そんなお人よしではなかった
連絡を ....
ぴん と張った
木枠の布に
ぷすりぷすり
と
針を刺す
あなたが
毛立て器で撫でる糸面は
決して
綺麗にぼかされることは無く
千切れた
刺繍糸と
毛羽立 ....
イルミネイションだけが
林檎の果実のように
重いというのか
すぐ帰結する解釈に
首を押さえつけられ
呼吸困難で
喉元が熱い
殺伐とした時代だから
こんなにも膨らむというのか
....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で
すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く
昨日死んだ紺の背広 ....
七夕なのに雨模様
願い事を見透かしてしまう僕には
あまり関係のない事実
笹を(と携帯に打ち込んだところで、稽古が終わった娘が車のドアガラスを叩いたから、作業を中断をせざるを得ない)
※ ....
朝。
新宿から歩いて帰宅した。
暑いな。今日も。
早い。もう7月も半ばじゃないか。
今年が明けたと思ってたら。
もう7月で。
やることいっぱ ....
悲しき道化師の夢を見た
がらんどうに流れる残響
琥珀色の朝日
笑顔の仮面は外れることなく
重い鎧をつけたまま
笑いながら、泣いていた
笑いながら、怒っていた
笑いながら、哀れ ....
わたしたち たぶん
ふたりとも
相手のひくつさを感じるところに
身を置くことが ....
眩い光りは衣を重ね
いつまでも消え去らぬ
それは人知れぬ
夏の海峡の 輝きを増した陽炎
落ちてきた 数知れぬ星達をあつめた天の河のように
静かによこたわる
無数のきらめきは、時を惜しみ
....
夕暮
赤い信号が消え
青になる
辺りはうすく、たそがれて
私たちの車は、角を
曲がる
ふとしては考える
幸福、幸福
カムパネルラの瞳が
どこからかしずかにみおろしているような星空
君の沈黙 君の横顔
それはなにかうつくしく けれどものがなしい
予感に満ちているようで
僕も黙ったままでいる
僕の脳 ....
軒下のコンクリートが古くなり
小さな穴が開いている
そこに ひょろりとしたものが居た
それは小さな子供の蛇
大きなミミズかと思ったが蛇だ
二十匹程の蟻が 体中にたかっている
ひょろりと ....
かみなり
ひんまがり 醜く よじれてペンダコのように頑なな私が
理想としているのが 渡り鳥の抑揚のように柔らかい けんこうこつだよ
ほしいよ
大理石の有翼女神像すら
空に ....
君は
どうして
ここに来たの?
もう
君を
抱き締めて
あげることなど
私には
できないというのに
毎日
毎日
手を
伸ばしたくなる
この手で ....
修辞に位置付けられるきざはしの出現はいみじくも重なり合う因果であるが、
しかし私たちの生活を根底から揺るがすほどのナルシシズムを包含しているわけではなく、
ただ、
夕映えから派生する杞憂 ....
落ちて行く日だまりの言葉を書留ようと伸ばした指先に触れていた昔の私の頭皮
とてもさらさらとしていて、若草の香りが気高く流れていたから私は意識を手放さずに済んでいた
太陽が月にかじりつく ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。
マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。
空は真っ青 ....
墨色
窓が悲鳴をあげる
どうせ また雨さ
会いたくても会えないよ
きっとこれも誰かの策略
悲しくなって泣いたら
一層 窓が声をあげた
悔しいから
マリーアントワネットに ....
あたしは
しがないサラリーマン家庭の
家族
毎日の献立に数円の違いを見出し
家計を切り詰め 朗読に当てる
でも楽しい 自由だからココロは
出あったのは ひとりの人間としてのキ ....
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